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ノエル王国の魔法のバイオリン  作者: Hamin
第1章 ノエル王国へ

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プロローグ

視界に広がるのは、淡(あわ)いブルーに染まった見知らぬ雪世界。


「ここは……?」


凍(こお)える風の中で、ふいにあたたかい記憶(きおく)が蘇(よみがえ)る。


「ごめんなヒカリ、また今度な」

居間でパソコンに向かう父・修平の背中。優しいけれど、いつも忙しくて話を聞いてはくれない。


そして、音楽教室に響(ひび)くピアノの音。

奏多(カナタ)先輩(せんぱい)の、優しい横顔。

「がんばってるね」

すれ違いざまのその一言と笑顔が、ヒカリにとって何より大切な日常だった。


(帰れないの……? もう、お母さんにも……先輩(せんぱい)に会えないの?)

指先から体温が奪(うば)われ、絶望(ぜつぼう)が胸を覆(おお)い尽(つく)そうとしたその時——


サクッ。


新雪を踏(ふ)んで現(あらわ)れたのは、蝶(ちょう)ネクタイを締(し)めた一匹の白猫だった。

猫は小さな銀の指揮棒(しきぼう)を取り出し、優雅(ゆうが)に一礼する。


「ようこそ、ノエル王国へ。私はあなたを導(みちび)く者、アルコです」


「ね、猫が……喋(しゃべ)った?」

ヒカリは震(ふる)える声を絞(しぼ)り出した。

「お願い……わたし、帰らなきゃ……!」


雪原に響(ひび)くその声は、消えゆく希望にすがるような悲痛(ひつう)な叫(さけ)びだった。


挿絵(By みてみん)


バイオリンレッスンで挫折(ざせつ)し、もう一度、入門教本「鈴木メソード1巻」からレッスンを始めることになったHaminです。


目標は、クリスマス会で一曲演奏すること。

優しい先生に支えていただきながら、果たして本番までに弾けるようになるのか――。


そんな日々のレッスンでの気付きを、ファンタジー小説として綴っていきます。


これから新しい楽器にチャレンジしてみたい方にも、楽しんでいただける物語を目指しています。

「キー」「音階」「脱力」など、楽器演奏の初歩的な知識も、物語を楽しみながら自然に学べる構成にしています。


「ちょっと応援してみようかな」と思っていただけましたら、ぜひ☆印で評価していただけるとうれしいです。

感想や、誤字・脱字などのご指摘も大歓迎です!


最後までお付き合いいただけましたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

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