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ゼロから学ぶハリウッドストーリー創作講座  作者: 森本純輝
第1章 ストーリーの構造

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21/21

コラム1 ストーリーには「動くもの」と「動かないもの」がある

いずれこのサイト専用にもっとわかりやすくした本格的文章を(いつになるかは未定ですが)構想する予定です。

※ この本文は自身の同タイトルのブログからそのまま抜粋したものです。


ここのところ、更新をまるでしていないにもかかわらずアクセス数がかなり上がってきている状況が見受けられる。一個人として非常に嬉しく思う所存である。長い間をかけて継続してきた甲斐があったことの表れであると思う。今日は読者たちが増えていることに感謝したい、という意味を込めて久しぶりに投稿を試みた。


このブログの現状としては書きたい記事がかなり溜まってきており、書き溜め記事の整理がついていないことから、先を進める前にそれらの記事を一気に吐き出していこうと思う。それらが完了次第改めて先頭の記事を進めていこうと思う。


今回は、至極当たり前のことのように思われる構成要素に関して私なりの視点で定義する記事にしようと思う。


それは、タイトルにもある通り、ストーリーに存在する「動くもの」と「動かないもの」がある、というものだ。


読者に混乱をきたしてしまわないように先に伝えておくと、これは、読者がストーリーを創作する際に「自分が今何をしているのか?」を見極めるための一つの指標となるものであって、ストーリーの創作方法にはあまり関連性がない部類に入るものである。


今どの地点にいるのか、その立ち位置を自分で把握していないと迷子になってしまうことは時として、いや、作家を目指す者なら多々あるはずだ。その迷走を回避するためにも基準点となる指標は必要であり、それを定義付けることで先行きの見通しを図ることが可能になる。


いつものごとく前置きが長くなってしまったので、内容の解説を始めよう。








もくじ




1 その創作に「意味のある前提条件」は、あるのか?


2 「動くもの」=「動的要素」とは


3 「動かないもの」=「静的要素」とは


4 両者をどうやって区別するのか?








1 その創作に「意味のある前提条件」は、あるのか?




普段ストーリーを創作する上で、あなたはどのような基準を前提にして進めているだろうか。


例えば、「キャラクター」だったり、「世界観」だったり、「シーン」だったり、それはいろいろあるだろう。


それらを一つとっても、「世界観」でいうなら例えば「歴史背景」だったり、「国の構造」だったり、「世界や社会の仕組み」だったり、本当に千差万別であろうことと思う。


それは、作者本人が自由に決定することであって、一概に「どこから入るべき」と強要することはできない。


だが、創作の途中で必ずと言っていいほどに壁、あるいはスランプに直面することは、ストーリーを作ってみたことのある方には十分に首肯できる事実であることは間違いないであろう。


そんな時に、一つの道しるべを知ることができれば、今自分はどの地点にいるのかを把握することが可能になり、それを知った上で再び起点に戻ったり、前進を始めたり、必要な過程に進むことができる。重要なのは「今自分がどこにいるのか」という立ち位置の把握である。


では、道に迷った時、何を基準にして把握すればいいのだろうか。


私の場合は、ストーリー上で存在する幾多の構成要素を「動くもの」と「動かないもの」に分けている。


自慢に聞こえたら非常に恐縮なのだが、私自身はストーリーの創作方法をどうするかで迷ったことはなく、世界観のイメージをどう定義するかで迷走したことが唯一あるくらいで、実際に創作にかけている時間はストーリー上における題材やアイディア自体であって、作り方で迷走した経験はほぼないと言っていい。つまりは自分なりの創作方法やその手順を把握しているということになる。


よって、この二つの構成要素を定義する所以は存在しないのだが、無意識に理解していることではあるので、これを語る根拠はあると思っている。




なぜ、こんな話を引き合いに出したのかと言うと、普段無意識にやっていることは、果たして本当に必要なことなのかどうかを見極めることが大事ということをお伝えしたいからである。


人は何かを行動する際、必ず何かしらの根拠を前提にして事を成す。


傘を外出時に持っていくのは、「今日は雨が降る」と知っているからであり、それこそが「傘を持つ」という行為として「意味のある前提条件」になるものである。だが、そういったことは当たり前のごとく行動を取っているが故に、意識化することがないのが常である。


