依頼10件目「もう一人の狐」
はいこんにちは。
zeillightですよ。
いやー受験おわったよー!!!!!
みんなほめて!もう僕を褒めて!
そんなことはもうどうでもいい!
「さて、まずはお前からか。」
四体中の一体に零狐は目を向けて、睨み付ける。
睨み付けられた一体の化け物は右手の掌から日本刀の様な形状の武器を生成する。
零狐の刀を握る手に力が入る。
化け物の行動に続く様に残りの二体も同じ様に武器を生成する。
残りの一体は両手を鋭利な触手に変化させた。
無言で化け物二体が同時に零狐に刀を振り下ろす。
「...死ね。」
右側の刀を受け流し、左側の刀を振り下ろしている化け物の方向に弾く。
右側の化け物の刀は上手く左の化け物の心臓部分に刺さる。
黒い液体が内部から流れ出す。
次第に化け物の体は液体状になり床に跡形も無く溶けていく。
少し異臭が漂う。
「隙だらけだな...。」
赤い眼光で化け物を見ながら走り出す。
先程まで右側にいた化け物はいつの間にか後退しており、刀を生成した一体とまた同時に襲い掛かる。
「グガァアアッ!!!」
叫びながら零狐と刀を交える。
化け物と零狐は鍔迫り合いの形になった。
唯一接触している刀は火花を立てている。
かなりの力が両方の刀にかかっている事が分かる。
その隙にもう一体の化け物が横に立ち回り刀を振り上げる。
「少し頭を使った様だな。だが...」
零狐は鍔迫り合いをしていた兆刀の力の入れ方を変える。
金属音が擦れる音が響き渡る。
零狐は鍔迫り合いをしていた化け物がよろめくと兆刀を頭に突刺す。
丁度、零狐の方にまで迫っていた振り下ろされた刀。
頭を刺された化け物が持っていた刀を零狐は直ぐに拾い上げぎりぎりで受け止る。
「残念でした。それじゃ俺は殺れない。」
「ガ...。」
攻撃を受け止めた後、兆刀を瞬時に引き抜き化け物の首を刈り取る。
黒い血が二体の傷から噴き出す。
零狐の体が黒い血で染まっていく。
「残るは...お前かっ...!?」
そこまで言った零狐に鋭利な触手が何本も襲い掛かる。
刀で全て触手の猛攻を弾き返す。
零狐は刀を持ちながら最後の一体を怒り...もはや吐き気のするような殺気を漂わせた赤い眼光で睨む。
その時だった。
零狐の背後で介抱されていた霊夢に何かの異変があった様だった。
「零狐さん!霊夢さんの血が止まりません!体温も段々冷たく...!」
零狐の耳がピクリと動く。
拳に力が入りすぎて零狐の手には血液が浮かび始める。
そして床に血液が一粒。
滴り落ちた瞬間。
化け物の首が刈り取られていた。
黒い血が更に噴き出す。
まるでそこに黒い雨が降っているようだ。
「あ...!零狐さん!私と霊夢さんの体段々薄く...!」
零狐が妖夢の方に振り向く。
赤く光っていた目は元の青色に戻っていていつもの優しさが伺えた。
「あぁ...俺もだ。もう出れるんだろう。」
その言葉を合図にするかのように建物の床に亀裂が走り崩れだす。
落ちると同時に全員の意識は薄れはじめる。
「ん...ここは、紅魔館?」
「起きたか。ここは万屋の二階の俺の部屋だ。」
妖夢が目を覚ましたのは布団の中だった。
妖夢の脳裏に霊夢の姿が映る。
慌てて身を乗り出して起き上がる。
「霊夢はもう大丈夫だ。永琳が治療して神社に運んでくれた。」
安堵の表情を浮かべた妖夢に迎えが来てることを告げてしたの階に降りる。
「おい。幽々子。妖夢起きたぞ。」
草餅を頬張りながら寛いでいた幽々子に言う。
頷きながら草餅を飲み込み微笑む。
「ありがとう。妖夢が来たら帰るわね。」
「ああ。あいつも疲れているだろうから休ませてやってくれ。」
それから約10分後位に二人は万屋を去った。
それと擦れ違うように魔理沙が万屋の戸をたたく。
「おーす。報酬と霊夢の容態を報告に来たぜー。」
「おう。お帰り。早速で悪いんだが…。」
零狐は何かをごそごそと取り出す。
「これ、壁に貼り付けといてくれ。」
魔理沙に手渡されたのは少し長い紙だった。
そこには墨でこうかかれていた。
『仲間や大切な居場所が危ない時は、危険を省みず助ける。それが万事屋。』
「これ…万事屋の基本方針か何かか?」
「そうだ。ていうか…それなんだ?」
零狐は明らかに報酬とは別物の物。
魔理沙の担いでいるのは報酬以外にも大量の魔導書があった。
零狐はあきれた様にため息をつく。
