間接キスした
掲載日:2026/05/12
君が飲みかけで置いた
透明なカップのストロー
ただのプラスチックのはずなのに
やけに存在感があった
一口いる?
その軽い声が
僕の心には重力みたいに働いて
断れないまま頷いた
触れたのはストロー
なのに胸の奥が
勝手に騒ぎ出して
落ち着けって言い聞かせても無駄だった
甘いジュースの味より
君の体温のほうが
ずっと鮮明に残って
喉の奥が少しだけ熱くなる
こんなの恋じゃない
って言い訳しながら
でもどこかで
恋であってほしいと思ってる
君はきっと忘れてる
そんな些細な瞬間を
僕だけが大事にしまい込んで
帰り道にそっと思い出す
間接キスなんて
言葉にしたら笑われる
けど
あのストローは確かに
僕を変えてしまった




