お前が神を殺したいなら、とあなたは言った
睡眠時間を削ってまで読み進めたいと思わせてくれた、心が揺れるほど面白かった小説です
~作者~
ふじやま様
~あらすじ~
「ナオキ、君に神を殺してほしいんだ」
現代日本で新興宗教の教祖として生計を立てていた神城ナオキは死んだ。そして彼はその罪ゆえに、無限の地獄へと送られることになった。
だがなんの手違いか、はたまた陰謀か、彼は神々が実際に存在する異世界「エルマル」に送り込まれる。神とその神官たちが支配するこの世界において、神の加護も特殊な能力も持たぬまま、ただ「神を殺せ」という使命だけをその身に帯びて。
~感想~
なろうとは思えない構成、文章力のダークファンタジー、これに尽きる。
鬱展開や凌辱を文学として楽しめるなら特におすすめの作品。
簡単なあらすじで紹介すると、新興宗教の教祖だった青年が神が実在する世界に転生して宗教改革によって神を殺す物語。
宗教とは、神とは、救いとは何かをしっかりと描きながら、他方で人の醜さや愚かさを容赦なく突き付けてくる異色の小説。
既に述べたが、文章力や構成力が非常に高く、一般文芸の書棚にあっても全く違和感のないレベル。逆に言えばなろうには全然向いていないし、おそらく万人受けはしない。
序盤からヒロインの立ち位置が何の罪もないのに娼婦落ちと目を覆うばかりの様であるし(当然ざまあなんてものはない)、2章からは主人公以外の視点から語られ、主人公の暗躍によって人の愚かさには果てがないことを見せつけられる等、簡易な文章や安易な救いでありふれたなろう読者ではついていけないかもしれませんが、逆にそういったものに耐性がある人であればぜひ一度読んでみてほしい。
某救世主と神を信仰する宗教をモチーフにしっかりと歴史に基づいた解釈やそれを提唱した分派等が丁寧に描かれており、一方で神に祈る行為に必ず付随する現実の閉塞感の演出も素晴らしい。1番初めに1番最後の終わりのシーンを持ってきて、その後本編が始まるのだが途中まで結末が全く読めず最後まで楽しませてくれます。宗教的興味を持つ人や閉塞感を感じてる人、政治劇などによる策謀の読み合いが好きな人に特におすすめの作品です。
~URL~
https://ncode.syosetu.com/n7775do/
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