第69話 冒険者との会合
迷宮地下5階を進む勇者たち約100名。
俺を先頭に、迷宮を進む勇者たちは安堵していた。
『デビルロード』に見つかり、何度となく死を覚悟したが
今はこうして迷宮を地上へと向かっている。
地上に戻ったなら、王国に帰り王に『エリクサー』を渡し
お孫さんの呪いを解いて、勇者としての仕事を完了させるつもりだ。
その後は、元の世界への帰還を望むものを帰還させ
この世界に残るものは、この世界で自由に生きることになるだろう。
そんなことを考えながら迷宮を進んでいると、地下5階の最後
地下4階への階段で、足止めを食らうことになる。
「三山さん、あの階段付近で休んでいるのはどこのパーティーですかね?」
「さあ、この迷宮は普段から人が少ないから会わないんだよね~」
地下4階へと続く階段のすぐそばに、10人ぐらいの冒険者が休息をとっていた。
俺はそのパーティーに近づき、挨拶を交わした。
「どうも、こんにちは~」
パーティーの中の一人の男性冒険者が、俺のあいさつに答えてくれた。
「おお、こんにちは。
君たちは、これから帰還かね?」
「ええ、あそこにいる100人を連れて地上へ帰還です」
男は、俺の後ろの100人を見て何度か頷く。
「なるほどなるほど、君は救助隊ってところか」
「わかりました?」
男は笑いながら、答える。
「それはわかるよ、あの人数でこの迷宮を潜るものはめずらしいし
この迷宮では迷子が多いらしいからな」
俺は苦笑いをしながら
「分かります、罠とか道とか複雑ですからね」
「うんうん、君たちも帰りの道中気を付けてな」
「はい、ところで皆さんはここで何を?」
「おお、俺たちは冒険者ギルドの依頼でなこの迷宮の変化を調査しているんだよ」
「それなら、この下の階の地下6階の中央広場が大きく変わってましたよ」
男性や聞き耳を立てていた周りの人たちが、食いついてきた。
「それは、どんな変化だった?」
「それが、ドラゴンがいました」
「……ドラゴン?」
男性の目が点になって、俺に聞き返す。
「ええ、ドラゴンです。
通りたければわが試練を受けろって言われて、大変でしたよ」
男性は後ろにいたパーティーメンバーと一緒に話し合う。
しばらく話し合って、俺に再度話しかけてきた。
「すまないが、どんなドラゴンだったか分かるか?」
「ええ、体長は冒険者ギルドの建物と同じぐらい大きくて
迫力ある青竜でした。
また、俺たちの言葉を理解していることから上位竜なのは間違いないですね」
男性は、またパーティーメンバーと話し合いを始める。
時折、みんなで頷いたりしていて傍から見ると面白かったりする。
話し合いを終えて、再び男性が話しかけてくる。
「では、そのドラゴンは今も地下6階の中央広場にいるのかな?」
「いると思いますよ。
『デビルロード』の所為で、この階層に飛ばされたとか言っていましたから」
1人の男性が近づき、2人で内緒話を始めるが俺にも聞こえていたのは内緒だ。
「これはドラゴンの所まで行って、話を聞いた方がいいかもしれんな…」
「ドラゴンが、俺たちの話を聞いてくれるのか?」
「彼の話が本当なら、そいつは伝承にある『試練のドラゴン』で間違いない」
「あの無理難題を出し、今まで誰も通したことないという意地悪ドラゴンか」
「いや、深い階層にいれば試練も難しくなるだろう」
「では、地下6階にいるドラゴンの試練は…」
男性2人は、俺の方を向くと
「すまないが、君はドラゴンの試練を突破したのか?」
「ええ、たぶん浅い階に飛ばされた所為で試練が軽くなったのかと」
「あり得るな…」
男性は頷きながら、納得したようだ。
「それじゃあ、みんなを連れて地下へ急ごう」
「ああ」
1人の男性が、他の冒険者を呼びに行ったところで残った男性が
「では、私たちは地下へ降りて行くが
ここから先、上っていくようだが気を付けてな」
「はい、ありがとうございます」
こうして、階段近くで休息していた冒険者たちは俺たちに挨拶をしながら
下の階層へ進んでいった。
俺たちは、上への階段を上がりながら地上へ進んでいく。
地下4階を抜け、地下3階、地下2階と何ごともなく進むことができた。
今は、地下2階の大きな部屋で休息をとっている。
みんな疲れているようで、何人かはその場で寝ているようだ。
シャルたちは、女性の勇者や異世界人と何かの話で盛り上がっているみたいだ。
しかし、地下5階にいた冒険者たちを見ていて思ったことがある。
俺って老けてないよな……
あの冒険者たち、俺よりも老け顔だったから歳いってるのかな?と思ったら
女性勇者の誰かがあの冒険者たちの年齢を鑑定してたが、
俺よりも若かった。
う~ん、俺も40近いはずなんだけどあの冒険者より若く見えるみたいだ。
女性勇者も俺の年齢を聞いて驚いていたな…
日本人は若く見えるらしいが、これもそうなのかな?
まあ、考えてもしょうがないか。
さて、もうすぐ地下1階。
地上もあと少しだ。
ここまで読んでくれてありがとう。




