お見合い…?
成人年齢は18歳です。
こんにちは。マイク・デュードロップです。ワゾウスキじゃないです。某会社のかわいいギョロ目じゃないです。
朝露の国という小国に産まれた第三王子です。御年十五になります。
さて、我が父こと朝露の国の王に命じられましたのはなんと見合い。僕未成年なんですけど?
しかもなんと昨日言われました。これには隣の爺やもびっくり。報連相大事って帝王学ではやらないのでしょうか?使用人が言ってましたけどね報連相。
王家って使用人以下な部分あっていいのですか?せめてメールで送るとかしてほしかったのですが。
あ、父上機械苦手でした。
しかし、僕は王位継承権の低い第三王子。しかも側室の子。断る権利なんてございません。
そんなわけで、はるばるやってきましたよ大樹の王国に。自然豊かな国だなあ。
見合い相手は大樹の王国の王族、または貴族なのでしょう。爺やならお相手について知ってるかもしれない…いや爺やも知らないかもなあ……言われたの昨日だもんなあ……。
そして現在、そんなことを考えていたさっきの自分をぶん殴りたいです。
「おみあいってなあに?」
目の前で立っていたのは、ニッコニコで侍女に質問している二〜三歳くらいの少女だったのです。
・ ・ ・
案内された部屋に入ると、どうみても二〜三歳の女の子が椅子に座っており、数人の侍女に囲まれていました。なんか身支度してますが、どうやら…肝心の見合い相手はまだ来ていらっしゃらないご様子。えっ、そうですよね?
少女は真っ白なフリルドレスを着ているので、料理で汚さないようにする身支度ついでなのでしょうか。
大樹の王国側の侍女が、ちょこんと椅子に腰かけた彼女に耳打ちをしています。結構距離近いので丸聞こえです。
「ルチア様。そのお召し物は純潔の証ともいえます。どうか国の名に恥じぬ行いを」
な、何幼児に純潔とか説いてんの!?大樹の王国ってそういう国なの!?てかこの子絶対わかんないでしょ?!
せめて言い方変えてくださいよあっちもこっちもキモくなっちゃうでしょ!?昨今はコンプライアンスとか厳しいんだよ!?
「じゅ…けつ?あのね、ママがね、しらないひとにおしりみせちゃダメだって」
「そこで区切らないでください!!」
ああ〜侍女が頭抱えちゃった。まあでも当たり前でしょうに。ちょっと考えればわかるでしょう。子どもは『けつ』とかそういう単語好きなんだからさあ、わかんないけど。
「ルチア様、すべきことはご理解しておりますよね」
「?わかんない!です!」
侍女のひそひそが全く功を奏していません。というかいい加減部屋に入ってきた僕に気づいてほしい。全然話しかけられる雰囲気じゃない。
「だから!お見合いですから!」
「おみあいってなあに?」
「結婚の約束をするのです!」
「けっこんってなあに?」
「夫婦になることです!」
「ふうふってなあに?」
「国王陛下と王妃殿下のようになることです!」
「おじしゃま…?おうさまなるの?」
「……っ!!」
青筋立てた侍女が頭を掻きむしる三秒前みたいなポーズをとっている。この年の子には難しいでしょうに。せめて言葉を選ぶとかさ……。
なんなら当日ではなく事前に説明しておくべきでは?あ、でも僕と同じで昨日見合いについて言われた可能性あるな…てか一週間前から言われてもこの年じゃわかんないか……。
そんな感じで僕も頭を抱えていると、目の前にいた少女が僕に気づいた。そして侍女が止めるよりも先に椅子から降りて、ペコリと一礼をしてくれる。どう見ても小さい。
「おにいちゃ、こんにちわー!」
「こ、こんにちは…」
「ルチア様!!挨拶はもっと丁寧に!!!」
「こんにちわ…ごじゃーます?」
「いやああ!!お許しくださいマイク様!!」
青ざめた侍女が、僕の腰までもない背丈の幼い少女を睨みつけている。二〜三歳くらいの子にしてはちゃんとしているはずなのですが…。価値観の相違かな。
「ルチア様!!この方は貴女様の見合い相手なのですよ!?もっと礼儀を尽くしてくださいませ!!!」
見合い相手この子だったー!!??
いや、もしかしたらそうかもとか思ったけどさ!?この子だけ服も豪華だったし!
いや待って。待って待って本当に待って?僕この子と結婚しなきゃなの?
父上こと国王がノリノリだったっぽいし、僕今から見合いも結婚も全くわかってなさそうな子どもと見合いするの?このまま話進んだら結婚しなきゃいけないの?
え、正気?お願いだから現代的価値観持ってよ王宮もさあ。今の時代にそぐわないってことで児童婚とか問題になってるじゃん。
他国各方面から怒られるよ?人権団体とかにとやかく言われちゃうんだよ???
こうなったら、何としてでも見合いを破談にするしかない!そう、どんな手を使ってでも!!
マイクくんの波乱に今しばらくお付き合いください。




