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異世界をゴーレムと伴に歩む  作者: ぴっぴ
第1章 ゴーレム使い放浪編
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第20話 また迷ったゴン

 村に滞在して1週間、そろそろ飽きてきた。村人達も散々脅したので、モモの畑にチョッカイを出す奴も当分出ないだろう。旅に出ても、たまには村に顔を出してモモの畑を見てみなければなるまいて、なにせ俺とゴーレムが初めて造った畑なのでそれなりに思い入れが有るのだ。あれから俺と目を合わせる村人は少なくなった、そしてタマに俺を睨む奴が居たが、泣くまでゴーレムで追いかけ回したら誰一人として俺と目を合わせなく成った。500キロのゴーレムが槍を構えて地響きを立てて向かって来たら俺でも恐怖を感じるだろうから、まあ当然と言えば当然だな、これもモモの安全の為、俺は心を鬼にしてやっているのだ、なにせ俺は弱い者イジメは嫌いだからな。


「おっちゃん、行くの?」


「うむ、おっちゃんは海が見たいのだ」


「そうか~、寂しくなるな~」


「モモ達の手に余る畑は村人達に貸してやれ、モモとお母さんだけじゃ畑全部の手入れが出来ないからな。貸した畑の収穫の半分はモモ達に渡るように村長に言っておいたからな、もうモモは出稼ぎに行かなくて済むぞ」


「ありがとう、おっちゃん」

「何から何まで、有難うございます。ゴンさん」


「気にするな、さらばじゃ!」


 こうして俺は又旅に出た、俺は海を見たいのだ。この道をズ~っと行けば海が有るらしい、俺一人じゃ道に迷うが、日が登る方向に海が有るのは間違い無いらしいのでその内着くだろう。時間だけは沢山ある、仕事も目的も無い俺は気ままに進むだけ、これも又人生って奴なのだな。


「う~む、不思議だ」


 知らない道をどんどん旅していると町や村が有るはずなのだが、全然たどり着かないのだ。むしろ、村や町からどんどん離れた所に行っている様な気さえする。やはり俺一人で旅をするのは無理なのか?俺は一人旅に向いてないのではなかろうか?


「まあ、良いか!」


 普通なら村や町にたどり着かないと困った事に成るのだが、俺は全然困って居なかった。そこら辺に有る物を食べて、適当に休んで、そして寝るだけの生活をするだけなので何時もと同じなのだ。むしろ他人が居ない分だけ気楽な位なのだな。

 自分が方向音痴なのは知っていたが、まさかこれ程とは思わなかった。やはり旅って奴は素晴らしい、自分を知ることが出来たのだ、これだけでも旅をした甲斐が有ったというものだな。


 川の傍で1週間、草原で1週間、景色の良いところで1週間、色々な所で適当に休んで居たらとうとう広い道に出てきた、これは次の町か村に期待出来るかも知れないと期待してワクワクしていると、道端に何かボロ切れが落ちている。


「・・・・・・何だこのゴミ?」


「ゴミちゃうわ~!」


「ゴミが喋った~!」


 道端に落ちていたゴミ・・・・・・かと思ったら汚れたマントに包まった人だった様だ。しかし、怪しい、こんな道端に寝ている時点で凄く怪しい。


「何だお前!?」


「お前じゃ無いニャ! ココアって言う立派な名前が有るニャ!」


「ムムムム・・・・・・ニャ?」


 物凄く怪しい奴だが、話し方が怪しすぎて逆に怪しくないと言う変な状況だった、盗賊の仲間でもなさそうだな。


「何でこんな所で寝てるんだ? 道だぞ?」


「腹が減って動けなくなったニャ、少し休めば又動けるはずニャ」


「珍しいニャ、行き倒れニャ!」


「真似するニャ!」


「俺は食物持ってるニャ! 要るかニャ?」


「要るニャ! それとウチの真似するにゃ!」


 行き倒れを発見した俺は食物を差し出した、頭の上の猫耳を見るまでもなく彼女は獣人だった。俺は何故か猫と相性が良い、前世でも家に沢山猫が居たような気がする。猫餌や猫砂代で車のローンが組める位お金が掛かっていた様な記憶がうっすらと残っていた。


「鰹節美味しいにゃ! お前見所があるにゃ! ウチの子分にしてやるニャ」


 流石は猫、常に唯我独尊、言いたい事を言ってやりたい事だけをする連中。俺は猫に近い生き方をする人間だから彼等が大好きなのだ。そしてこの猫獣人、胸がデカかった。食物が無くて困ってた癖に胸だけがデカイのだ! うむ、これこそ理想の体型って奴だな。


「なあ、ココアって学級委員長とかやってたか? あと、眼鏡とか掛けないよな?」


「にゃんだ? 学級委員長? 眼鏡? にゃんだそれは?」


「いやスマン忘れてくれ、俺も吸血鬼じゃないしな」


 何だかあの有名な猫人間に似ていたのだ、特に胸の部分が。俺の興味を引く人間は珍しい、特に俺が名前を覚える事は極めて稀だ、普通の人間には興味が無いのでホボ名前を覚える事は無いから。


「干し肉も有るけど、要るかにゃ?」


「要るニャ! あと水もよこすニャ!」


 猫様が欲しがるなら仕方ない、彼女達は肉食だし、何でも食べるのだ。そして全部の猫に個性が有って好きな食べ物まで全部違うと言う個性派なのだな。まああれだ、人間以上にパーソナルな存在なのだよ彼等は、俺は多分そこに惹かれるのだ。


「で? ココアは何で行き倒れてたのかニャ?」


「計算では次の街まで持つハズだったにゃ、でもついつい食べ過ぎて食料が無くなっちゃたのニャ。ちょっとした計算違いって奴にゃ」


「ふ~ん、ココアは腹ペコきゃらだったのか。優等生キャラかと思ったんだがな」


「馬鹿にするにゃ! 歩くと腹が減るのにゃ! だから普段より沢山食べるのは当然だにゃ」


「成程・・・・・・一理有る」


 話をしてみるとココアは次の街までの道を知っているらしい、あまり当てには出来そうにないが、それでも絶対迷う俺よりはマシだろうと思い、同乗させる事にした。


「乗って良いのかにゃ?」


「良いけど、汚れを落としてからだぞ。家の中は土足禁止だからな」


「分かったにゃ、マントは汚いけど、中はそう汚れて居ないにゃ」


 汚れて居ないと言い張るが、ココアは風呂もシャワーも浴びていないので汚れていた。このまま家に上がられると凄く汚れてしまうので。俺は彼女をゴーレムに乗せる事にした。家に入れるのはシャワーを浴びた後だな。


「これはゴーレムだったのにゃ、魔物かと思ったにゃ」


「うむ、俺の造ったミノタウロスゴーレムである。感謝して乗るように、家の方は夜にシャワーを貸してやるからその後に入れば良いだろう」


「ゴンは凄いにゃ! 食物の他にシャワーまで持ってるのかにゃ、流石は私の子分だにゃ」


「何で子分なんだよ、どう見てもお前は居候だろうが!」


「細かいこと気にしちゃ駄目にゃ、心を広く持つことが大切なんだにゃ」


「・・・・・・」


 猫の癖に口の回る奴だった、どうせ言っても無駄なので俺は黙り込むのだ。まあ良いや、道さえ教えて貰えば儲けものだしね。飯を食わせるのは道案内の代償だと思えば安いもんだ。




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