十八話 王下十二武牙
鉄骨が浮き彫りの廃ビルがかの有名な王下十二武牙の拠点であるとは夢にも思わないだろう。雨漏りが起き、居心地の悪そうなビルだ。
「そういや、四牙殿が出動したらしいじゃん。舞鶴、どう思う?」
右に白色でG、左に赤色のBと書かれた黒ジャンに、金髪の男が問う。
「どうもこうもないですよ。」
舞鶴と呼ばれた巫女姿の日本美女が答えた。
「ははっ。模範解答だ。」
「おい、轟破。いくら俺だと言っても男女の仲睦まじい姿を見せられちゃあ、妬いちゃうよ。」
「三牙殿。」
「やあ、」
三牙殿言われた楽響は妖しい笑みを浮かべる。
「そういや、陽影が殺人しかけたよ。」
「いつも殺人してません?」
「気にしない気にしない。」
「失礼だなあ。楽響。」
陽影が楽響の肩に手を置いた。
「あ、ごめん。」
全く思ってなさそうな声で楽響が言った。
「あ、そこそこ集まってる?」
狩喰がゆっくりと歩む。
「少し遅かったか。」
無骨な大男が言った。
「鉱我!」
と楽響。
「どうなっとんのや。王下が一堂に会すんなんて。何年振りや?」
カラフルなピエロが言う。
「妖狐じゃん!」
いつの間にか来ていた癒医が言った。
「姉貴!」
と妖狐。
「二人は相性いいからね。」
と狩喰。
「確かに、あいつが操って、妖狐が化けたらわからないな。」
鉱我が言った。
「フォオアー。ねっむ。」
盛大な欠伸をかましながら白装束で帯に二本のハンマーを差ている青年が歩く。
「健康に悪そう。」
と陽影。
「・・・疲れた。」
空手着を着た黒髪の男が言う。
「同意だな。」
黒色のハイネックに黒のズボン、黒のマフラーを巻いている背が高いアルビノの青年が言った。
「一牙も来たことだし、あとは団長だけかな。あ、そういえば水銀は?」
「殺した。無能だったからな。」
淡々と告げる癒医。
「ふ~ん。」
陽影は興味なさげに言った。
「静かにしろ。」
その一言で空気が張り詰め、猛者でさえもが口を閉じた。




