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3コミュニケーションするはなし

ここからはダメ人間の兄と主人公しちゃう系の弟と足手まといの子供の三人でおはなしが進みます。

 まいった。実にまいった。

 というか今まいっている。


「ああああああああ!!!」


 コドモトカゲニンゲンの呪詛とやらはそれこそタイミングなんぞ計らずにどんなタイミングでも襲ってくる。空気読めや。


「おい、そのガキ殺‥‥‥ころっ‥‥‥黙らせろっ!!」


 昨日は真夜中に叫び出し本来であれば交代で床に就くはずだった俺も弟もいっさい眠ることができなかった。

 よって寝不足、よってこんなに不機嫌になる。


「ごめん兄ちゃん‥‥‥」


 俺が不機嫌になればなるほど弟は申し訳なさそうにコドモトカゲニンゲンをなだめるのだ。

 この前みたいに首筋に手刀叩き込んで昏睡でもさせてばいいのに、つーか死なねえんだから頭蓋でも叩き割っちまえばいいのに、一生懸命に抱きしめて、伝わりもしないのに言葉をかけて、意味も無いのになだめるのだ。


「大丈夫だから、誰もキミを傷つけないから」


 コドモトカゲニンゲンは暴れて、弟は一生懸命それを抱きしめて抑える。

 本来、サイキョームテキボディの弟がガキンチョにひっかかれようが殴られようが噛みつかれようがノーダメージであるはずであるが、こうも続くと小さな傷も増えていく。

 今回も、けっこうな時間ぐずられた。

 はて、次の発作までどれくらいの時間があるかもわからない。


「なぁ、やっぱ無理なんじゃねえか?」


 俺はコドモトカゲニンゲンの世話なんて一切やっていない。

 そんな俺がこれだけの疲労や苛立ちを感じているのだ。

 実際に世話をしている弟の疲労は俺の比ではないはずである。

 ぶっちゃけ俺の怒りのボルテージは結構殺意寄りまで来ている。衝動的に頭蓋を掴んでこう、なんつーか地面に叩きつけたてしまいかねないくらいにはマイっていた。

 やらない理由は簡単で「ただできない」からだ。


「‥‥‥いやだ。無理じゃない」


 弟は噛み締めるように呟く。

 かれこれ一週間、ほぼほぼろくに睡眠をとれず、目の下にできたくまからも疲労感が察せる。


「無理じゃないって? 子供を保護するってのが土台無理だったんだんだよ。犬や猫を飼うのとはわけが違うんだぜ?」


 もうそんなの手放しちまえと俺は助言する。

 お前はよくやったと、もう十分だと。

 世界には救えるものと救えないものがいて、きっとこれは後者だと。

 世界とかは救えるかもしれないけど、きっとこれは無理だと。

 もういっそ懇願とも言える。

 だというのに弟は。


「無理じゃない‥‥‥無理じゃないよ!」


くっっそ頑固なのだった。


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