第2話 仮想世界の中心で愛を叫んだセイチ
「たかがメインカメラを――」
「さらにできるようになった――」
「――生きていてはいけない人間なんだ!」
「強い子に会えて――」
「なぜ二号機を――」
「――私は帰って来た!」
「何とぉ――」
「――にはこんな使い方もあるんだ!」
「――ファイトォ! レディィィィィィゴォオオオオオオオ!!」
「――死ぬほど痛いぞ」
「――売るよ!」
「――誰とでも戦います!」
「やめてよね――」
「また戦争がしたいのか――」
「俺が! 俺たちが! ――」
「――強いられてるんだ!」
……誰もいない仮想世界の草原で、俺の一人モノマネが絶賛開催中。恥ずかしいなんてもんじゃねぇ、もっと恐ろしい物の片りんを――まあ、それはどうでもいいや。
そもそもこれがものまねかどうかわかるのかってことだよな。百年以上前のアニメの名台詞など、一体誰が知っていると言うのか。
……いや、それこそが愚問か。本当にいいモノとは時代を超えて受け継がれていくものなのだ。この俺しかり……そして、ロボオンスタッフしかり。
『――特殊称号の条件を満たしました』
それはそんな天の声が降ってきた所から始まった。
俺は驚きながらも、とりあえず、
「メニューオープン」
とボイスコマンドを口にする。
すると、目の前に立体映像のメニュー画面が現れ『スキル』『アーツ』『タレント』『アイテム』『称号』……とあった、あった。
タッチパネルのように称号を指先でクリックすると称号一覧が表示され、そこには『ロボオタ1』と言う称号があった。
ロボオタ……って。間違いなくロボットオタクって意味なんだろうけど。
この名前からして、俺が先ほど口走った「大地に立つ」発言が習得の条件だったんだろうな。
俺はその『ロボオタ1』の称号をクリックすると、そこにはこんな説明が載っていた。
「えーと……『これは、ロボオンスタッフが予め決めていた行動、発言、あるいはその両方を全てのサーバーで初めて満たすことで手に入れることができる称号。この称号はロボオタ4まであります』……」
全てのサーバで初めてって……どれほどの達成条件があるのかは分からないが、一度満たした条件じゃダメってことみたいだから、手に入れるとしたらサービス開始直後の今ってことか……
称号の説明の後に、報酬の欄がありそこには『スキル経験値アップ(極少)の指輪』と書いてあった。
ご、極少……いや、スキルレベルが大事なゲームに置いて少しでも成長速度が上がると言うのはありがたいものなんだが……極少って。
いや、待て! まだ慌てるような時間じゃない……1はしょせん四天王の中でも最弱の存在……2,3,4の実力はそんなものでは――
――そんなわけで、俺はロボオンスタッフが設定した条件を満たすために、独り恥ずかしいモノマネの戦いの渦の中へ飛び込むのであった……
「ぜぇ……ぜぇ……ダメだ。後一つが手に入らない……」
俺は草原に倒れ伏していた。顔が真っ赤なのは疲れたんじゃなくって、俺の中のプライドとか羞恥心とかがガリガリガリガリと削られてしまったからだ。もう、お嫁にいけないよママン。
その甲斐あってか、何とかロボオタ3までは獲得できた。いや、あれほどの恥ずかしい思いをして三つしかと言うべきか。もし、今までのを映像としてロボオンスタッフが公式動画として流したりしたら、俺は窓の外へとアイ、キャン、フライするかもしれない。
ちなみに2、3は機動○士系では俺の知識とかオタク度が足りなかったのか反応せず、条件を満たしたのはドリルとゲームチャンプの名台詞だった。ドリルの方は良いとして、チャンプの方はまさかの大告白シーンが条件ってどこまで意地の悪いスタッフだよオイ。
しかし、ダメだ。実家の爺ちゃんがオタクだったため、いろんなアニメのブルーレイボックスなどを子供の俺たちに見せていたからこその知識量だったが、それでも三つまでしか解放できない。
ロボオタの称号……それは俺みたいなニワカでは本来なら獲得することも出来なかった称号に違いない。運が良かったのはサービス開始が平日の昼間で、俺が暇人だったからこそのスタートダッシュのおかげであろう。
後は発言だけではなく、行動も入っているとのことなんだから、ゲームを進めてロボットに乗れるようになった頃に、色々とやれば手に入れられるかもしれない。
「……ま。なんて言うか、ここのスタッフ……好きだな俺は」
恥ずかしい思いもしたけれど。自分の今となってはマイナーとなってしまった知識を解っているスタッフが作ったゲーム……ますますやる気がわいてきた。
さて、いい加減進もう。おっと、その前に2,3の称号の報酬を……
『――特殊称号の条件を満たしました』
え? なに、どういうこと?
……もしかして……『仮想世界の中心で、愛を叫んだ、プレイヤー』ってこと?
リスペクトのリスペクトかよ! わかんねーよ!
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今回のネタ、わからない人にはとてもつまらないでしょうがご勘弁を!




