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第24話 定位置は大事

「さて、それでは城の周りでスライムを百万匹倒して、レベルをカンストまで上げましょうか」

「……ロー○シア?」

「……セイチ様。どうして百年以上前のネタに人間のあなたが反応できるのかが、私は不思議でならないんですけど?」

「いや、ラダ○ームと迷ったんですけど……あっちは確か、65535匹で良かった様な気が……」

「???」


 アイリスの頭の上に数え切れないほどのクエスチョンマークが浮かんでいたので、このくらいにしておこうとコラムダさんと視線で会話しておく。

 どちらにしろこのロボオンはスキルlv制のゲームだ。スライムだけを延々倒しても上がるのは攻撃した方法のスキルだけだし。


「さて、それではアイリスちゃん。精霊AIの基本サイズに戻りましょうね」

「? このサイズじゃダメなんでしたっけ?」


 俺が聞くと、コラムダさんはものすごい憎たらしい顔をして「チッチッチッチ」とリズムよく人差し指を振ってきた。え、なに? この気持ち……この気持ちが……殺意?

 俺が殺意の波動に目覚めて厨二病全開になることを察したのか、コラムダさんは慌てて説明を始めた。


「精霊AIは基本的に、HP、MP、STの全てが『魔力』で統一されてるんですよ。ですから普通に走ったりするだけで常に毒を受けている状態になりますね」


 それは……ダメだな。歩けばいいと言う話だが、アイリスと俺たちでは歩幅が違いすぎるし。


「手のひらサイズの時は自分のマスターの側にいれば凄い速度で魔力は回復しますから。フィールドにいる時は手のひらサイズでいるのが基本になりますね……それにずっと『サーチ』を使うことになりますから」


 サーチ……その名の通り探ることである。説明書には『精霊AIの能力の一つで、敵モンスターの位置などを探れる』と書いてあったっけ。

 プレイヤーにもある程度の探知能力はあるみたいだが、基本、精霊AIに頼ることになるらしい。


 コラムダさんの言葉に、アイリスはこちらを向く。俺が頷くとアイリスも頷いてポンと言う音と共に、あっという間に手のひらサイズになって宙に浮いていた。

 アイリスはふわふわ浮きながら、何かを迷っているようだった。無表情のまま、俺の肩や頭に視線を送っている。


「……なるほど。アイリスちゃんのフィールドでの定位置を決めなければならないと言うことですね……!」

「……宙に浮いているんじゃダメなんですか?」

「「っ!?」」


 何をバカなことを……とまさかのアイリスまで驚愕の表情――では無く雰囲気を出して俺を見てくる。え、俺なんかおかしなこと言った?

 コラムダさんなんて、怒りか何かで身体をフルフル震わせてこちらを指さしてきた。人を指でさしちゃいけません。


「セイチ様、あなたはマスコットキャラクターを何だと思ってるんですか!?」

「あんたは妹のことを何だと思ってるんだ!?」

「妹=可愛い=マスコットキャラだと思ってますが、何か!?」

「まさかの逆ギレ返し!? おのれ、コラムダ! メイドの魂をどこに忘れた!?」

「メイド服は伊達じゃないっ!」

「意味がわからないっ!」


 エセメイドをシャイニングしないフィンガーで顔を掴み無理やり黙らせて、アイリスの方を見る……とアイリスはこっちを見つめていた。この顔は……生まれて初めて両手をこちらに伸ばした時の顔……か。いや、無表情ですけど。


「……わかった。どこでも好きな場所に乗って良いぞ――いや、待て」


 顔を横に振る。普通の男子以上に肩幅はあるつもりだが……肩の端っこくらいしか安全地帯が無いな。


「危ないから、頭の上で良いか?」

「はいっ」


 いつもより高い声で、嬉しそうに返事したアイリスはふわりと俺の頭の上に着地した。重さなどほとんど無い。

 現実だったら、頭皮の匂いを気にする所だが、安心の仮想世界である。体臭を気にしなくていいと言うのはいいことだ。


「落ちたりしないようにしっかりつかまれよ……って、別に空に浮かべるんだから大丈夫か」

「はい。マスターも重くありませんか?」

「いや、全然大丈夫」


 そんなわけで、戦闘などが始まるまではアイリスの定位置は頭の上となりました。

 俺は今、なぜか片手が使えないので、左手で頭に乗っているアイリスを撫でてると、どこからかか細い声が……


「……あ、あのぉ……ハートフルな所に悪いんですけどぉ……もう、反省しましたので手を離していただけると……」

「国際条約で、頭部を破壊しないといけないんですよ」

「その国際条約は、宇宙に各国のコロニーが出来てから作られるものですよ!? と言うか、私はガン○ムじゃないですし!?」


 ふむ……


「俺が! 俺たちが!」 

「ガン○ムだっ! あ、ちがっ」


 俺の罠に見事に引っ掛かったコラムダさんの頭の明日はどっちだ!?








 はい、すいません。コラムダさんがいるとなかなか戦闘にいきません。次回はきっと戦う……はずです。


 感想に基本返信しないのは自分のマイページに書いてある通りなのですが、これはという感想、質問にはここで返信させていただきたいと思います。


 ラムダさんの名前ですが……単純に、ギリシア文字から取りました。アルファ、ベータ、ガンマ……そして十一番目が、ラムダとなります。

 ロボオンの会社(いい加減名前を決めないと)が十一番目に出したVRMMOのサポートAIと言うことでラムダさんと言うことになります。

 自分が最初ラムダという言葉を聞いて調べたのは、フル〇タになりますね。


 それでは、次回も目を通していただけると嬉しいです。

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