夕暮れに輝くマッスィーン
「んーっ」
夕時の空気を吸って、軽く伸びをする。
本日の授業はすべて終わり、後は帰路に着くのみとなった。
今日は友人たちは全員予定があるらしくて、ひとりでの下校だ。
……今日も頑張った。
特に、昼食前の授業が体育で、昼食後の授業が数学というのが頑張りどころだった。
多くの学友たちが机に沈む中、僕はなんとか眠気を振り切って、きちんと授業内容を頭の中に入れることができた。
授業の終わりに担任のアーミティッジ先生が、
「じゃあ折角頑張って起きてる子がいるので、今日の授業でやったところは次のテストにいっぱい出しますよ~」
と、言っていたのが忘れられない。
どうもうちの先生は優しいのかドSなのか微妙だ。
「……茉莉と弾は心配ないだろうけど、ルフはケアが必要かな」
幼馴染みで友人。そしてクラスメイトの女の子、蘭堂 ルフ。
彼女は僕の隣の席に座っているのだけど、今日の数学の授業中は机に突っ伏して「九郎さーん……そろそろ後期フォームをくださいでありますー……」とか言っていたので、間違いなく寝ていただろう。
どんな夢を見てたのか気にはなるけど、それより気になるのはルフのテスト対策だ。
夏休みも近いので、あまり芳しくない成績を取ると後が怖い。
「今日やったところはちゃんとチェックいれてあるし……明日はルフを迎えに行って、登校前に少し勉強した方がいいかな」
アーミティッジ先生はあらゆる意味で頑張り屋さんの女教師なので、下手をすると明日の朝イチには出来立てホヤホヤのテストを百点のスマイルで配ってくることも考えられる。
良い先生だと思うけど、こういうところは容赦がない。
きちんと授業を受けている生徒には、きちんとプラスを与える。
そうでない生徒にはきちんとしないことでどうなるかというのを、きちんと教え込む。
お陰でうちのクラスは家井 弾や新都 茉莉などの飛び抜けて優秀な人間以外の成績も常に平均以上だけど、その影には笑顔で投下される難問に常に怯える生徒たちの影がある。社会の暗部だ。恐ろしや。
……そういうのを込みでも良い先生だから、人気はあるんだけど。
何となく上の方、校舎を見上げてみると、ちょうど廊下を歩いていくアーミティッジ先生が見えた。
アーミティッジ先生は栗色のくせっ毛をしていて、アンテナみたいに髪束がひとつ、みょいんと伸びている。
俗に言うアホ毛というやつなのだけど、このアホ毛がとにかくよく動くので、遠くからでも簡単に彼女を識別することができる。
アーミティッジ先生の方もこちらに気づいたらしく、わざわざ廊下の窓を開けて、
「九郎くーん! 先生良い問題たくさん思い付いたから、楽しみにしててくださいねー!」
満面の笑顔でこっちに向けてブンブン手を振ってきた。アホ毛が揺れる。犬の尻尾みたいだ。
でも、揺れるのはそこだけじゃない。
アーミティッジ先生の胸は、かなり大きい。
(主に男性に)人気の理由のひとつであるその胸も、アホ毛同様に腕振りに合わせて揺れている。周りの生徒の視線を集めているけど、あれ、たぶん本人は気にしてないんだろうなあ。
気にするどころか、「あれ? くーろーくーん! 聞こえてますかー!?」と腕振りが激しくなっていく。胸も激しくなっていく。アホ毛が、ちぎれるんじゃないかと思うほど左右に振れる。
放置した方が周りが喜ぶような気がしたけど、段々と必死になって来ている先生がかわいそうなので、僕は笑顔で手を振り返しておいた。
……この分だと、明日にはテストは完成してるだろうな。
ルフが半泣きにならないように、友人として出来ることはしておこうと思う。
学舎に背を向けて、校門を目指す。
自転車置き場などもあるので、校舎から校門までは少し距離がある。
その距離を進んでいる間、何人かの他の生徒たちが挨拶をしてくるので、それに軽く返答をしながら歩いた。
校内の二大問題児と呼ばれている二人の友人ということで、僕は結構有名人だ。あまり嬉しくない知名度の上がり方だけど、ふたりの問題児の友達であるのは事実なので、諦めるしかない。
「……あれ?」
校門まで来たところで、見慣れた姿を見つけた。
金色の髪と、それを飾るフリルのヘッドドレス。
紅い瞳と、それと同じ色をした首輪。
服装はメイド服。
プリマリア・ティンダロスさん。
僕の専属のメイドさんだ。
プリマリアさんは何人かの生徒に話し掛けられていて、にこやかに応対をしている。
軽く人だかりのようなものを作っている彼女だけど、これでも随分『落ち着いた』。
彼女は飛び抜けた美しさと、メイド服に首輪という出で立ちだ。当然のように目立つ。
何度かこの学校に来ているから、周りの生徒たちに『慣れ』が発生していて、この程度で済んでいるんだ。
