表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
J10と往く異世界放浪記  作者: CJ3BM
1/2

ジープって良いよね

異世界物の四駆に三菱ジープが出ないので書きました


突然だが私は幼い頃から三菱ジープ、特にCJ3B型が好きである。

第二次世界大戦で鍛えられた高い悪路走破性能。

実用の為に無駄な装飾を排した機能美の塊であるデザイン

暗闇でぼんやりと光るメーター球

フルオープンにするのに何時間もかかる幌

旧車特有の排ガスや油脂類の混ざった独特の匂い。

少々手荒に扱っても壊れない高い信頼性。

JH4型2199cc(ハリケーン)エンジンが咆哮し、T90型トランスミッションが唸り声を上げる様子などもうたまらない。

日々のメンテナンスを欠かさず行えば、必ず期待に応えてくれる素晴らしい車である。

何故急にこのような話を始めたかと云うと、私は現在見知らぬ濃霧の草原で愛車のCJ3BJ10と共に、当てもなく彷徨っているからだ。


…畜生


何故この様な場所に居るかはわからない。

私は工業高校を卒業した後、親の会社で重機陸送の仕事をしている。

仕事車は控えめに飾ったふそう3軸FV重機回送車。

先日ダブルマフラーにした。

高校時代に、会社で現場の連絡用に使用していたJ20を譲ってもらい、数ヶ月前に現場で放置されてたCJ3BJ10を引き取って車検を通したばかりである。

食料が切れたので買い出しをして、マックに向かおうとした時に「知らない草原」である。 

携帯は当然圏外で繋がらない


呆然となって思わず笑ってしまった。 


…気を取り直して状況の確認をする。

我が愛車(J10)に目立った損傷箇所は無く体調にも変化は見られない。

持ち物はと云うと、

・ガラケー

・10万円位入っている財布

・コンビニで買ったエロ漫画

・食べかけのファミチキ

・菓子パン類

・箱買いしたカップラーメン

・同じく箱買いした2Lペットボトル水

・同じく箱買いした500mlペットボトル緑茶

・新品のカセットコンロ

・ガス缶3セット

・やかん

・パーツクリーナー1本

・100円ライター

・自衛隊払い下げ毛布2セット

・購入時から積んであったシャベル、斧、ツルハシ

・使い捨てウェス1パック

・黄色いウェス1パック

・車検証

・整備書

・工具類


当分の間は食料の心配をしないで良さそうだ。

とはいえ、いつかは食料もガソリンも尽きるので、ファミチキを食した後、人里を探すことにした。

重機用の汎用品に交換されたキーを捻り、アクセルを数度踏み、チョークを開き、足でセルを踏む。

こうして漸くハリケーン(JH4型2199cc)エンジンは目覚める。

購入した直後に、都内の四駆専門店の名医にエンジンを見てもらったので調子は絶好調である。

ギヤを1速に入れ、走り出し、暫くした後に四輪駆動に切り替える。

久し振りのオフロードだ。

フォグランプを点灯し、4Lでゆっくりと走る。

そうして6時間位草原を放浪(ヤブコギ)していた所、1本の開けた道に出た。

幅は2車線分あり、タイヤ痕も有り道路の状態も良いので、それなりに通行量は有るように思えた。

()()()らしき物と()()らしき物が転がっているのが気になったが、周辺で馬でも放牧しているものと思い気に留めなかった。


走ると広場が見えてきた。

広場には焚火の後が複数あり、人が利用している事が窺える。

もう日も暮れてきた。

ここをキャンプ地としよう。


まず腹ごしらえだ。

カセットコンロに火を入れ、水を沸かし、カップラーメンに注ぎ2分待つ。

さあ食べよう。

空きっ腹に醤油べースのラーメンが染みる。

これに白米が有れば最高だが無いものねだりはよそう。

腹ごしらえをした後は車中泊の準備である。

助手席を倒し、ウェスで段差を調整して毛布に包まり寝る。


翌朝、車の周辺を()()()()()()()()()()()()に囲まれていた。

思わず絶叫してしまった。

すると、馬鹿でかいひよこたちは私に群がってきた。

「千と千尋の神隠し」のオオトリ様を小さくした様な見た目であった。

危害を加える様子が無いので1匹抱っこしてみた。

ピヨピヨ鳴いていてかわいい。

1時間位ひよこたちと戯れていたであろう。

ドッドッドッと云う馬の駆けるような音が聴こえてきた。

そちらを向くと、()()()()()()()()()()()がこちらに向かって来ていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