ソウジとトシゾウ
こんな街中であまり騒ぎは起こしたくないですわね、何とか切り抜けたい所ですわ。
そう考えながらワタクシはソウジとやらを見ていましたら、その後ろから更に新しい浅葱色のダンダラ模様の羽織を羽織った猫が現れましたの。
「なんだソウジ、揉め事か?」
後ろから現れましたメインクーンのオスがソウジにそう言いましたのよ。
「先輩! いやぁ、少し僕の隊の連中が‥‥‥」
先輩と呼ばれた猫は、ワタクシが吹き飛ばした猫を見た後ワタクシへ目を向けて聞いてきましたの。
「あれはお前がやったのか、女?」
‥‥‥この方の殺気も凄いですわね、言ってしまえば抜き身の刃、隠そうともしていませんわ。
「でしたら何か問題でもありまして?」
ワタクシの言葉に少し考え込んだ後、ワタクシへと向きなおして殺気を抑えこみましたの。
「トシゾウと言う、どうやら我等新鮮組の隊員に非がありそうだ」
絡まれていたお爺様と吹き飛ばした隊員の猫達を見比べながらお爺様とワタクシに頭を下げましたわ。
「ソウジ、お前からも謝れ」
「仕方ないですね‥‥‥お二人とも申し訳ありませんでした」
そう言いまして、ソウジも深々と謝りましたわ。
「いづれまた、サマンサ殿」
名乗っていないワタクシの名をトシゾウが言って、隊員達を連れて去っていきましたわ。
何者でして、彼等は?