「あぉん♪」
彼女はこちらを見つけると、軽く一鳴き。
次の瞬間には、僕の目の前で優雅にお辞儀をして、
「お疲れ様です、ご主人様」
人だかりを作っていた人たちが一瞬、プリマリアさんを見失ってから、彼女を再発見する。
プリマリアさんは鳴いた瞬間に高速で動き、人垣を抜けてきた。
何人かの人間を軽く押すことによって道を作り、駆け抜けてきたのだ。
それを、彼女を目の前にしていた殆どの人に悟らせないほどの速度と正確性でやるのだから、とんでもない。
僕自身も、彼女の動きは殆ど目では追えていない。それくらい、彼女の今の動きは規格外だ。瞬間移動ではないのかと、錯覚するほど。音速とか突破してないだろうか、あれ。
彼女いわく、「自然体から一瞬でトップスピードに移行することで消失したような錯覚を引き起こす、ティンダロス一族に伝わる特殊な移動法です♪」らしいのだけど、どこまでが本当なのかは謎だ。
先程までプリマリアさんに話しかけていた人たちが、彼女と僕に挨拶をして帰っていく。
「……良いの、プリマリアさん? 話の途中だったりとか、しなかった?」
「ご主人様以上に優先するものはありません。あの方々にも、そのことをきちんと伝えてありますから」
スカートの端をつまみ上げて、ゆっくりと一礼。
……まあ、みんな懲りてるよね。
最初の方、その辺りが浸透していなかったために、何人かが『しつこかった』。
僕とプリマリアさんの関係性を掘り下げようとする人が、多くいた。
プリマリアさんは最初こそ笑顔で躱していたのだけど、僕が現れるとそうではなくなった。
一瞬でプリマリアさんは周囲の人間を『障害』と認識して、そのすべてに一撃を放って昏倒させてから、僕の方へとやってきた。
ダメージが残る方法ではなかったので実害は殆ど無かったのだけど、そういうことが何度かあって、周りは懲りた。
今ではプリマリアさんに関わるのは僕がいないとき、というのが暗黙のルールとなっているらしい。
「ええと……どんなこと話してたのか、聞いても良い?」
「ご主人様とどこまで進んだのか、などと聞かれました」
「……行動は成長したのに、言動が成長してない」
犯人探してどうにかした方がいいのだろうか。
「……ご主人様」
「あ、うん。なに?」
「私はご主人様のメイドです。進むのであれば、どこまででも共にと思っています」
「……うん」
ちょっと嬉しいと思ってしまった。「進む」という言葉の意味を勘違いしてそうだけど、とにかく、嬉しかった。
……ダメだな。うん。
今嬉しかったのは、僕が少し嫉妬していたからだ。
プリマリアさんは僕のメイドだから、他の人にどうこうされたり、秘密を暴かれたりしたくないという思いがあるから。
僕が知らない間に、誰かがプリマリアさんを知ろうとしていた。その事に、良くない気持ちを感じてしまったから。
束縛心だ。みっともないし、厭な感情だと思う。
「ごめんね。ちょっと今、不機嫌だったかも。えと……その。なんか、嫉妬した、かな」
「いいえ」
プリマリアさんはやんわりと首を振って、僕の言葉を否定した。
首輪の留め具に触れて、プリマリアさんは微笑む。
「良いのです。寧ろ、少し……嬉しく、思ってしまいました」
「え?」
「だって……」
何かを言いかけて、プリマリアさんは止まった。
瞳に迷いの色が宿ったのは、一瞬。
「ご主人様がもし、嫉妬してくださらなかったら……私、ご主人様にとって大切ではないのか、なんて、思ってしまったと思います」
「あ……」
「も、申し訳ありません」
プリマリアさんは顔を真っ赤にして、俯いた。
顔と交代するように金髪とヘッドドレスが目の前に現れる。フリルが揺れているのは、風のせいではなく、プリマリアさんの震えを受けてだろう。
「……はしたないことを、言ってしまいました」
「そんなことないよ」
否定の言葉は、自分でも驚くほど強く響いた。
「確かに、プリマリアさんは僕にとって大切な人だから。嫉妬しても、仕方ないよね」
「……あぉん」
甘い鳴き声で、プリマリアさんがこちらに近付いてきた。
僕はごく自然な動きでプリマリアさんの髪に触れた。指を受け入れて、さらさらの感触を返してくる髪。綺麗だ。
「僕のもの、だよね?」
「もちろんです、ご主人様」
プリマリアさんは頬を赤くしつつも笑顔。宝物に触れるように、首輪に指を添えている。
「ご主人様となら、何処であろうと喜んで」
甘えるように僕の手に頭皮を擦り付けてくる。
ヘッドドレスが揺れて、甘い香りが広がった。
「ん……」
感触を確かめるように丹念に撫でて、手を離す。
