閑話一 神々の策略
閑話は二話続きます。すいません。二章がまだ書けてないんです。
あ、閑話自体は文章少ないです。
何もない空間に巨大な円卓テーブルが一つ。そこには六人が座っていて、所々で好き勝手に喋っていた。
「ライラーナ君。この少年、どう思う?」
「へぇ、凄いわね。ここまで嫌われている子は初めてよ。それにしても不思議ねぇ。何故あんなにも嫌われているのかしら?」
その中で爺さんと女性の二人組がある少年を見ていた。その少年はどこかのコンビニで働いている最中で品出しをしているだけなのに暴言を吐かれたりしている。そして、それを止める者はいない。
その二人の話に興味を持ったのか、筋肉質な二人組の男性が近づいて来た。
「どうしたんだ? 面白い奴でもいたか?」
「ん? おお。バルドグライ。いやなに、ワシの管轄の少年が凄い不幸でな。少々、気になったのじゃよ」
「すげぇぜ、バル兄! こいつ、貶されてんのにさらに自分を貶めていやがる!」
「マジかよ!? そんな人間普通はいないぜ? 精神が壊れちまう」
他にも双子がいたのだがあまり興味ないらしく、二人で仲良く遊んでいる。
暫くして新たに四人この空間にやって来る。姉妹らしい女性二人と執事っぽい人、かっぷくの良さそうなおじさんだ。四人とも爺さんから少年の映像を見て苦い顔をした。
「クードラス。何故、この少年はこうも不幸なのだ? 考えを見るに今までも同じようだったではないか? それにこれからも同じ未来しか見えぬぞ?」
「いや……それがの、この少年だけ設定ミスちゃって。何か他人から嫌われるみたい」
クードラスと言う爺さんはてへっと片目を瞑り、お茶目な態度を示す。
爺さんのお茶目顔など誰得なのだろうか。執事さんは爺さんを割とマジで叩く。三人は頷きながら当然だと言っている。寧ろ、足りないと。
「ねぇ、見て! 少年にも心の拠り所くらいはあるみたいよ」
最初に爺さんと話していた女性が大声で全員を呼ぶ。それにつられて双子を除く全員がそれの光景を見る。それはマンションに帰った少年が少女に迎えられている光景だった。
少年も少女も笑っていて、先ほどの少年とは思えない。少女が甘えて来るのを鬱陶しそうにしながらも口元は緩んでいるので嬉しいのだろう。
まさに先ほど女性が言った心の拠り所、そのものである。
「ふむ。……どうやら兄妹のようだ。とても仲が良いな」
「あらぁ。この女の子、少年君の事が好きみたいね。どうにかしてアドバイスしたいわ。夢とかじゃ、いまいち伝わらないのよね」
「少年にも一つくらいは幸せがあったか……。いや、この光景は当たり前にやって来るものではないか? 幸せである事に違いは無いが、何か違う気がする」
女性は楽しそうに仲のいい兄妹を見つめ、執事さんは肯定しつつも、訝しんでいる。
執事さんはかなり考えた後、一度爺さんを睨みつけ、一つ提案を出した。
「なぁ、クードラス。この少年は遠く無い時間で死ぬ。ならば、貴様はその償いとして我々が全員で観ている世界の一つに生まれ変わられてやったらどうだ? 創造神とも呼ばれる貴様なら然程難しくはあるまい」
「そうじゃなぁ、これは全面的にワシが悪い。ワシも罪悪感はあるし。よし、やってみようか」
爺さんは一度反省の表情をする。が、直ぐに笑みを深め女性に話しかけた。
「のう、ライラ―ナよ。この少年、ちょっと細工してみんか? こう、ちょちょいと」
「あら、良いわね。どうせなら女の子の方も一緒にどう? この子も少ないみたいだし」
「良いのお。ならばこれはどうじゃ。……」
「これなんかもどうかしら? ……」
突如、二人に訪れた黒い笑みは瞬く間に大きくなり、既に少年をどうするか? という議題で花を咲かせていた。それに脳筋二人も加わり、いつの間にか双子まで加わっている。
その場は一言で言えば混沌だった。
その光景に頭を抱えた四人は次にはさじを投げた。
***
後に爺さん達神が見ている少年、一瀬和弥ことレインは神をぶん殴る。特に諸悪の根源である創造神クードラスは念入りに。
クードラスはあの爺さんである。
―――まぁ、それは後の話。
それから神たちの体感時間的に数時間、地球で言えば数日経った頃、空間に一人の少年が現れた。
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