COLOR 独白
クククッ・・・
二人の女の姿が完全に見えなくなってから山崎は小さく笑っていた。
「あの二人、ちゃんと神木の所に行きますかね?」
「行くさ。それしか手がね~んだし、その為にあれだけ煽ったんだから」
「奴の方は乗って来るとおもいますか?」
「乗るさ。乗るに決まってる」クククッたま小さく笑う。
「山さんご機嫌ですね」
「ああ、やっと俺にもツキが回って来たかも知れねぇ」
「ツキ?」
「ああ、あの二人を利用して奴を・・・」
「逮捕ですか?それはさすがに後々面倒な事になりませんか?」
「逮捕はせんよ。ただ、交渉のカードには使える」
「大丈夫ですか?奴の顧客は日本だけじゃありませんし、下手したら我々の命も
狙われるんじゃ・・・」
「だからあくまで「交渉」なんだよ」
「???」
「確かに奴の顧客は世界中にいる。勿論、この日本にも。本来俺達見たいな一介の
刑事がどうこう出来る相手じゃない。そこいらのチンケな犯罪者とはワケが違うんだ。
しかもお前の言う通り、下手をしたら命も落としかねない。だが、奴にも弱点はある」
「弱点・・・ですか?」
「奴が関わるヤマには必ず死人が出る」
「はぁ」
「奴は確かに腕は立つ。証拠も残さない。どんな手段を使ってでも奴は依頼を解決する。
顧客の連中もそれを承知で奴のバックアップをしている。
そんな奴の解決する決定的証拠を俺達警察が掴んだら?奴は必ず俺達と接触してくる。
殺しに来るかもな?だが、奴の顧客達はどうだ?誰が奴を守ると思う?
誰もおらんさ。奴は危険だが奴の変わりは幾らでもいる。そういう世界の人間なんだ
アイツは」
相川の生唾を飲む音が聞こえる。
「野良犬は所詮、どこまで行っても野良犬って事だ。
まぁ、ハリキッて無茶をする様な年でもない。安心しろ。お前はあのお嬢ちゃん二人を
徹底的に尾行しろ」
相川が署内に戻り、山崎は一人、タバコに火を点ける。
「そろそろ野良犬にも躾を教える時間だ」
タバコの煙を吐き出しながらニヤリっと口を歪め、山崎は小さく呟いた。