ストーリー創作も同じだ。


物語を作る上で自分の中ですでに当たり前のこととしてすでに無意識化されている作業が、実は現時点においてはまだ必要のないものであったり、逆に今の時点で必要とするべき構成要素を先に作っておかなかったがために、後から作ればいいものを先に作ってしまい、結果として頭打ちになってしまう、というケースもありうるだろう。


それは、「ストーリー上におけるアイディア」が先行してしまっているからであり、またそれを「ストーリーの作り方」と誤解しているがゆえに本末転倒になってしまうからではないだろうか。


例えば、「シーン」は創作のかなり後になってから設計していくのが最も有効な手段であり、先にシーンだけを並べて作っていくと、いずれ必ず支離滅裂な順番になった「出来事の羅列」だけが構築されてしまう。先に作っておくべきはそれらシーンが一連の話の流れとして意味を持つ「出来事の順番付け」であり、さらにその前提条件として「出来事が起こることになった背景」=「バックグラウンド」や、またさらにそれを構成する前提条件に「世界観における均衡の不和」や「それを生み出した"世界を変える力を持ったパワー源"」の設計などであり、そういった基礎を固めてこそ、次の土台をその上に順々に築き上げていく過程が可能となる。




そのような形で、作者はこの「ストーリーの作り方」と「ストーリー上におけるアイディア」の区別が明確につけられていない、ということが迷走の原因として挙げられるのではないだろうか。


「アイディア」と「ストーリーの設計方法」は当然ながら違う。ストーリー創作という工程自体を物的に見た場合、「アイディア」はいわば家を建てるための「木材」だったり、「鉄筋コンクリート」だったりなどの「資材」となるもので、「ストーリーの設計方法」とは言わずもがな紙面に描かれた「設計図」である。


実はこの、家における「資材」と「設計図」の違いが本記事で紹介する「動くもの」と「動かないもの」である。








2 「動くもの」=「動的要素」とは




とすれば、それらはどのような定義ができるだろうか?


私はこの二つの事柄に関して「動的要素」と「静的要素」という定義をしている。


「動くもの」が「動的要素」であり、「動かないもの」が「静的要素」だ。


まずは、「動的要素」からいこう。




「動的要素」とは、すなわち以下のような定義を取っている。


それは、




読者の感情を動かす、ストーリーに生気を与える生きた情報のこと。登場人物の性格や行動、台詞、ガジェットやアイテム、社会背景や世界観など。




というものである。


言ってしまえば、「物質」、「マテリアル」のことである。これを物体として定義し直すと、それを構造的に作るための「プログラミング」あるいは「設計」が必要になるもので、外部から何らかの「秩序立った形」を与えられることで初めて「動き」として具体的な意味が成立する要素である。


これは、それ自体がアイディアであるがゆえにどこから手を付けてもいい特性を持っている。


だが、これには大小からなる「サイズ」が存在し、一番大きいものから次第に中、小と小さくなっていくことを前提にして初めて意味のある連動性が成り立つ。先ほどの「秩序立った形」はこの「サイズ」のことを意味してもおり、そこから構築していくのが、最も望ましい手段となる。




なぜ、「サイズ」が存在するのか?


ストーリーとはその世界ならでの設定の上で、更にその中で物語が出来事の連続として起き続けていくものであり、その意味で必ずその世界を表現するための「規模」が確実に必要になる。「規模」とはその世界の「広さ」であり、その単位を言い表したものが「サイズ」という表現になる。つまり、ストーリーには(当たり前ではあるが)世界観を作ることは必要不可欠であり、更にその規模がどのくらいのものなのかを設定しなければならない。よって、「サイズ」という概念の導入が必要となる。この「サイズ」を一番大きいものから設計するというのは、例えば、ストーリー上で設計した「世界」という単位から、次第に「国」や「人」、「文化」や「歴史」を決めていく、ということであり、この一番大きな輪郭を予め設定しておくことで細かい設定を可能にする、ということである。






次の3と4に関しては、これからの時間を自身の創作に充てたいこともあり、「その2」として次回に繋げていこうと思う。



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