終章 おわりに
これ以上を語ってしまうと、もはや回顧録ではなく近況報告になってしまうので一旦締めさせていただく。
ここまで読んでくれた方には感謝と「お疲れ様」の言葉を送りたい。軽い気持ちで読めるお話ではなかったと自分でも思っている。 何か感じるところがあればぜひ感想を聞かせてほしい。または、読んでくれた方の中に、出会えずじまいだった仲間(同じ傷を抱える理解者)がいるかもしれない。この回顧録が役に立つなんて大げさなことは考えていないが、少なくともこのエッセイの存在によってあなたの孤独がほんの僅かに誤魔化せたらいいなと思う。
私が生まれてから(物心ついてから)社会に出るまで……約二十年間の出来事。 重ねてお伝えさせていただくが、このエッセイは限りなく事実である。記憶の思い出せる範囲と、プライバシーの観点から登場人物は全員仮名ではあるが、それ以外はノンフィクションだ。
火事、地震、家庭内の不和……その他いろいろ。一つ一つは決して珍しいことではない。私の人生の特に異質だったところは、これらのトラブルが畳みかけるように襲ってきたことだ。絶え間ない人生の嵐にさらされて真っすぐに成長することが叶わなかった物語と言える。
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私はこのエッセイを書くにあたり、できる限り誠実な書き手であろうとした。 それによって、思い出される記憶に現在の視点からの推察を重ねながらも、信頼できる読み物となっていてほしいと願っている。
特段の救いはないし、教訓もない。 ただ私が生きてきた人生をつらつらと書いただけだ。
現在、私は三十歳。 『十年ひと昔』なんて言葉があるので、振り返るにはちょうど良いころ合いだったと思う。書いていて何より私自身がすっきりした部分もある。
もし心に残るものがあったなら、どうか無理のない範囲で他の人にもこのエッセイの存在を伝えてほしい。 多くの人の目に触れ、読んでもらうことで、何か意味を持つような予感がしているのだ。




