七話 激突と激震②
「潰されて死んでもうのは芸がないのう。故にできるならば水で殺してほしいじゃよ。」
「いいぞ。望みをかなえてやる。」
遥が冷酷に言い放った。遥は両手を合わせる。
「木星」
水銀の上に真球なる茶色の球体が出現した。
「潰せ。」
水銀は毒沼毒池危険地帯の出力を最大に上げる。
「なるほど!押し合いじゃ!」
木星に対し、水銀の毒が行く手を阻む。ぎりぎりと押し合い今にもどちらかが破壊されそうである。だが、木星が押していた。少しづつ。毒が押されていき、遂には毒が破壊された。そのまま圧し潰そうとしたところ、日に写る二人の人影が見えた。
「ダニエル!」
遥が叫ぶ。
「分かった!」
ダニエルが空に飛ぶ。その間、ダニエルは確かに聞いた。
「そりゃあ、悪手だな。」
と。
「!ダニエルが!」
遥が叫ぶ。だが、押すのはやめない。すると、天井が轟音を立てて崩れ始めた。
「嘘だろ・・・」
カイは絶句する。
「化け物、ですね。」
玲が言った。眼前には一本の刀を携える青年がいた。
「どうも。僕は狩喰。よろしくね。」
青年は、狩喰はそういうと微笑んだ。
「水丸弾・強」
蒼がすぐさま水玉をはなった。これは象を一度に50匹倒せるといっても過言ではない威力である。・・・が、目の前の化け物はそれを片手で振り払った。そして、すぐさま交戦中の遥と水銀のもとへ行く。
「遥!」
蒼が遥の首根っこを掴んで引き寄せた。それとともに辺りが切り刻まれる。
「まじか・・・」
遥はそう呆然と言った。
「お前、何者だ?」
地に伏せながらダニエルが上目遣いに同年代と思われる、栗毛で長髪の曲毛の女に聞いた。
「仕事上、守秘義務があってね。言えるとこまで言うと、紅牙団って知ってる?」
「ああ。あの盗賊団だろ?」
「心外だな。あいつらと同格にされるとは。」
「・・・じゃあ?」
「王下十二武牙。」
ダニエルは背筋がゾッと凍るのを感じた。
「お前等・・・本当に?」
ダニエルの声は震えていた。
「ちなみに私は王下十二武牙第四牙・癒医だ。よろしくな。」
癒医はそう言った。