プリマリアさんは少し寂しそうな顔。そんな顔をされるとまた撫でてあげたくなってしまうけど、堪えた。
「続きは、帰ってからね」
「……きゅぅん」
切なそうに、だけど、嫌な顔はせず。プリマリアさんは身体を震わせて頷いた。
「……ところで、今日はどうしたの?」
一度、息を強めに吐くことで僕自身の気持ちを落ち着けてから、プリマリアさんに声をかける。
彼女はいつも、僕が帰宅するまで家で待っている。
何か理由が無いかぎりは、ここまで来ることはない。
「はい。少し、マシンの調子を確かめるために走っていたのですが……ご主人様の帰宅時刻が近くなってきたので、折角なのでお迎えに」
「マシン……?」
首をかしげると、プリマリアさんは一礼してから横にずれた。
そうすると彼女の後ろの空間を、景色として視界に捉えることになる。
「ん……?」
校門の近くに、銀色の機械があった。
機械は全体的に角張ったフォルムで、タイヤが二つ。前側には瞳のようにも見えるライトが取り付けられている。
「……バイク、だよね」
「はい。『メイド108の秘密道具』、55番。外宇宙的に輝く二輪車です」
輝く。
確かにバイクのボディは夕暮れの光を反射して、ピカピカと輝いている。
大きさは中型で、たぶん無意味だと思われる装飾がいくつか付いている。毎週日曜の朝に活躍している特撮ヒーローが乗りそうなデザインだ。
「ハスタ社のライドビヤーカーというバイクなんですよ。本当は大型二輪のライドイタッカーが欲しかったのですが、私の体格にはこちらの方がちょうど良かったので、取り回し重視ということでこちらに乗っています」
「……プリマリアさん、バイク持ってたんだ。どこにしまってあったの?」
何時もの『秘密道具』らしいけど、うちにこんなバイクが停めてあるのは見たことがない。
車庫はあるけど、両親が不在の今は空っぽのはずだ。
「普段はあるところ……そう、ハイパースペースとでも申しましょうか。そこに預けてありますので」
「そうなんだ。うちに置いててもいいのに」
「ご主人様がそう言ってくださるのでしたら、今後はそうさせて頂きます」
プリマリアさんは優雅にお辞儀をすると、ライドビヤーカーとやらに歩み寄った。
ハンドルのところにかけてあるヘルメットを手に取り、軽く弄ぶ。
そうしながら、シート部分を開けて中からもうひとつヘルメットを取り出して、
「ご主人様、その、良ければ二人乗りなど、いかがでしょう?」
振り向いたプリマリアさんの瞳は、少し弱気な感じだ。
断られたらどうしよう、という表情。
バイクの二人乗りなんてしたことないけど、そういう顔を見せられて拒否はできない。僕はどうも、この人のそういう顔にひどく弱いんだ。
「……ゆっくりお願いね」
慣れてないから、とまでは恥ずかしくて言えなかった。
僕はプリマリアさんからヘルメットを受け取って、装着。調節する必要はなく、ぴったりだ。
……たぶん、偶然じゃないんだろうな。
プリマリアさんは、僕とこういうことがしたかったんだろう。それでわざわざ、僕を迎えにやってきたんだ。
近寄って見てみると、車体は顔が映るくらいピカピカに磨かれている。プリマリアさんの気合いの入りようが見て取れた。
素直にそう言っても良いのに、と思う気持ちと、なにか理由をつけてでも来てくれた、という気持ちがある。
前はそういうことは無かった。彼女も、成長しているということだろう。あるいは欲が出ているのか。
どちらにしても嬉しいことだと思った。成長であるならばそれを喜びたいし、欲であるならば、祝福したい。
それはどちらも、人間としてひどく正しい感情なのだから。
「それではご主人様。私の後ろにどうぞ」
プリマリアさんがバイクに跨がる。
彼女のヘルメットは黒色で、犬耳のような装飾が施されていた。ヘッドドレスごと被っていたように見えたけど、大丈夫なんだろうか。
……メイドさんがバイク乗ってる。
ちょっと不思議な光景だけど、彼女を待たせるのも悪い。
バイクの後ろ側に跨がってみると、意外と座り心地は悪くない。
腰が少し沈んで、けれどきちんと反発が返ってくる。バネのしっかりしたベッドに腰かけたような感触だ。
「……ご主人様、きちんと掴まってくださらないと、危ないですよ」
「あ、ああ。うん」
よく考えたら、そうだ。
バイクは車とは違う。操縦者であるプリマリアさんにちゃんと掴まらないと、振り落とされてしまうかもしれない。
それに、バイクというのは身体を左右に振ることで曲がることを補助するらしい。たぶん自転車で曲がる時と同じだろう。
僕が掴まっていた方が、プリマリアさんも曲がりやすいはずだ。身体を倒せば、掴まっている僕も自然と倒れるんだから。
……でも、何処を?
