汚い世の中
「…何だ…これは?」
白墓は戸惑いながらそうつぶやき、ファイルを読み始めた。
しかし、そこに記されていたのは衝撃的な内容だった。
ーアマリカ合衆国のドナー・トラップ大統領は、2026年2月28日、イスラールとともにアランへ先制攻撃を行い、最高指導者であるハマネル師を殺害した。
これに対し、警察庁警備局警備企画課(以下「ゼロ」)は、外務省が未公開の極秘情報を保持している疑いがあるとして、情報公開法違反の捜査を目的に、警視庁公安部外事一課(以下「公安警察」)と合同で捜査を開始した。
3月2日、ゼロと公安警察は外務省庁舎の捜索を実施。
その過程で、さらに重大な事実が判明した。
それは、アマリカ合衆国がラッシャー連邦および大花民国との戦争を開始する意向を持っているというものだった。
しかし翌日の3月3日、外務大臣の模木敏夫は、警察庁長官の薬木吉信と示談を行い、1000万円の口止め料と引き換えに、この件を公表しないよう求めた。
薬木長官はこれに応じ、事態は落着した。ー
「何が落着だ!!??」
白墓の正義感が爆発した。
彼は顔を青ざめさせ、震える声でつぶやいた。
「早く長官に連絡しないと…日本が…終わる…」
そして彼は、すぐさま警察庁長官へ電話をかけた。
「プルルルルル、プルルルルルー」
一方その頃、薬木はキャバレークラブで複数の女性とシャンパンを楽しんでいた。
「ガハハハハ!このシャンパン、うめえ!!」
そのとき、携帯電話が鳴った。
「ん? 誰だ?」
薬木は女性と肩を組んだまま、気だるそうに電話に出た。
「はーい? 何?」
その緊張感のない態度に、白墓は怒りを抑えきれなかった。
「アマリカ合衆国の今後の軍事作戦を、なぜ日本国民に開示しなかったんですか!!??」
白墓は大声で怒鳴った。
「ん? それは極秘情報のはずだが…お前それどこで知った?」
薬木は不思議そうに聞いた。
「ゼロのデータベースを調査中に偶然見つけました。それに、あなたは外相から賄賂を受け取ったんですよね!!??明らかに違法です!!!!」
白墓は怒りに震えていた。
しかし、薬木は冷たく言い放った。
「それがどうした?」
その一言に、白墓は言葉を失い、目を見開いたのだった。




