悪役令嬢になろう(TRPGに詳しい人続き書いてくれ)
例によって悪役令嬢を書こうとしていた短編なのですが、TRPG未経験のためまとめることができず力つきました。供養として晒しておきます。
悪役令嬢ものってそういやロールプレイだ=TRPGで書いてみようかな?→思ったよりも沼が深かった。というか深淵であった。
ステータス部分の数字が空白なのは適正値が設定できなかったからですお察しください。
自作ゲームをテストプレイして欲しい。
大学の先輩に頼まれて二つ返事で引き受けた。
TRPGが好きな先輩は、自分でシナリオを作ったのだという。
テーマは乙女ゲーム。
どうしたのだ先輩。
先輩の性別は男性である。
乙女ゲームを嗜むとは知りませんでしたと言ったところ、流行りにはとりあえず乗るものだと返された。
シナリオ作りにあたっていくつかの乙女ゲームを実際にプレイされたそうである。すごい。
私もプレイした大物タイトルばかりだったので、先輩誰萌えどのCP推しですか!?と身を乗り出したらウザそうな顔をされた。
しかし、TRPGというものをプレイしたことがない私にテストプレイのお声がかかったのはそういう理由らしい。
シナリオが乙女ゲームとして破綻してないかのチェック係。
TRPGというのはこう、とにかく複数人必要というイメージがあったのだけど、今日のところは私1人でいいとかなんとか。
まあよくわかんないのでおまかせする。
これキャラシートな、と渡された。
話の途中に何回かサイコロを振れと指示され、スキル?技能?かなにか色々聞かれて適当に返事した結果、以下のようになったらしい。
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職業:貴族令嬢
属性:悪
所属:貴族科2-A
技能:
APP(外見):
STR(腕力):
INT(知力):
EDU(教育):
POW(精神力):
DEX(敏捷):
LUK(幸運):
SAN(正気度):
LOVE(好感度):
初期婚約者:アルファ(貴族令息NPC:善)
*******
わあ!せいぜい2桁の数字なのに項目が多過ぎてすでに目が滑る滑る。
「先輩もう既に理解不能」
「ゲーム進行はGM、この場合俺な。が説明していくから。ステータスは忘れて、とりあえず技能だけ自由に使ってみてくれ」
スルーしないで先輩。
「とにかく乙女ゲームとしておかしなとこがないかだけチェックしてくれればいいよ。とにかくお前は乙女学園の貴族科に在籍している貴族令嬢です。ゲームの期間は1年、学園生活を無事に乗り切ってください」
無事に乗り切れない前提の学園生活とかご遠慮したい。
初期説明の時点で不安いっぱいである。
「で、乙女ゲームって攻略キャラが複数いるだろ。目標が定まってないのもあれだから、ダイスで好感度だして1番高いキャラを婚約者にしてあるから。プレイするうちに他のキャラが気になればそっちに乗り換えることもできる。これは乙女ゲーじゃないけど最近投稿小説で悪役令嬢とかも流行ってんだろ?だから属性活用してさ、いわゆる婚約破棄イベントとかをTRPGでやってみたくて」
「先輩、質問よろしいですか」
語り始めた先輩は長いので容赦なくぶった切るに限る。
「なんでしょう、ていうか、GMと呼べぃ」
「なぜ乙女ゲームにSAN値があるんですか。発狂ありなんですか」
みんな大好きクトゥルフ神話で有名なSAN値。
TRPGをやったことない私でもなんとなく知ってるやつではないですか。ホラーゲームにも出てくるし。見ちゃいけないものを見たり、まあ恐怖体験をすると減るやつでしょ?
ゼロになると発狂する、ゲーム続行不可。
ググったらTRPGでの狂気状態って殺人癖とか幻覚とかろくなものがないじゃないか。
ていうかこれ乙女ゲームなんだろ?
