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紅葉  作者: 水元あくあ
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もう戻らない宝物

「そか・・・頑張ってるんだね。 私は・・・」


そうしてサクサクと真っ赤に染めあがった落ち葉を踏みしめ


私は岳下のすぐ前に立った。



「これ。」


そうして私が岳下の前に差し出したのは、3年前あの雨の降る夜にもらった小さな宝物だった。



もう要らない そんな迷子の鍵を預かっていた映画は 確か マイ・ブルーベリー ナイツ。


だけど、もうこの戻らない宝物は、迷子の鍵なんかじゃない。



岳下は苦味つぶした顔をしてそこに立っていた。



二人の影がゆれるだけで二人の心の距離は縮まるはずなんかないんだ。



そして岳下はゆっくり私の手の中から鍵を抜き去った。



二人ともしばらくそのままじっとしていた。


どこかで夜を知らせる鐘の音が遠くから聞こえていた。


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