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12 コルダ村に迫る炎


夜が明けて村の外の様子を見たレオナイド(主人公・吸血鬼)。


そこには悪徳騎士達が既に陣を構えていた。


いま戦いが始まる――!!



 ドスドスドス! 


 何十本もの矢が飛来し、村の壁に立て続けに刺さる。


「ひいい!」


 村長が腰を抜かしてへたり込んだ。


「応戦しろ! 矢を射続けるんだ!」


 アマンダはひるむことなく村人達に指示を飛ばす。


「弓の打ち合いなら守る側の方が圧倒的に有利なんだ。こっちの方が高いし、壁の陰から射れる。恐れずに打ち続けろ!」


 その声で我に返った村人達が、慌てて配置について射撃を始める。



 俺は再び村の外を見回した。


 悪徳騎士達は一定の距離を取って村を囲んでいる。


 村の弓矢の射程を見て、ギリギリそれが届かない所まで前線を下げているようだ。



 ゲームでのAVOの戦術に関して言えば、弓兵などの遠距離ユニットに対しては接近戦が有効だ。


 この場合、敵は矢っを押し切って騎兵で突撃するのが有効な戦い方のはずだがその気配はない。


 おそらく昨日俺に一瞬でやられたことを警戒して接近戦には慎重なのだろう。


 このまま持久戦が続けば村が負けることはなさそうだが……。



 そう思っていると、敵陣から言い争う声が聞こえてきた。


「テメエらァ!何グダグダやってんだ!とっとと攻めねぇかコラァ!」


 派手な毛皮を羽織った男がなにやら怒鳴っている。


「あ、あいつが炎投槍のジェレミーです!」


 村長がその男を震えなが指差した。


 敵の騎士達もジェレミーが現れてたじろいでいるようだった。

 

 というよりも、騎士達の様子はおびえているような……。



 その時、ジェレミーの右手が赤く光った。


 手元の中空に、棒状の炎が形成される。


「あれが炎投槍か……」


 口ではそう言ったが、俺は内心では驚きはしていなかった。


 ゲームで何度も見てよく知っているスキルだったからだ。


 ただ、それを目の前で実際に見ると迫力はかなりあったが。



 ジェレミーはその炎の槍をつかむと、近くにいた部下に投げつけた。


「なっ……!?」


 思わず声が漏れた。


 その様子を柵の上から見ていた他の村人達からもどよめきが起こる。



 ジェレミーは部下達に向かって口汚く怒鳴り散らしていた。


 

 戦局が膠着して部下に当たり散らしてるのか。


 それにしたって酷いな……。

 

 この世界の騎士って奴はこんなにも横暴なのか。



 ジェレミーの周りの騎士達は必死に身振り手振りで何か言っていた。


 手の平に拳をぶつけて首を振っている。


 聞き取れる単語とあわせると、柵があるから突撃出来ないとか、おそらくそんな内容だろう。



 そうこうしていると、再びジェレミーは右手に炎の槍を握った。


 怯えてすくみ上がる騎士達。


 だがジェレミーは視線を移し、こちらをジロリとにらんだ。


 次の瞬間、真っ赤な炎の槍が村の方に飛んできた。


「うわあ!」


 炎の着弾点近くにいた村人が、柵の上から転げ落ちる。


 丸太は勢いよく燃え上がり、3~4メートルほどの幅の柵が焼け落ちた。


「しまった……!」



「これなら腰抜けのテメエらでも行けるだろ。中に突入して村の奴らを皆殺しにして来い!!」


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