「そこはストーリーにあわせてマイルドにしてある…けど、俺な、乙女ゲームプレイしてて思った。SANチェックさせろよ!!と。ギャルゲーも大概エグいけどさ、乙女ゲームも別方向でアレだろ!!なんで主人公ちゃんすぐ監禁されたり束縛されたり殺されかけたりするんだよ!!しかもルート入ったらイベント不可避!!TRPGなら回避できるのに!!」
あー、先輩がプレイしたタイトルの中にはそっち方面にEDが偏ってるのもあるな。
トゥルーエンドという名の監禁とか、君は僕だけ見てればいい系。一定の需要はあるもんね。
現実じゃ絶対ごめんだが。
「とりあえず、お前のSAN値が減少すると相手がヤンデレになると思ってくれ。監禁とかつけ回しとか」
「相手が?自分が、じゃなくて?」
「乙女ゲームなんだからそっちのがそれっぽいだろ。見ちゃいけないものを見ちゃったから発狂判定入るんだし。プレイヤー側が攻略キャラを監禁したいとかつけ回したいとかなら、その辺のことも考えるけど。」
あと俺はロールプレイ派だから、と鼻を押された。
「なりきれ」
「ブタ鼻にするのやめてくださ、うえぇ?」
なりきりぃ?
貴族令嬢で、悪属性。
ぶひい、悪役令嬢になりきりプレイしろと。
「羞恥プレイの強要はお断りします」
「今月発売予定の乙女ゲーム5本だってな?お前が諦めると嘆いてたやつ1本報酬につける」
「ワタクシに不可能はなくてよ!」
ちょろいとか言わないでほしい。
昨今の乙女ゲーム戦線は激しいのだ、そして厳しい。主にお財布とかお財布とかお財布とかに。
私はグッズに興味ない派だからゲーム本体の値段だけで済んでいるけども。
「それじゃスタートするぞ。季節は4月、入学式です」
先輩がGMらしい?口調するのなんか面白いな。
「あなたは入学式の受付の手伝いをすることになっています。受付で新入生の胸に花をつけてあげて下さい」
「GM、技能使用します。目の前の女の子に対して【威圧】」
「わかりました、ダイスロール。相手の精神力が30ですので、30以上で成功です」
「出目54です」
「威圧成功。新入生はあなたの迫力に怯えて震えたので肌にピンが刺さりました。3のダメージ」
ダメージ入るのかよ。
「怯える新入生に声をかけますか?」
「かけます」
「では悪役令嬢っぽい一言をどうぞ」
うーん、悪役令嬢っぽい言い回しってどんなんだ、とりあえず嫌味言っとくか。
「あらごめんなさい、あなたが震えるものだから手元が狂ってしまったわ。どうしたのかしら、なにやら顔色が悪いようだけれど?」
「威圧追撃成功。あなたの黒い笑みに女子生徒は逃げ出しました」
追撃ってなんだ追撃って。
「入学式は1年生用のイベントですので出席出来ません。が、式の片付けを手伝うと生徒会メンバーとの出会いイベントを起こせます。どうしますか?」
「生徒会メンバー」
めちゃくちゃテンプレ設定ですね先輩。
「手伝わないって選択もできるんですよね?」
「できるぞ」
うーん、どうしようかな。乙女ゲームだと王道から外れた選択肢には隠しキャラとかいるし。この場合なら入学式に行かないことで会えるキャラもいるんだろう、乙女ゲーム仕様TRPGだし不良キャラとか。
「うーん、ここは素直に生徒会メンバーに会いに行きます」
「よし、じゃあダイス1個ふれ。それの出目によって手伝う作業決めて会える人物が変わるから」
コロッとサイコロを転がす。懐かしい、先輩に初めて話しかけたのはこのサイコロがきっかけだったな。
6面以外のサイコロなんて何に使うかわからなかったから、厨二病かな?と思いながら使いみちを聞いたんだった。
「1ですね」
「ん、じゃあ入学式で使った椅子をひたすら片づける肉体労働です。うまくいけばサワヤカ運動部系の生徒会副会長にほめてもらえます」
あと、ロールプレイ!忘れんな!と念を押された。
悪役令嬢ロールプレイ難しいよ先輩。
ダイス1つ振るのにも片手添えて高笑いしたりすれば満足頂けるのだろうか。
まったくこんな面倒な方が先輩だなんて、ワタクシ困ってしまいますわ、という気持ちでため息をついた。
ちなみに先輩は彼女の気を引きたくて乙女ゲームを借りて勉強したのですが、彼女の萌え語りについていけませんでした。自分の好きな分野のTRPGに乙女ゲーム要素入れてなんとか彼女と会話をしたかったとかいう設定でした。
二人きりでプレイしているのは最後先輩に告白させる予定だったからです。
でもよくかんがえたら自分で小説内TRPGのシナリオ作って更にそこから告白まで持ってくとか無理だな!と思ったのでここで断念。世の中のGMさんはすごい。




