ドラゴンはどこ!?
ルミナに殴られ気絶した誘拐犯達を黒龍や金龍の前に連れてきた。全く目覚めないので赤いドラゴンの背中に乗せ歩いてきたのだ。よほど強く殴られたのか、未だに起きる気配がない。それに殴られた頬が真っ赤に腫れ上がってきた…かわいそうに…ってか死んでないよな…
起きてもらわないと話が進まないので、とりあえずおもいっきり体を揺すってみた。
「んっ、うーん」
おっ目覚めそうだな。
誘拐犯の一人が目覚めて辺りをキョロキョロ見渡している。すると黒龍と金龍に囲まれていることに気付いたのか、
「ギャーーーーーー」
っと叫んでまた気絶した…いい加減にしてくれ。
一時間後、やっと二人とも目覚め俺とルミナ、そして黒龍と金龍に囲まれて正座させられている。
ぶるぶる震えていて今にも泣き出しそうだ…
「おっ俺達をどうする気だ」
誘拐犯の一人が勇気を振り絞ったのか震えた声で聞いてきた。
「さぁ?とりあえず此れからのお前らの行動しだいかな。でも俺は嘘つく奴は嫌いだな。嘘をつく度に指を一本一本折っちゃうかもな」
正直に色々としゃべってくれるよう少し脅しをかけておいた。
あれ、ルミナさん?なんか引いてます?本気じゃないからね。そんな鬼畜じゃないからね。
「じゃあ俺が質問するからお前らは正直に答えて」
「「はい…」」
「さらったドラゴンはどこにいるの?」
「知りません…」
はぁ?脅しが足りなかったか?しょうがないと思いつつ誘拐犯の指を掴む。いやいやルミナさん?だから脅すだけだからね、ほんとに折ったりしないから。俺そんな鬼畜主人公じゃないじゃん。
ルミナは指を折るところを見たくないのかギュッと目を瞑っている。
しかしそれが効いたのか誘拐犯は慌てて話しだした。
「ほ、ほんとに知らないんだよ。俺達はこの能力を買われて、ロッソの王都で知らない人に頼まれてドラゴンを捕まえてただけなんだよ。一匹500万出すからって。ドラゴンなら何でもいいって言うんで捕まえやすそうなのばかり狙ってたんだよ」
おー全部話してくれたみたいだな。しかしまたロッソか…最近よく耳にするな。
「ちなみにそのドラゴンを集めている奴の特徴は?」
「じいさんだよ。なんか魔法使いって感じの服をきてたぜ」
もはら何も隠す気がないと言った感じにすらすらしゃべる。もっと色々聞いてみようと思ったりもしたが、おっさん二人にする質問なんて特になかった…
「主よ、この者達の処罰はどういたしましょう」
黒龍は俺が話終わったのを見計らって聞いてきた。
「んーどうしよっか?どうする、ルクス?」
へっ!?何でルミナが答えてるの?
「我々は主の意見に従いますので」
「困ったわね。人間にはドラゴン捕まえたらダメってルールはないから」
ルミナが主としてドラゴンと話している。なぜ…あっあの時か!!ルミナがぶち切れて俺をパンチでぶっ飛ばしたから、主が交代したんだな。しかしルミナはすっかり主を受け入れているな。
「ねーねールクス。どうしよっか」
悩んでいるルミナも可愛いな。
「とりあえずこいつらは泳がせよう。その魔法使い風のじいさんの顔はこいつらにしか分からないからな。俺たちがロッソへ行ったときに案内役を頼もう。黒龍と金龍もそれでいいか?今すぐロッソへは行けないから時間かかるけど…」
「主の婿どのがお決めになったのであればそれに従います。それにもはや捕まったドラゴンも生きてはいないことでしょう。これ以上この山に被害が広がらなければ大丈夫です。しっかり準備して向かわれてください」
金龍が答える。こいつも少しの間に成長したものだ。ってゆうか婿なんてまだ気が早いよ。
「ロッソにいくの?」
ルミナが目を輝かせている。あぁこの目は食べ物のこと考えてるな…
「あぁ、でも一応グレイブさんにも確認とらないとな」
「やったー、楽しみ」
ルミナは喜んでいるようだが分かってるのかな…一応敵国なんだが…
「おい、お前ら」
「「はい!!」」
おぉ、すっかり従順になってしまって。
「とりあえずお前らはそのロッソの王都に帰れ。でも今後一切ドラゴンを捕まえるな。もしそのじいさんに頼まれたら今は休業中と答えておけ。いいな」
「「はい!あにきぃ!!」」
えっ?いまなんて?
「アニキと呼ばせていただきました。その冷たい目線と冷酷なプレイに惚れました」
いやいやいやいやいや…むりむりむりむりむり
「やっやめてくれ!こんなガキにアニキって呼ぶの嫌だろ。だからやめよ?」
「いえ、アニキはアニキです。ロッソに来られるのを楽しみにしています」
ドラゴンの主からおっさん二人のアニキにランクダウンしたようです…
お母さん…僕…年の離れた弟ができました…