踊る保護者懇談会
保護者懇談会は年に三回である。一学期に一回、二学期に一回、三学期に一回である。
だいたい、担任から、学校のことを説明される。保護者は、静かに聞いているものである。質問もなにもない。
だけど、五年生の三学期の保護者懇談会は違った。
成績とか、授業の進行とか、そういう話をした後、いつもの質問タイムである。
その中で、一人、保護者が手をあげた。
「授業で騒ぐ二人がいるせいで、子どもの成績が落ちてるんですが、どうなってるんですか!!」
とうとう、保護者側の怒りが爆発した。
「授業中、あの二人が騒いで聞こえないって!!」
「わからない所を質問したくても、あの二人のせいで、担任の空気が悪くで出来ないって!!」
「あの二人の保護者がいたら、どうしてくれるの!! と言ってやりたかったのに、いないし!!!」
保護者懇談会は自己紹介から始まるから、顔はわからなくても、いるかどうかわかるんだよね。
私も言いたいことがいっぱいだ。担任は、どうにかする、と二者面談で言ってくれたが、悪化の一途だ。
「私の娘は、登校班も一緒で、毎日、後ろにぴったりとくっついて、靴を踏まれて、としてますよ。言っても、反省しないから、今、車で送ってるってのに、学校でもわざとぶつかってとして、どういうことですか」
ここぞとばかりに、被害報告してやる。次からは、懇談会で叫ぼう。
「勉強って、お金かければ、どうにか補填は出来るものです。ですが、そういう家庭ばかりではないでしょう。学校で十分、という家庭がほとんどです。お金があっても、時間がなくて、それが出来ない家庭だってあります。そういう不平等がないように、学校が学ばせるんです。ですが、この問題の一番悪いことは、学年が変わるとリセットされて、解決されないことです。私が言いたいことは、時間がない、予算がない、と言う前に、問題解決を六年生でも続ける、ということをしてください」
私が一番恐れているのは、この問題を学年が変わったことで、放置されることだった。




