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学園タロットカード  作者: チンピラゲーマー
49/50

49.対峙する者達

校舎内の三階。


「リュウノスケ、付いて来とる事は分かっとるんやで?」


「…………」


「自分、無言やから分かりにくいねんけどなあ。何年も師匠やってると気ぃ付くモンやで?」


久家は気が付いていたのだ。

須賀が自分の後をつけている事に。

当然、須賀は何も話さない。


そして間もなくして、もう一人の人物が現れた。


「なんや、自分ら二人やったんかいな?ミナト、リュウノスケ」


「ご無沙汰してます、師匠。この度はどんなご用件で?」


水斗は久家の表情を探りながら言う。

しかし、久家は相変わらず不気味な笑みを浮かべているだけだった。


「いやあ、この学園の理事長に呼び出されてなあ?急やったからビビってんねんけど」


「理事長に…?そうですか」


この時、水斗は少し不審そうな表情を浮かべてしまった。

久家はそれを見逃さない。


「なんや水斗、久しぶりに実の師匠に会えたのに浮かん顔やなあ?」


「いやいや、そんな事ないっすよ」


水斗は窓から外を見てみる。

するとそこに居た、髪を真っ赤に染め上げた一人の女が目に映った。


(あんな生徒……見た事無いぞ。さっきのピエロみたいな奴と言い、何なんだ?今日は…)


「師匠、すんません。俺は見回りを任されてるんで、ちょっくら仕事してきますわ」


そう言うと、あろうことか水斗は窓を開け、そして。


「おいおい、流石に無茶やろ…」


窓から身を投げ出し、飛び降りた。


――――――――――――――――


「アイシャ、走れるか?」


「はいっ!」


全身に鎖を巻いた大男、ダウリンとシスター姿の少女、アイシャは走っていた。

彼らが目指していたのは『大聖堂』だった。

その理由を一口に言うならば、アイシャの能力だ。

彼女はシスターの恰好をただしている訳では無かった。


しかし、今の彼らは当然知る由もない。

この先に居るのは、シルヴァ、そして黒崎達皇帝派。


(リーダーは無駄な犠牲は出すなと言ってたが……。万が一どっかの派閥と衝突するような事があればまずいな。アイシャを護衛しながら俺が戦わなくちゃいけない)


ダウリンの中にある密かな懸念は、アイシャには伝わるはずはなかった。

しかしアイシャもまた、密かに思っている事があった。


(ダウリンさんが私組まされている理由…それは一体何なんでしょう?私の『能力』を使用する上で、ダウリンさんが最適なのでしょうか?)


ムクロは何を思い、自分とこの男性を組ませたんだろうか?

特別仲が悪いなんてことはないし、正直誰と組んでも良かった。

しかし、アイシャにはどうも引っかかっている事があった。

自分とダウリンが組まされた理由に、どうしてもムクロの思惑があるように思われて仕方ない。

そんな事を考えていると、前を走っているダウリンが突如として足を止めた。


「止まれ、アイシャ」


右手を斜め後ろに突き出し、ダウリンは制止を促す。

アイシャはダウリンの陰からゆっくりと顔を出して前方を確認する。

すると、そこには四人の人間が居た。

大剣を持つ大男、後は二人の好青年と一人の少女。


「誰だ?貴様らは」


――――――――――――――――


赤髪の侍、ノブナガは真上の気配に気付く。


「――――――――――――っ!!」


ガキィィィィン!!

と大きな金属音が鳴り響く。

愚者、イオリア共に音の方を向いた。


そこには、真上からの攻撃を試みた『六王寺 水斗』と、それを受け止めるノブナガの姿があった。


「ほほう?随分と手練れがいるものだ」


「おいおい…これ止めんのかよ」


ノブナガは鍔迫り合いの状態から、水斗の腹を蹴り飛ばす。

すぐさま体制を立て直した水斗は、一度攻撃を止める。

そして、死神がノブナガに襲い掛かる。


水斗は一度辺りを見回して、妙な違和感を覚えた。


(死神と一緒に居るのがどうして愚者じゃないんだ?…………あの男は一体?)


愚者と対峙している一人の男を見て、水斗は顔をしかめる。

そして、見たことのない赤髪の女。

彼女が死神と決死の剣戟を行っているのを見て、水斗の違和感は確かなものへと変わる。


(あれほどの剣の実力者を、俺がマークし損ねる訳がない。あの女は生徒じゃないな?だとすれば……あれが理事長の言ってた奴か?)


「どちらにせよ、呑気に観察なんてのは出来なさそうだ」


水斗は剣をぐっと握り締めた。


「おもしれえ事になってきたぜ…………こりゃあ!!」


この場にいる五人が皆、戦闘体勢へと入るのだった。




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