1-8.夜の風(ナイトウィンド)の紹介
この作品は、タイトルに執筆裏話とあるように、全37話で完結しているアクション小説「ゲームに侵食された世界で、今日も俺は空を飛ぶ」の設定集になります。本編を読まれていない方は、先ずはそちらへ。単行本一冊程度なのでサクサク読めると思います。
【夜の風】
兵科:装甲歩兵
分類:FPS系ご当地戦士
ランク:熟練者級
レーティング:R-18
備考:装甲服なので戦乙女達ほどではないが、ある程度の広さがある通路でないと入ることができない。見た目通りの超重量級なので足場にもある程度の頑丈さが必要だ。
彼の能力は熟練の域にあり変動はしないので、チャートはシンプルなものだ。防御系の大技「次元バリア」を発動している僅かな時間だけは、防御力は5を超える。具体的な数字が出ていないのは、次元バリアがこれまでに破られたことがなく、限界防御性能がどれくらいか判明していない為である。一応、♰預言戦士♰の空間歪曲領域よりも更に堅牢な護りだとは考えられている。これは、攻撃を曲げて逸らすのではなく、完全に受け止めて防ぎきっており、エリア内外の熱移動も完全に遮断していることが理由だ。
本編では彼がその武装で敵と戦う描写は無かったが、永田町大戦において、狭い地下通路で、エリアボスの機械化歩兵達との二時間に及ぶ死闘も制したように、彼曰く、狙ったところだけを破壊する洗練された戦い方ができるよう、射撃戦から電磁ナイフを用いた近接戦まで満遍なくこなせる、どの役割でもこなせる戦士なのだ。
装甲服系なので、一定以下の攻撃は無効化し、それを超えたとしても防御エネルギーで相殺することから、地上戦において最前線を支える花形と言える能力を持つと言えるだろう。強大な火力、防御力を支える高出力なジェネレーターも備えており、耐久エネルギーの回復ペースも早かったりする。
<大技:次元バリア>
本編でも使用していたように、発動するとハニカム構造の球状バリアが瞬時に展開され、あらゆる攻撃を防ぎきる。これは大盾のようにエネルギーで相殺しているのではなく、その名の通り、薄い膜状のバリアは、内と外の世界を隔てる次元断層といったところであり、どれだけ強い攻撃も、世界の理に従う現象に違いはなく、その為、世界を隔てる敷居を超えられないのだ。ただ、その発動時間は短く、外からの攻撃を防ぐだけでなく、内側から外側への攻撃も完全に遮断するので、普通の装甲とは使い勝手が異なる点は要注意だろう。
また、本編でも描写されていたが、バリアの外が灼熱世界に変わり、バリアが消えた後、激しい熱が吹き込んできたことからわかるように、発動中、内と外を隔てるだけなので、敵の攻撃方法によっては、バリアが消えた瞬間、追撃状態になって万事休す、と成りかねない点も覚えておくべき注意点だ。
<一般的なFPS系戦士との違い>
過酷な地上戦を行うこともあって、彼は一般的なFPS系戦士の能力を全て備えつつ、指揮系能力を高めたタイプと言える。つまり、知を求める者のような完全後方タイプでははなく、仲間と共に前に出る前線指揮官型といったところなのだ。
<唯一無二スキル>
彼は敵とガチな戦闘をこなせる、熟練者級の戦士だが、彼が他の戦士達と一線を画しているのは、そういった戦闘能力部分ではない。彼が真価を発揮するのは、非戦士系戦力、つまり自衛隊と連携を行えることにあり、情報連携を行う機能自体は、ご当地戦士「夜の風」のものではあるが、自衛隊という組織と、異質なご当地戦士達の仲立ちをして、共闘させられるのは、中の人の能力であり、これまで長い間、永田町での戦いをこなすことで培った信頼関係があればこそ、と言えるだろう。彼の指揮能力は一人で参謀本部と渡り合えるほどであり、これは傑出した英雄か、或いは人外の域にあると言える。彼が伝説級と呼ばれないのは、単にバリバリの現役だからだ。
<AI>
彼自身の高い能力を些末なことに割かず、必要なところに専念できるよう、高い能力で支える役処であり、他方面との連携、連絡のかなりの部分は、実はAIが担っていたりする。夜の風自身が判断せずとも、行える雑多な部分はAIが気を利かせて片付けているのだ。その振舞いは脇を固める熟練の副官といったところであり、夜の風の戦いっぷりを脇で見ている他の戦士達から見ても、直接戦闘と指揮と外部機関との調整を同時にこなす姿は十分、人外の域にあると感じられるのだった。
<作者コメント>
ご当地戦士大集合、といった特別な大戦においては、ソロで極めた戦乙女とは違う、指揮官タイプの戦士が必要と考えた。それに戦う場所が場所なだけに、自衛隊との連携も当たり前のようにこなせる独特のパイプ持ちであること、という特徴も必要となって、夜の風が生まれることとなった。
戦闘シーンが直接的にほぼ描かれることはない役処ではあったが、前線でのガチな戦いと指揮官としての役割を両立させようとすると、現実にいる、各種装備をごっそり着込んだ先進国兵士のようなFPS系戦士では、説得力が薄いように思えた。何せ目に見えない範囲も把握し、遠隔地の仲間とも通信を行い、自衛隊の参謀本部ともがっつり調整を行うのだ。SFチックな超技術っぽい下支えがないと、流石にこなすのは無理だろう、と判断した。
彼は、数多くいるご当地戦士達と違い、現実世界においても秘匿性の高い情報にアクセスできる立ち位置にいるなど、かなり独特の存在となった。彼がこれだけ存在感を発揮できたのは、中の人の力によるところも多分にあるだろう。そして、ご当地戦士達だけでは23区全域の戦場把握などできる訳もなく、手が回らない部分を自衛隊の部隊と分担するにしても、参謀本部との密な連携は不可欠だった。
そういう意味で、首都決戦は、彼がいたからこそ、自衛隊や米軍も力を発揮することができ、関係者の誰もが驚く異例の短期決戦で終えることができたと言えるだろう。
2022年10月5日(水)までは毎日7:05に投稿していきます。
第一章は全11パート、ご当地戦士達の紹介です。




