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我の名は犬信 (魂の名)

 我の名は犬信、先日サマンサ殿が住まうカイル殿の屋敷に住まうことになったチャイニーズクレイステットドッグのメス、二歳だ。


 今我は銀龍酒家のルーニア殿からいただいた洋服をサマンサ殿とカイル殿、ランス坊の前で着させられている。


「か、可愛いーっ! リリィ可愛いよ!」


 な、何やら動きにくい服だな、この「めいどふく」と言うものは。


「よくお似合いでしてよ、リリィさま」


 サマンサ殿までその様な事を‥‥‥

 一軍の将たる我が可愛いなどと、そんなはずはあるまいに。


「リリィお姉ちゃん、ルーニアお姉ちゃんみたい!」


 ふむ、確かにランス坊の言う通りあのルーニア殿が着ていた奇妙な服に似ておるな。


 我は鏡の前に立ってみた。

 こ、これが我か!? なんとぷりてぃいな服なのだ!


 我は、我は本当に可愛いのか? こんな男勝りのチャイニーズクレイステットドッグの我が‥‥‥


「カイルー、買い物行くけどどうするー?」


「あ、リリィのご飯買わないとだった、皆留守番お願い!」


 カイル殿がメイ様に呼ばれて部屋から出ていったぞ。


 ‥‥‥何やら窓に小石が当たっておるな。


「何事ですの?」


 サマンサ殿が窓の鍵を開けて窓を開いたぞ。


「御屋形様! 御無事です‥‥‥か?」


 おう、百地ではないか。

 ‥‥‥そう言えばカイル殿の屋敷に厄介になる事を伝えていなかったな?


「ブフォッ!」


 うおっ! 何故か我を見て大量の鼻血を出しおったぞ!? 何事だ!


「はっ‥‥‥」


 【は】? 何を伝えたいのだ百地は。


破廉恥はれんちですぞ御屋形様あぁあ!」


 鼻血を撒き散らしながら走ってきおった! ええい、汚い、寄るな百地!


「なんと言う、なんと言う格好を! その様な短いスカートに見目麗しいおみ足のハイソックス姿をしたせくしーな姿、餓えたオス犬に見られたら襲われてしまいますぞ御屋形様あぁあ!」


「解った! 解ったから鼻血を何とかしろ百地!」


 妙にギラついてイヤらしい目付きをしながら鼻血を噴出し続ける百地に我はそう言った。


 ‥‥‥我、そんなに破廉恥なのかな?

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