第3話 死亡フラグは壊すためにある。
『ロボオタ2。報酬、精霊AI獲得経験値アップ(極少)の指輪』
『ロボオタ3。報酬、タレント『ロボ好き』獲得』
『ロボオタ4。報酬、タレント『ロボオンの祝福』獲得』
『タレント『ロボ好き』。効果、ハイ・ゴーレム制作時に性能アップ(極少)の効果』
『タレント『ロボオンの祝福』。効果、全ての確立が絡む要素にプラス補正(少)。悪い要素にはマイナス補正(少)。』
……うむ。やはりロボオタの称号は、少なくともチュートリアルクエスト中に獲得することは想定していなかったようだ。聞いたことのない単語がちらほらと。
ハイ・ゴーレム……つまりはこれがこのロボオンの世界でのロボットの名前と言うことだろうか?
精霊AIってのはなんだろうか? 謎は深まるばかり……いや、さっさと進めってことですよね。はい、わかります。
ともかく、メニュー画面でアイテムをクリックし、二つの指輪を装備することにする。シンプルな銀と金のリング。それを右と左の人差し指に装着する。さすがは仮想世界、指輪を指に近づけたらサイズ調整してぴったりの大きさになった。
しかし、見事に効果が極少ばかりだったなー。いや、別にいきなり最強クラスのロボット――ハイ・ゴーレムが手に入ったりとか、最強の武器が手に入ったりとかはゲームバランスが崩壊するからよかったと言えばよかったけど。
さて。プライドとか羞恥心とか、人として大事な何かを削りに削りきった意味はあったかと聞かれると返答に困るが、無駄ではなかったはずだ。そう信じて、とっとと先に進もう。
踏まれた草や足跡が残ることに感動しながら先へ進む。すると、直ぐに目の前の空間が黄金に光って……そこから、緑色の髪をもつどことなく神々しい女性が現れた。ギリシャ神話に出てくるあの布一枚の服お着てらっしゃる。
……俺も男だ。あの姉たちのせいで、年上(姉神一号)っぽい人も年下(姉神二号)ッぽい人もちょっと苦手な俺だが、美人がそんなちょっとエッチな服装を着て目の前に現れたら、本来ならドキドキする。
本来なら――である。
何か知らんが、この女神。「ぷっ……くすくす」と笑いをこらえてらっしゃる。
……んん? 笑い?
「せ、セイチ様……っ。お、お待ちしておりました……ぷっ。さ、『先ほど』は大活躍でしたね?」
……せーの。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
もう、(あの世に)ゴールしてもいいよね? 私、(モノマネ)がんばったよね?
ああ、ア○ロ……刻が見える……
「ちょ、戻ってきてくださーい! あんだけノリノリにモノマネしていた割になんでそんなにナイーヴなんですか!?」
ぐさっ。
「ああ……パト○ッシュ……なんだかとっても眠いんだ……」
「セイチ様! それは死亡フラグです! 死ぬなら、私の担当エリアから出て行ってからにしてくださーい!」
「パインサラ――」
「それももろに死亡フラグです! わかってやってますね!?」
「見よ、東方は赤く――」
「し、ししょぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
……さて。もう少しで気持ち良くあの世に行けたのに、無理やり復活させられたわけである。
そんなに死んでほしくないなら、とっくの昔に限界突破していたプライドや羞恥心を粉々に砕かなければいいのに。
ちなみに、このノリの良いのはサポートNPCのコラムダさんと言うそうな。サポートAIラムダさんの子供的な存在だそうだ。
「……はあ。勘弁してくださいよ。このチュートリアルエリアで頑張って、私、好き勝手できるGMの立場を手に入れようとしてるんですから」
「GMは好き勝手できる立場じゃないですけどね……」
とりあえず、頭の中で幕○内コールを何度も響かせて、不死鳥のごとく蘇った俺はそう突っ込んでおいた。
「――ともかく! ここでは、チュートリアルクエストを受けていただきます。簡単に言えば、生身での戦闘、戦闘で手に入れたアイテムの処理、そしてロボット……ハイ・ゴーレムの第0世代機を私のサポートで動かしてもらい、その後、様々な説明を受けた後に、3まであるサーバー選択の後、そのサーバーの中の三つのワールドから選んでいただきます」
「う、おおおおおおお……」
思わずうなっていた。そうだな、普通に考えればロボットの操縦もチュートリアルに含まれているもんだよな……うっし! さらに先ほどのダメージが抜けて行くような気がしないでもないぜ!
俺は興奮しながら、コラムダさんの後について行く。ちゃっちゃと、戦闘だのその後の処理だのを終わらせて、愛しのロボットに乗るために……!
隠し称号なのに、俺TUEEEEが、できない……だと? その理由は、コラムダさんが次回にうまいこと説明してくれると思います。




