~第四十三話~元勇者、出発する~
はい、本編の話です。
時間が出来たら、執筆していると思います。
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港町に行く事が決まったので、その準備に取り掛かる事にした。
港町ね……一体、何を持って行けばいいのだろうか? まあ……最低限の必要な物は持っておいた方がいいかな?って思ったので、必要な物を持ち運ぶ事にした。娘のリアネも一緒に行く事になったので、私はリアネに「リアネ? 必要な物と思う物を持っていきなさいね?」って言うと、リアネは「うん、解った」って言って、準備したみたいだった。で……リアネの頭の上に乗っているクロも一緒に連れて行くか……迷ったけど、まあ……クロだけお留守番させるのも何か悪い気がするし、それにもしかしたら、泊まりになるかも知れないから、クロだけ家に残すのも悪い気がするので、私はクロに「クロも一緒に行く?」と、聞いてみると、クロはニャーとだけ鳴いた。
……これは、了承って事でいいのかしら? ま、まあ……気にしない事にして、準備が出来たので、家の中で待っていると、扉を叩く音が聞こえたので、扉を開けてみると
「ナナ、リアネ、おはよう」
「ナナさん? リアネちゃん、おはようございます」
「おはようございます、あの……バルバさん?」
「ん? 何だ?」
「クロも一緒に連れて行っていいですかね?」
「……まあ、構わないぞ、特に問題は無い筈だと思うしな?」
「それは良かったです、で……港町で、どうやって行くんですか?」
「そうだな……二つの方法があるが……どっちの方法で行きたいか?」
「二つの方法ですか?」
「ああ、一つは馬車での移動だな? 馬車だと……今から行って、港町に辿り着く頃には、夜あたりになる。で、もう一つは、魔法での転送移動だな? けど……これには魔力が尽きると言う可能性があるから、あまりおすすめは出来ないが……ナナはどちらを希望したいんだ?」
「私としては、ゆっくりと馬車で移動を希望したいですね? 転送魔法でだと早く到着するかも知れませんが、それだと旅の楽しみがあまり無いように思えるんです」
「成る程……ちなみにリアネ? リアネはどちらを希望したい?」
私がリアネにそう聞いてみると、リアネは
「え~っと……じゃあ、馬車を希望したいかな」
「そう……じゃあ、リアネがそう言っているから、私も馬車を希望しますね?」
「解った、では……ちょっと待っててくれ」
バルバさんがそう言うと、懐から何かを取り出して、呪文らしき言葉を言う。
すると……目の前に馬車が出現した。
「今のって、召喚術ですか?」
「ああ、これは魔法馬車と言ってな? 移動用にしているんだ。魔力で動く仕組みになっているから、操縦は私に任せてくれ。では、早速乗り込んで出発するとしよう」
魔法馬車ね……何て便利なアイテムなんだろうか。ちょっと欲しくなってしまうじゃないか……けど、買ったら結構値が張るような品物なのかも知れないなあ……そんな事を考えながら、私達は魔法馬車に乗り込む事にした。私達が乗り込んだ後、バルバさんが「出発するぞ!」って言って、馬車が動き出す。
速度はそんなに速くないので、これならスピードに酔うとかは、大丈夫そうだった。
まあ……これなら、馬車の中にいるし、まだこの町にいるかも知れない、勇者君に見つかりはしないと思う。魔法馬車で移動する事にして、私達が住んでいるバイトール王国の外に出る。
しかし……移動中と言うのは、何もする事が無くて、ちょっと退屈なのかも知れないなあ……
そんな事を思っていると、娘のリアネが
「お母さん、今から行く港町ってどんな所なの?」
そう聞いて来たので、どう答えようか迷う。
まあ……私もどんな港町なのか全く知らなかったので
「えっと……あまり知らないわね? タマコは知ってる?」
「え~っと……名前だけなら聞いてますよ? 確か……港町「ブルシーヌ」って言うらしいです。そうですよね? バルバさん」
「ああ、今から向かう場所は、港町「ブルシーヌ」だな、確か……海産物が今の時期、結構取れると言われているから、美味しい物が沢山あるから、楽しみにしてくれ」
港町「ブルシーヌ」ね……私が過去に旅して来た中で、行った事の無い町なので、どんな町なのかちょっと想像がつかないけど……まあ、バルバさんがこう言っているし、そこは信用しておく事にしよう。
確か……港町「ブルシーヌ」には、魔法馬車で夜に到着すると言っていたし、ここは一眠りするのもありなのかも知れないな……と思ったので、私はリアネに
「ちょっと私は眠るけど、リアネはどうする?」
私がそう言うと、リアネが
「じゃあ、私もそうする? お母さんと一緒に寝るね?」
「解ったわ、タマコ? 私達は一眠りするけど、タマコはどうする?」
「私は起きてますね? 移動中に何かあったら困りますし、まあ……無事に到着すると思いますが、到着したら起こしますから」
「了解、じゃあ……私達は一眠りするわね?」
そう決めた私達は、馬車の中で一眠りする事にした。
移動の揺れで寝られるか ?と思っていたけど、魔力のお陰なのか、馬車の中はほとんど揺れないので、これなら眠る事は大丈夫そうなので、娘のリアネと寄り添って、一緒に眠る事にしたのであった。
「ナナさん、リアネちゃん、着きましたよ~」
タマコの声が聞こえて、目が覚める。
目が覚めて、馬車の外に出てみると、空は暗くなっていて、夜になっていて、どうやら……
無事に港町、ブルシーヌに到着したのであった。