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第76話 戦闘起動。開始編

「えーと、つまり、『そろそろこの中で最強を決めようぜ!』と言う話ですか?」

「その通り! 勝つのはララナさんだ!」

「「違う違う」」


 ノリノリのララナさんと違い、クロマツさんと龍角さんは手を振ってそれを不定する。


「あーつまり、今日の閉めに、せっかくロボを手に入れたんだから普通に戦ってみませんか? というお誘いっす」

「もちろんPVPモードでやるから、当然ダメージは出る……壊れても自己責任と言う形になるから、参加は自由だが……」


 PVP……プレイヤー同士が戦うこと。

 VRMMOに置いては廃れていた遊び方の一つだ。

 何分、法律で厳しく規制されてしまっているからなー……リアリティーが追求された世界で人に暴力、もしくは殺人的な行動を良しとするのはなんたらかんたら……


 最低限、どのVRMMOでも条件として設定されているのが『お互いの同意が必要』と言うものだ。

 つまり、相手の背後からバットを一閃――不意打ちサイコーと言うことはできないわけである。


 痛覚のことやPVPのこともあって、日本のVRは安全だが、安全過ぎてリアリティーに欠けるため、本当の意味でのVRが完成することは無いだろう……と海外の有名コラムに書かれたくらいだ。まあ、今回のウインナーの件でもわかる通り、色々な所で現実との齟齬が生まれているのは本当のことだしな。


 さて……今回のお誘い……やってみたくはある。装甲の実際の防御力、筋力の力や走行の速さがどれほど実戦に影響するか……

 でもな……まだ武器も用意していないし。クロスファイトどころか、インファイトをガラス張りの機体でやるっていうのは……いや、PVPモードだったら割れたりするのかな? うん、現実だったら危険だけど、ここでならそれはそれでイイ感じに……


 頭の上のアイリスを下ろすと、キラキラした目で俺を見てくる。うん、夕日の中での決闘とか好きそうだもんね……


「じゃあ、参加します」


 実戦と言う言葉に多少の緊張感を持った俺は、堅くなりつつも参加を決めた。




 ――夜までそう時間は無いし、ログアウト勧告が出ている人達も多くいるそうなので素早く終わるバトルロイヤル形式になった。

 参加はギルマスのみ。機体はそれぞれのギルドの最強の機体。


 鉄色、緑、金、黒が正四角形の角になるように均等に距離を取る。

 ……でも良いんだろうか? 俺はパイロットじゃないが、暇な大学生と言う立場を利用して、かなりのログイン時間を誇っており、戦闘力もそこそこだと自負している。だと言うのに、ワンランクほど戦闘力が上の機体に乗っているわけだし……


 乗っているこっちはドキドキだが、周りはうるさいくらいに歓声を上げている。コロシアムとかが中世で流行ったのが良くわかる気がする。


「ふう……アイリスは緊張していないか?」

「……ちょっとだけです」

「そっか……」


 俺はこう言うのから逃げてきたから、時たま遭遇するとえらい緊張する。

 別に死にはしないし、機体は有利だ。けど、これだけギャラリーがいると言うのはな。いや、途中参加組も含めて百人ほどくらいだけど……学校の運動会と思えないのは何でだろうな?


 お互いが準備が整ったことを表すポーズ――片手を上げるポーズを全員が取った後、何故かみんなの癒し系まとめ役と言う立ち位置を確立しつつある桜子が安全な場所から、声を上げる。今回は準備もあるので十から数えてもらっている。


「半思考操作、戦闘起動立ち上げ!」

「了解!!」


 ボッ!! と言う火が力強く燃え盛る音。背後のコアが唸りを上げている。

 そして……おお、これが『目立つ』ってことか。

 各部の関節から、赤色の粒子が立ち上っている。これが戦闘起動……コアから大量の魔力を供給しているその余波が漏れていると言うことなんだろうか?


 クロマツさんの機体からは緑の粒子が。ララナさんの機体から黄色の粒子が。龍角さんの機体からは青の粒子が。それぞれ、風、土、水のコアの魔力の粒子が立ち上っているようだ。


「……マスター、一時間立たずに魔力が枯渇します」

「げっ……それって、通常時の五倍くらい消費が増えているってこと?」


 ちょ、ちょっとまて……通常起動での消費から計算した俺のハイ・ゴーレムの起動時間は五時間以上……それが一時間立たずに消えるって……いや、確かにここまでの実験で動かしたけど、走ったのに三分、力比べを二回やっても3分くらいの起動時間だし。


 ――いやいや、今はそんな雑念捨てろ。既に三秒を切った。


「アイリス、ボイスコマンドは二人で考えた奴を使うから……まあ、良い訓練だと思って……本気でいくぞ!」

「はいっ!!」


 操縦桿を動かすと、まるで別の機体のように素早く、そして力強く動く。それを確認して、


「スタートォ!!」


 桜子の最後の合図を聞いて、さっきよりも重く感じるペダルを踏み込み操作し、斜め前方……龍角さんへの機体に向かって突撃した!! 

 なぜ龍角さん? いや、ララナさんの性格的にやられや――ごほん! クロマツさんに向かうのはわかっていたから、残りの龍角さんに向かおうかなと。


『! 勝負っ!!』

「いきますっ!!」


 俺が向かってくるのを見て、叫びながらファイティングポーズを取った龍角さんの機体へと俺は飛びかかって行った。



 前々回での後書きについて。『ダメージを食らう直前まで』と書いてある通り、フィールドで食事しててもダメージを食らう時にはすでに痛覚半減状態に戻っています。逆を言えば、激辛料理を食べさせられて苦しい時にはモンスターに攻撃してもらえば良いというわけですね。


 お気に入り登録、感想、評価ありがとうございます。またお待ちしております。


 それでは次回で。

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