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誰が為の望み

 ワタクシ達は総勢十四匹でホルスが戦っている場所まで駆け出しましたの。


 途中、ジョニーがナイフを口説いていましたが今はスルーですわ。


 そうして辿り着いた時、ホルスは伐叉羅隊の五匹を倒しておりましたわ。


 しかし、ホルス自身も既に満身創痍で今にも倒れてしまいそうな状態ですわ。


「皆様、ホルスを助けますわよ!」


 ワタクシの号令の下、もっふもっふ団十三匹が伐叉羅隊に躍り掛かりましたのよ。


 ナイフ、レインさん、ジョニーが其々分かれて敵へと攻撃を繰り出しますの。


 また、最近加入したジンジャー三兄弟が得意技のトライアングルファングで確実に敵を仕留めていきますわ。


「サマンサ、死にに戻ってきたか」


 戻ってきたワタクシを見てバサラが言いましたのよ。


「ワタクシ、死ぬつもりはありませんわよ」


 ワタクシとバサラが睨み合います。

 バサラの殺気が膨れ上がり、ワタクシを視線で威圧してきますわ。


 睨み合いを続けていると、不意にバサラが視線を反らして話始めましたのよ。


「貴様等ではバルバロッサ様の恐怖には勝てぬよ、あの方は我等とは別格の存在だ」


 クリムゾンナイツ皇帝バルバロッサですわね。

 バサラはバルバロッサの名前を畏敬を籠めて震えながら言いましたわ。


「我等伐叉羅一族を瞬く間に滅ぼし、生き残った猫達は生を繋ぐ為にあの方に忠誠を誓った」


 ‥‥‥伐叉羅隊の様な暗殺部隊の強者達ですら勝てなかったと言うのですか。


「貴様等に恨みは無い、しかし一族の再興のためにここで死んで貰うぞサマンサ!」


 言うが早いか、バサラがワタクシに躍り掛かって来ましたのよ。


 そのスピードは正に黒い稲妻、凄まじいスピードですわ!


 ワタクシはバサラの繰り出す爪撃を避けましたの。


 しかし、バサラはそのまま前方へ回転して後ろ足で攻撃を仕掛けてきましたわ。


「伐叉羅一族闘技! 羅漢蹴封殺らかんしゅうふつさつ!」


 そのまま前足で逆立ちし、回転する駒の様に回りながら足につけた刃物で切り刻もうと回り続けますわ。


 くっ! 隙が見当たらないですわ!

 何とか突破口を見つけなくてはですわ!

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