「また盗んだのか?お前も懲りないな。」
満面の笑みで笑いながらお馴染みのセリフを口にする。
「盗んだんじゃない。死ぬまで借りてきただぜ。」
「ま、程々にしとけよ。...痛っ...」
零狐は立ちくらみ床に膝をつく。
苦痛に顔をゆがめる。
「おい!?大丈夫か!?直ぐ永琳を呼んでくるぜ!」
その様子に驚き魔理沙は箒を持ち、戸に向かう。
零狐の頭には締め付けられるような痛みが継続して訪れていた。
「待て。...大丈夫だ。」
「でも...!」
ゆっくりと立ち上がり壁を頼りに歩き出す。
一回、激痛が走り零狐の体は倒れそうになる。
慌てて魔理沙が体を支える。
零狐の体には冷や汗が滲んでいて冷たくなっているようにも感じることができた。
「すまん...。ちょっと顔洗ってくる。」
「あ、あぁ。気をつけてな。」
頭を少し抱え、洗面所へ歩き出す。
水で顔を洗うと大分、気分はよくなり回復に向かった。
零狐は自身でどうしたのだろうかと疑問をもちつつ鏡を見る。
その時、鏡の零狐が赤い目をしてほくそ笑んでいた。
直ぐに後ずさり鏡から体を離す。
赤い目の零狐は直ぐに消え鏡にはいつもの零狐自身が映っていた。
「今のは...?」
「おい零狐。大丈夫か?」
零狐が唖然としている所に魔理沙が顔をのぞかせる。
零狐はそれに気づき「すまん」と謝り外出の準備を始める。
「どっか行くのか?」
静かに頷き戸から出ていく零狐を後ろから見ることしか魔理沙には出来なかった。
博麗神社ーーーー。
「はい。これで大丈夫よ。」
「ありがとう。最初斬られた時、死んだと思ったのに、起きたら治療されて生きてるなんてね。」
「あら、生きたくなかったの?」
笑いながら霊夢は言葉を返す。
「そんなわけないでしょ?治療ありがとね。」
包帯を巻き終わり笑顔で話す永琳と霊夢の空間。
そんな穏やかな空間を壊すように一人の人物が訪れる。
博麗神社の境内にその人物が降り立った時、暖かい空気から冷たい空気に一変した。
「零狐...?どうしたのそんな冷や汗かいて。」
霊夢が境内から震えながら歩いてくる零狐に話しかける。
震えている声で言葉を返す。
「永琳...永琳はいるか。」
「私ならここよ。どうしたの?」
深刻な面持ちで言葉を放つ。
「ちょっと...来てくれ。」
零狐は霊夢のいる寝室の隣の部屋に来るように促す。
「それで...?どうかしたの?」
「俺の...俺の中に別の俺がいる気がするんだ。」
永琳はあまりよくわからなかった様で首をかしげる。
「凄く冷たくて...残酷な俺が。いる気がするんだ。」
永琳は何も言わずに体温や体調を確認し始める。
(強力な妖怪が短時間でここまで衰弱するなんて...。多重人格なんてちゃちなもんじゃなさそうね。)
「とりあえず、あまり気にせずに。一応精神安定剤だけ出しとくけど。」
俯きながら震える零狐。
それを見てなるべく解決策を出してあげようと永琳は知識と記憶をたどる。
「後は...もう一つの自分と違う容姿に変えるといいっていう事が本に書いてあったわ。」
「そうか...。容姿...。まあ試してみるよ。すまないな永琳。」
それだけ言葉を残し去っていった零狐の後姿はどれだけ衰弱しているかが容易にうかがえた。
時は進み一週間後。
「最近、零狐見ないわね。」
霊夢が魔理沙とそんな話をしていると誰かがやってくる。
砂利を踏みしめるような音が小さく聞こえる。
魔理沙は少し笑い霊夢を見る。
魔理沙に笑みを返す霊夢。
「噂をすればってやつじゃない?」
障子が少しづつ開かれる。
そこに立っていたのは。
容姿は零狐と同じ。
赤く光った眼。
握られた血塗られた刀。
「お前らは...強いか?」
気味の悪い笑顔を浮かべ呟かれたその言葉で一瞬でそこの空気が変わった。
次の瞬間、博麗の巫女でさえ戦くほどの妖気と殺気が漂い始める。
それは誰しもが感じたことのあるあの感覚に似ていた。
身も震えるような夜の闇。闇に住む妖怪たちの怖さ。
博麗神社に最凶の妖気を持つ妖怪がたたずんでいた。
続く。
依頼10件目いかがでしたか?
ちょっとここからの展開はさらにシリアスな感じにしていきたいと思っています。
いやもうもう一人の自分んとかねぇ。
正直、中二病の考えそうな...いや違うよ?
誤解しないでね。
あと、たぶん次の回はちょいグロ要素あるかも?
ま、長く続編まっててくださいな。
(申し訳ありません。おそくて)




