店員さん?アイムふぉげっと
今日は日曜。
朝食を食べ終えた俺はひとまずソファに体を預けてテレビを見ている。ちなみに美紅はパソコンをいじっている、多分俺の話をまとめてんじゃないのかな?知らんけど。
「ヤジロウ」
不意に後ろから呼び声、俺は目線をテレビに向けたまま、
「何だい」
「店員さんはどうしたのだやー?」
思考が働くまで少々のタイムラグ。
「……そういえば店員さんどうなったんだ?」
「知らんのかー?」
今の今まで忘れてた、あの時 俺は店員さんとメメナを捜しに行く用だったんだ。
でも俺の機転の良さで呆気なくメメナ確保、そして成り行きで店員さんに何も言わずに退散。ってかそれどころじゃなくて店員さんの事をすっかり忘れていた。
あの後どうしたんだろう?何も言わなかったからやっぱり一人で捜しに出たのかな?もしそうだとしたら何か悪い事したな。今度謝りにいかんとな——
「——ってか何で美紅はその事知ってんだよ、俺その事話してないんだけど」
「……んー?そんなのは気にするべからずなのさヤジロウよー、シャキッとせんかー シャキッと」
何かごまかされた感があるが……まぁいいか。
「シャキッとしてねー、お前に言われたかないっすよ」
言っておくけど、美紅は変わらずピンクのパジャマ、そしてボサボサヘアー
「私はいつでもメガシャキなのやよー」
いつもの声でそう言うと、美紅は俺の隣に疲労困憊そうに、ゆったりダラーっと座る。
その姿は本当にヤル気のなさを演出している。
「それでメガシャキって最大値低すぎだろ」
「それが、私のアイデンティティー」
「心配になってくるわ、お前の未来が」
「安心せいヤジロウよー、私にはまだ五段階進化が残っているのだよーミクダヨー」
「進化したら余計ダメになりそうだ」
「進化してダメになるとか…失笑を禁じ得ない、うぷぷ〜」
「失笑ってかバカにしてるだろ」
どっかのモノクマみたいに笑う美紅、結構成り切ってる所が憎めない。そしてそれが少し微笑ましくも思える。
「何なんだろうな、お前ってこうゆー事に対してはヤル気を出すよな」
「そりゃそうに決まって——ばたんきゅー」
「唐突のばたんきゅう⁉ワッツ⁉」
美紅は糸が切れたかの様に俺の膝に倒れ込む、それはもう力尽きたって感じに。
「…ヤル気出したら……クラクラするの忘れてた………」
「え⁉アレだけで⁉」
マジかよ、ヤル気って言ってもアレだけで?どんだけ軟弱な体なんだよ、ここまで来ると病気だな。
美紅はガクガクと震えながら細く弱々しい手を挙げる
「私にとっては……ヤル気とは毒なのだよー 助手くん……ガクッ」
そしてその手は落ち美紅は力尽きた、それはもう最後の力を振り絞り成し遂げた、まさにやり遂げた表情をしていた……まぁ寝てる。
俺はちょっと寝かしとくかと良心のもと、美紅をソファに横にさせる。
その間に俺はスタンダップ。
「・・すぅ・・・すぅ・・・」
こうやって寝てれば可愛いんだよな、起きてると内面が露出するからダメだけど。
俺は一気にグーっと伸びをする、ずっと座ってたから体がポキポキする。
あぁ……いい音や〜、そして感覚もいいわ〜。
でもそれが俺の油断だった——
ん?何だ?…ヤバい視界が黒くなって行く、視界が狭くなって行く、頭がクラクラする、フラフラする、これは……まさか…立ちくらみ……?
俺の残念な体質。立ち上がる前に深呼吸をしないと、かなりの頻度で立ちくらみが生じる。
すっかりスッキリ忘れてた…
そして世界は暗転、俺もばたんきゅうとなった。
そして昼飯時、無事に回復した俺と美紅は飯食ってます。
「ごちそうさま」
昼飯終わり。
特に面白くないんで昼飯の情景は省きました。
そして午後2:00——毎日が始まる。
「行ってきます」
「行ってらっしー」
美紅のいつもの声を聞き俺はドアを押し外へと出ずる。
そこはいつもの住宅街へと出るドア、でも今は違う。
今このドアは——
「今日も裁きますか」
——地獄の裁判所へと出るドアだ




