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初ライブと何か嫌な予感?

時は五月。黄金週間の前日。旧音楽室で私と山崎先生は悩んでいた。


「さて佐々木。この第3軽音同好会を部活に戻すにはあと最低でも二人の部員が必要だ。しかし、勧誘期間は終わってしまい公的に勧誘活動はできない。これからどうする?」


「とりあえず、創立際のステージで勧誘するしかないですね」


この学園はお祭り行事が多い。


五月の二十九日は創立記念日を祝った創立際。六月には球技大会。九月には体育際。十月には文化際。十二月はクリスマス際。三月には卒業際がある。


そして、今月の末にある創立際のステージに出て歌ってその後で勧誘する。実際、これくらいしか策はなかった。


「それしかないな。しかし、佐々木は一人だけでは厳しくないか?」


「そこはなんとかします。だから先生は創立際のステージの確保をお願いします」


「ん、わかった。それくらいは何とかしてやろう」


こうして創立際にむけての色々な準備が始まった。







まず私は赤崎さんの店のスタジオを借りて自作した曲を収録した。創立際の当日はこの収録した演奏を流して私が歌うことになる。


一つづつ演奏して収録して形にしていく。後はパソコンで収録した演奏を一つにしたら完成だ。


当日は私はギターを奏でながら歌うので収録した演奏はベースとドラムとキーボードとピアノだ。


曲は二曲。一曲目はピアノとギターの静かなバラードの曲。二曲目は一曲目とは逆のロックな曲にした。どちらもオリジナルの曲だ。


とりあえず二曲とも形にするに黄金週間の休みを全て返上した。


次は衣装を作りだ。これは前にビラ配りの時に作った服を手直しするだけで完了だ。


そして、後は練習あるのみだ。山崎先生曰く、創立際では第1軽音部と第2軽音部と第3軽音同好会が創立際のステージで対バンすることになったらしい。


その為の打ち合わせや練習などをしているとあっという間に創立際の日を迎えた。








創立際当日。私は衣装としてビラ配りの時のドレスを着て多目的ホールの舞台裏にいた。今は第1軽音部が演奏している。


この対バンは創立際の開会オープニングなので全校生徒と保護者に何故かは知らんが芸術事務所の人もいるみたいだ。


さて、第1軽音部の演奏が終わったら次は私の番だ。特に緊張はしてないので大丈夫だ。ちなみに第2軽音部の演奏は既に終了している。


『はい。第1軽音部の皆さんでした。続いては第3軽音同好会の演奏です』


と司会の合図と共に舞台に上がりマイクテストを兼ねて話す。


「皆さん。現在第3軽音同好会には私しかいないのでギター以外の演奏は録音ですが勘弁してください。それでは・・・」


と言ってアンプのコードをギターに差して舞台裏の山崎先生に初めてくださいと合図をおくる。


するとすぐにピアノの前奏が始まり、それに合わせてギターを奏でて歌う。


「~♪~~♪~~♪~~~♪」


曲のテーマは【静かなる終わり】だ。全てが終わってしまった世界で静かに終わりの中でまだ生きていたという願いを歌にした。


ちなみに私の歌声が転生特典とその後のトレーニングと練習のお陰でかなりのレベルだ。


私が歌い終わるとホール中から拍手が鳴り響いた。


拍手の中で私は山崎先生に次の曲を流すようにと合図をおくった。


そして、流れだした前奏は最初の曲とは違う激しいメロディーの曲だ。


私は前奏が流れ始めると同時にドレスに手を掛けて一気に脱ぎ捨てた。


ドレスには細工がしてあり簡単に脱げるようになっていた。そしてドレスの下には山崎先生用の執事服を手直してサイズを私用に会わせたのを着ていた。


「ー♪!♪!ーー♪ー♪!♪!ー♪!」


この曲のテーマは【あらぶる魂】。生命力に溢れたあらぶる魂を歌にしてみた。


私は間奏の間に曲のメロディーに合わせて手を叩く。それに合わせてホール中から手拍子が沸き上がる。


そして、私は激しく曲を歌い、そして、演奏は終わった。


手拍子は拍手に変わり、私は心地よい達成感に満たされていた。


「最後までありがとうございました!現在第三軽音同好会は部員を募集しているので、もし興味があるかたは私か山崎先生に声を掛けてください!」


と言って、投げ捨てたドレスを回収して舞台裏に引っ込んで山崎先生の元にむかう。


「どうでしたか?」


と私は山崎先生に感想を聞いてみた。


「お前っスゲーんだな。練習で何回も聞いてたけど本番はよりすごかったぞ」


「ありがとうございます」


とりあえずステージは成功した。後は新入部員が集まってくれればいいんだけどな。











多目的ホールを出た所で一人の男が電話でやり取りをしていた。


「どうも渡辺です。・・・・・はい部長。すごい子を見つけました。・・・・・・原石なんてものじゃないですよ。あれは完成された宝石です。しかも磨けばさらに輝く存在です!」


男は電話ごしに熱く語る。辺りにはだれもいないので男の声を聞くものはいない。


「・・・・はい。同業者に取られる前にウチで・・・・名前ですか?名前は・・・」




「・・・名前は佐々木。佐々木 朔弥です」









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