転生してハイエルフになりましたが、スローライフは120年で飽きました
~作者~
らる鳥様
~あらすじ~
人間から架空の存在だと思っていたハイエルフに転生して百五十年
物心付くのに三十年掛かり、ここが異世界だと理解して、それから百二十年の果実を齧ってはのんびりするだけの生活にも流石に飽きたエイサーは、遂に外の世界に旅立つ事を決意した
一千年以上と言う寿命を持て余す、ハイエルフとしてはせっかちで、人間としてはのんびり過ぎる、曖昧な存在の物語
~感想~
ハイエルフの主人公が巡る、達観しながらもどこか温かい旅の物語
ファンタジーを描こうと思ったら、展開に波を作るために世界の敵や謎に迫ることは不可避だとこの作品を見るまでそう思っていました。真逆の作風としてスローライフや旅をしてまわる物語もあるが、どちらもペットの擬人化や、どの街でも問題が発生していて立ち寄った数日で解決できてしまうような『お約束』が前提にあり、ありふれて当たり前のような日常の世界を書くのは無理なのだとどこかで感じていました。
しかし、この作品では主人公が寿命が極端に長いハイエルフとして転生しており、フラットで達観した視点から人々を見守り旅をする、とても面白くて新鮮な作風をしています。
例えば主人公が鍛治にハマった時、一人前になるまでに20年30年と当たり前のように時間が経過し、なおかつ長寿命生物の視座故にあっさりと一行で済まされる。
そこには天才性などの言葉で取り繕ったズルという意味でのチートやショートカットはない。だが必要以上の描写はせず読者の想像力で補完する、引き算の美しさが隠れている。
世界を見て周り、フラットな立場から色々と手助けをしたり、成長を見守り世代を跨いだ物語を見せてくれるエイサーの旅は本当にこんな世界があったらいいなと感じさせてくれる、とても素晴らしい物語であり、ぜひ一読してみるのをオススメします。
~URL~
https://ncode.syosetu.com/n0821go/
らる鳥様の新作『僕とケット・シーの魔法学校物語』も始まっておりまして、こちらも面白いのでオススメしておきます。