肩、だろうか。や、でも。ちょっと危ないような気がする。指が滑ったりしたらズルッと落ちそう。そもそもプリマリアさんの肩。細い。強く掴んだら壊しちゃいそうだ。壊れないとは思うけど。
じゃあ腰? 腕を回して、プリマリアさんを抱き締めるようにすれば、安定性は高そうだ。
でも、それって凄く密着する。当たり前だけど。
密着したら、なんかまずい。よくわからないけどたぶんまずい。
だってこの距離で既にこんな良い匂いがするのに、これ以上密着とかやばい。やばそう。やばいんじゃないかな。うん。
もしかして僕はプリマリアさんの寂しそうな瞳に流されて、相当早まったことをしたんじゃないだろうか。
「ご主人様……?」
プリマリアさんがこっちに振り向く。なんだか不安そうだ。
「……怖い、ですか?」
違います。そうじゃないです。
プリマリアさんは絶対勘違いしている。凄く悲しそうな顔。ヘルメットの耳がシューンと垂れてるような錯覚すら覚えるくらい、悲しそう。
たぶん、あと数秒すれば、「ご主人様が恐怖を感じるのであれば」とか言ってプリマリアさんはこの件を無しにするだろう。凄く寂しそうに。でも、笑って。
それは嫌だ。恥ずかしいけど嫌だ。ああもう、良いじゃないか。正直、触りたい気持ちだってあるし。プリマリアさんのこと悲しませたくないし。行け。行っちゃえ。ええい、行けってば。
「んっ」
何とか、行くことができた。
プリマリアさんの腰に腕を回して、メイド服をできるだけ控えめに掴む。
なるべく腰の下の方だ。固いところ。骨の方。
柔らかいところを掴んだら、いろいろと想像してしまう。けど、どうしたって柔らかい。どこを触っても柔らかい。
「んっ……」
という声を挙げて、プリマリアさんが軽く身を震わせた。
「ご、ごめん。変なとこ掴んじゃった?」
「いえ、大丈夫です。そのまま、掴まっていてくださいね」
密着したし、プリマリアさんは前を向いたから表情は見えないけど、声は何時もの調子に聞こえる。
僕の方は、何時もの調子でなんかいられない。
彼女とこんなに密着したのは始めてだ。や、そうでもないか。でも、こういう状況ははじめて。
甘い香りが凄くするし、抱き締めているから身体の前側ぜんぶで、プリマリアさんの背中の感触を感じてしまう。
さらさらの髪が僕の頬を撫でてきて、くすぐったい。良い匂い。
心臓が何時もの倍くらい動いてるような気がする。バイクのエンジン音が遠く感じられるくらいに、心音がうるさい。
「ご主人様、如何ですか?」
「風が気持ちいいよ」
本当は風を感じる余裕なんて全然ないけど、それくらいしか返す言葉が思い付かなかった。
早く戻ってほしいような気もするし、長く続いてほしいような気もする。
頭の中がプリマリアさんの情報で埋め尽くされて、僕の頭はぐるぐるだった。
―――――――――
「…………」
「マッテゴーヨ!」
「…………」
「イッテゴーヨ!」
「……あの、プリマリアさん」
「なんでしょうか、ご主人様?」
「さっきからこのバイク、なんで喋ってるの?」
「最近は携帯電話やベルトが喋る時代ですから、バイクが喋っても良いと思いまして。試験的に信号待ちで喋るようにしてみました」
「……あー、うん」
ちょっと気が抜けて、気分が楽になったとか言えない。
あとがきクトゥルフ解説。
☆アーミティッジ先生
クトゥルフ神話に登場する人物、ヘンリー・アーミティッジから。
ミスカトニック大学の図書館長。
『ダニッチの怪』において、世界の危機を救っている。
この作品では九郎たちのクラスの担任。女教師。
巨乳のアホ毛教師で、九郎いわく「あらゆる意味で頑張り屋さん」。
そのうちキャラシート作りたい人。
☆外宇宙的
クトゥルフ神話ではわりとよくある表現のひとつ。
ほか、『宇宙的恐怖』、『名状しがたい』、『窓に! 窓に!』、『冒涜的』などがある。
☆ハスタ社
クトゥルフ神話に登場する風の神性、ハスターのこと。
