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希望を抱きし者  作者: 夜海 来火
第4章 朱谷カイ奪還作戦
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37話 弟か化け物か

無数の触手を扱い、恐ろしい実力を見せるペルラスと交戦していた春香とティアルは、ペルラスの恐るべき正体を知ってしまった。それは元々地球人だったということ。その考えから朱谷カイがこのままでは危ないと気づいた春香は、触手を攻撃を強行突破し、ペルラス本体に攻撃をしかける。が、何者かの蹴りが春香に直撃し、攻撃は失敗してしまう。その蹴りを放ったのは同じ班員であるマリアだった。マリアはペルラスのことを弟のトーマスと呼び、エイリアンではないと言うが、そのペルラスがマリアに向けて触手で襲いかかったのだった。


「マリア‼危ない‼」


春香はそう叫んだが、触手はマリアの首に巻きつき、そのままマリアを持ち上げた。


「ぐっ、ト……マス……‼‼」

「コロス」


マリアの首を締め付けようとした瞬間、ティアルは二つの銃を重ね、銃口から安定させたビームを出し、ビームソードのようにし、その触手を切断した。


切断した直後、ティアルはマリアを抱え、その場から離れた。


「今のをまじかで見てわかっただろう。アレは元々人間だったが、もうエイリアンってことを」

「くっ……」

「詳しい話は後だ。今はあのエイリアン(・・・・・)を倒すことに専念しろ」


ティアルはそうマリアに言ったが、マリアは武器を出さず、ペルラスに話しかけた。


「トーマス‼私だよ‼マリアだよ‼お願いだから気づいてよ‼」

「コロス」


ペルラスはマリアの問いかけを完全に無視し、マリアに向けて二本の触手を放った。愕然としているマリアに春香は説明する。


「マリアさん!その子にはもう何も伝わりません‼もうその子は」

「トーマス‼私を信じて‼」


春香の話を聞かず、マリアはそのままペルラスに向けて話しかけていた。だが、触手は躊躇(ちゅうちょ)することなくマリアに襲いかかった。


「ねぇ!トーマス」

「好い加減にしろ‼‼‼」


マリアの言葉をティアルの怒鳴り声が打ち消した。その直後、ティアルはマリアをかばい、ティアルは身体に触手を巻きつけられ、持ち上げられてしまった。持ち上げられた状態でティアルは怒鳴り続けた。


「もうそいつはお前の言うトーマスって奴じゃねぇんだ‼そいつは、ガンマエイリアンっつう化け物なんだよ‼‼」

「そんなことはない!まだトーマスは」

「だから好い加減にしろって言ってるだろ‼‼」


春香はこの時ふと思った。こんなに怒ったティアルは初めてだと。普段は冷静なティアルがここまで怒鳴ったのは始めて見たのだった。


触手に巻きつけたティアルを自らの身体の近くに寄せて行くペルラスは、まるでティアルを捕食するように口を大きく開けた。


ティアルは絶体絶命のピンチだったが、まだマリアに怒鳴り続けていた。


「最初に軍に入った気持ちを思い出せ‼‼何かしら理由があるんだろうが‼‼」

「軍に入った時の気持ち……」


マリアはそのとき思い出した。弟であるトーマスを失った日のことを。


そして、軍に入る決意をしたことを。


その瞬間、マリアは武器を取り出し、ティアルを巻きつけている触手をエネルギーでできた大剣で切り裂いた。


ティアルは脱出することに成功し、マリアとともにペルラスから少し離れた。


「そうだ、私はもう、仲間を失いたくない」


マリアはエネルギーでできた大剣を構え、そう告げた。

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