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森の敵

「早いな二人とも」

[まだ競合店が無いので品切れ状態で売り切れで早く帰ってきてる」

「ただ主に焼くソーセージが人気で、それを持って帰って保存食とするのはあまり売れてないかな。だから保存重視じゃないソーセージはその場で焼いて売ってしまってる。その場で焼かなくても保存重視じゃないサラミとかはそれなりに売れるので、保存食としての燻製肉は露店は向かないって店長さんに話しておいたよ」

「確かにそれは同じ宣伝でも意味合いが違うね。要するにすぐ焼いて食べるソーセージが売り切れたら他が残ってても帰ってきてるんだね?」

「そそ、その辺りはきちんと店長さんに話してあるから理解してもらってるよ。競合店のノウハウになるだろうなと思ってるよ」

「割り切ってるね」

「宣伝自体は続けていきたいから、それを別の人に任せられるなら私は勉強しなおしたいから」


「ジェニーは?」

「まずバッグはあるそうですよ」

「ミュウの推測が事実になったかな。値段かな?」

「そうなりますし、バックをただ使える冒険者じゃ手に入らないです」

「ルルミラさんを間に通せばニックでも貸すぐらいは出来るみたいですよ」

「ああ良いよ。困ってるわけじゃない」


「ローズ家はロムルス行きますよね?ロムルスの辺りの大陸中部のモンスターが多い西部にあります」

「何それ名家なのに危険だし不便じゃない?」

「ローズ家自体はあっちこっちに親戚が居るので問題ないんですよ。本家だけが世間と断絶して生きてる感じです。遠いですが、ニムルさんと戦ったあたりですよ」


「ニムル知ってる?」

「僕動けないって言ってたでしょ」

「ご免…」


「遠いなら良いや、偶然でも同じ町に立ち寄ることも無くて、全く噂すら聞かないのはそういう事か。ああ話した気になってたけど勘違いかも?ルルミラに探りは入れないで言っておいてね」

「それは大丈夫です。先にそれは言われました」

「ローズ家は危険だとルルミラが考えて気を回してくれたんだね。じゃあ明日から出発するよ。あそれとマチに会ったら北部の宣伝と移住者が増えてるのを大げさに言うように伝えて欲しい」

「実際増えてるので嘘じゃないですが、そんなには多く無いですよ?だってそもそも大陸最大の人口なんですから」

「それでも言っておいて。食料が増えても食べてくれる人が居ないんじゃ仕方ない」


 トッテンボローに向かった。正確には中部ではない。セントラルシティよりの北側にある。要するに近い、3日ほどで到着した。道中も感じたけど、中部は本当に深刻だ。トッテンボローは町といえるがそれ以外は村が点在してるだけで交流が少ない。場所を選べばモンスターはそんなには出ないし。穀倉地帯もある。大陸で今もモンスターが沸き続けて危ないなんて西部の山脈しかない。後は全てダンジョン誕生の残滓。そこからまだ立ち直ってない。


 北部は町の近くのダンジョンは常に冒険者が出入りして、モンスター数も少ないためあふれ出ることがそもそも無く、出たとしてもすぐに退治されてる。それ以外の部分も北部を移動する冒険者によって退治されてる。中部は捨てて比較的安全な街道沿いだけ交易を中心として発展させたほうが良いんじゃないだろうか?ただ交易がどういう意味なのか?が全く分からないからどうにもならないけど。


 一つ良い方法があった。どうせ放置されてるので、集団の冒険者の引退先のようにして村を作り開拓していけば良いじゃないだろうか?まこれは北部が安定してからの話しだ。北部の安定が先なら、南部は多分何もし無い、国を見て分かった。

 南部に気をつけるのは、海外の国と摩擦が起きたら軍隊を作るのでその時だと思う。戦争が起きなくて、海軍から陸軍への転移なんてありそうだ。国がまだ残ってるからやっかいだ。

 北部重視なのは、北部を安定させてその影響地域を広げて南下するこの方が中部をどうにかするより現実的だと思ってる。そう考えると中部で独立国家の様なローズ家は異色過ぎる。自分を考えても人外集団なのは良く分かる。


 トッテンボローについたは良いが徒歩での移動になるためここから目的地には半日ほど掛かってしまった。森だねー。この大陸には森が多い。一部ダンジョンの木も利用されてるようだが、木が豊富なのでこれだけはニューシティもすべて自給ではないと言うよりダンジョンの自給じゃないだけで近郊でわんさか取れる。

 ただダンジョンには質の良い木や珍しい南国の木などがあるため希少価値で利用されてるだけで、木材は基本都市周辺。森なんてありふれてる。それは違う。森と言うより木がまばらに生えた農地として利用されて無い場所が多いだけで、森が大陸をびっしり埋め尽くしてるわけじゃない。点在する深い森それが今回の目的地。

 今が荒廃してるのは元々開拓した農地だった場所も放置されてる箇所が多いから。そこが森になる事は無い。雑草が深く生い茂る荒廃した感じが似合う場所になってしまっている。


 ヘルハウンドやワーウルフ。森を住処とする狼のモンスター。僕の島には居なかったが森には狼が多い。モンスターである彼らもそういう習性があるのだろうか。見た目は似てるけど、大体でかい。熊も居るし、モンスターは獰猛な野生動物と似たものが多い。

 すっかり都会暮らしに慣れてしまったけどルルミラさん推薦の野生児の僕は森はテリトリーとばかりに暴れまくった。いざとなったら木とかなぎ倒せそうなニムルが最強には違いないんだけど。

 ユーリが苦戦してる。あの火力強すぎて外れ弾が打てない。しかたなく肉を切らせて骨を絶つやってる。実際そこまで酷くないけど、接近してきたら強烈なパンチをぶちかましてる。見た目では真っ先に狙われるから。


 こうして見るとユーリって強いな。遠距離攻撃だと思ってたけどダガーと炎を2刀流みたいに使ってる。攻撃力がある。足りないのは戦闘慣れと非力さ。それを補ってるのが炎の火力と超回復。そして限度を超えても死からの再生まである。

 敵にしたらくそ面倒。再生のタイミングでばらばらにしてしまうのが良いのかも。でもそのどれかが再生したら…。いや家族でこういう想像するの悪趣味だ。

 僕が見てたのはそれだけユーリを安心してみてられるから。どう考えても強いタイプの冒険者じゃない。負けないと思うが、勝てる気がし無いしつこさがある。

 この相手なら他のメンバーは大丈夫ユーリの弱点は本当の弱点じゃないけど、遠隔が使いにくい場所と数とニムルみたいなやたらと桁違いに強い敵だな。数は遠隔でカバーできる。僕らだって数はキツイから。それが使いにくいの重なると困る。まさにここだな。


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