元々はアンブローズ・ビアズの小説に登場し、ロバート・W・チェンバースの短編集を経て、ラヴクラフト御大がクトゥルフ神話に取り入れた。
もっといえばラヴクラフト御大がハスターという存在を臭わす程度だったのを、オーガスト・ダーレス等の他の作家たちが細かい設定を引っ付けて今日に至るのがハスターという神様。
クトゥルフ神話に出てくる神様や生き物、人物というのはだいたいそんな感じに作られている。
旧支配者と呼ばれる強大な力を持った存在のひとつで、風の神性。
クトゥルフとは敵対しているらしい。
『名状しがたいもの』、『名づけざられしもの』、『邪悪の皇太子』などとも呼ばれる。
風の神性の大ボスであるとされていて、クトゥルフ神話に登場する風系の神様はだいたいハスターの配下と思っていい。
ヒアデス星団にある古代都市、カルコサの黒きハリ湖に住んでいる、或いは幽閉されているらしい。
また、プレアデス星団にあるセラエノを支配下に置いているとも噂される。
その姿は謎に包まれていて、200メートル越えてるだとか、タコっぽいとか、目には見えないATフィールドみたいな存在とか言われていて、『名状しがたい』ことこの上ない。
黄衣の王をはじめとして、いくつかの化身を持つ。
今作におけるハスタ社は風のように進む乗り物を多く作ることで有名な自動車メーカー。発音はマ○ダっぽく発音する。ハスタ。
☆ライドイタッカー
クトゥルフ神話の神性、イタカのこと。イタクァとも。ハスターの配下の神。
大気を司る神性で、輪郭は人間と同じであるものの、途方もないくらいのデカさ。
燃え上がる二つの目と、足には水掻きを備えている。『目のある紫の煙と緑の煙』と表現したものもいる。
クトゥルフ神話においては精霊ウェンディゴの従兄弟、あるいはウェンディゴがイタクァの眷属、もしくは化身であると言われている。
運悪く出会ってしまうと、はるか上空へと巻き上げられる。
その間死ぬことはなく、数ヵ月に渡り地球外の様々な地を引っ張り回されるという。『イタクァワールドツアー』にご招待である。
運が良いと(あるいは悪いと)、ハスターにお目通りすることも叶うらしい。
イタクァはそのうち地球に返してくれるものの、途中で死ぬか、地面に叩きつけられて死ぬ。
うまいこと生きていた場合も、高空の冷気に適応してしまっていて、暖かい地表では生きていけない身体になる。
また、犠牲者の死体は連れ去られる前には身に付けていなかった謎めいた品を持っていることがある。お土産……?
『風に乗りて歩むもの』、『歩む死』、『トーテムに印とてなき神』などとも呼ばれる。
ライドイタッカーはハスタ社の製作した大型バイク。
風に乗りて歩むから、ライド。
☆ライドビヤーカー
クトゥルフ神話に登場する生き物、バイアクヘーのこと。別名はビヤーキー。
ハスターの眷属で、二メートルから三メートルくらいの大きさ。
ラヴクラフト御大いわく、「カラスでもなく、モグラでもなく、ハゲタカでもなく、アリでもなく、腐乱死体でもない」らしい。結局なんなんですかね、御大。
地上では時速70キロほどの速度だが、宇宙では光の早さの10分の1。
これは時速約1億800万キロメートルで、かなり早い。
また、腰にある特別な器官、『フーン』を使うことで光速の400倍の速度でワープが可能。
人の言葉がわかる上、召喚も簡単で、しかも手懐けられるという。
見た目はたぶん大分アレなものの、クトゥルフ神話では人間と仲良くなれる数少ない生き物。
クトゥルフ神話TRPGというテーブルトークロールプレイングゲームにおいて、たびたび乗り物としてお呼びがかかるクトゥルフ神話界の運び屋さん。
ライドビヤーカーはハスタ社の作った普通二輪車。特撮ヒーローをイメージしたトゲットゲしたデザインのバイク。
喋る機能はプリマリアさんの後付けで、信号待ち以外にはエンジンを切るときに「オツカレー」と言ってくれる。




