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三途の川  作者: 活呑


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11/11

三途の川 じゃないところ


赤鬼と鍋で茹でられていた。

これ、何地獄っていうんだっけ? 男どおしの風呂っていうのもいいものだ。


赤鬼は額にタオルを乗せて、ゆったりしている。

おれも、赤鬼並みに真っ赤だった。


鍋の湯は大きな気泡があがってくるくらいボコボコいってる。

おれが無事(?)なのは、ひとえに死んでいるからに他ならない。


「これはいったいどういう状況なんですか?」

おれは問うた。


「石積みで壊れたやつは、のんびり釜茹ででリフレッシュするのさ。

 生きてるときも、風呂、入っただろ?」

さすが鬼。こんな場所でも平気な様子。

歯ブラシを持ち出し、鍋のなかで歯を磨き始める。


ギラリと光る犬歯が立派。


俺は無心になった。熱い。熱い。熱い。熱い。--------



気が付けば鍋の外で、赤鬼に腹を踏まれていた。

口から大量の水が吐き出される。


「おお、気が付いたか。

 お前はあと何日か入ってこいよ。おれは河原へもどる」


赤鬼は去ろうとする。

そうか、ここは釜茹で地獄なのだ。

もし待っていたら、イケイケなねーちゃんも送られてくるかもしれない。


しかし、俺は、石を、石を積まねばならないのだ。


「どおりゃあああああ」

赤鬼へドロップキック。


難なく弾き返される。


「まだキレが戻ってないな。まぁ、何日か浸かっていけ、な?」

赤鬼は肩をボン、と叩いてにっこり笑ってきた。犬歯がキラリ。



俺は無心になった。熱い。熱い。熱い。熱い。


石積みに戻るために。




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