第二十話「勇者」
ずばーんっ!!
朝の森に大きな音が木霊する。
ずばーんっ!!
大きな音と共に大木が吹き飛ぶ。
幹の直径は2メートル近い。
たった一撃で切り株だけになる。
ずばーんっ!!
ずばーんっ!!
切り株が増えていく。
すっかりここいら一帯、禿山と化していた。
額の汗を拭うと彼は
切り株の一つに腰を下ろす。
「・・・・・・」
この5年、色々な山を転々としている。
全てはリベンジの為に・・・
あの日、あと一歩のところまで魔王を追い詰めた。
最後の最後で魔王が人質を盾にした為、逆に追い詰められたが・・・
「・・・・・」
あの時、逆転の一撃を放ち、世界を救い英雄になる筈だった。
人質とはいえ魔族。幼い子供とはいえ魔族。
可哀想だとは思わなくも無いが世界を救う為、小さな犠牲には目を瞑る。
あの時、子供諸共、魔王を切り捨てるつもりだった。
それなのに・・・
悔しさがこみ上げてきたのか剣を掴み立ち上がる。
「・・・・うおぉぉぉぉぉ!!!」
叫びと共に剣を振り回す。
残った切り株さえも粉々に切り裂いていく。
単に癇癪を起こして暴れているだけにも見えなく無いが・・・
彼は復讐に燃えていた。
「メイドめぇぇぇ・・・・」
八つ当たりとしか思えないが。
彼の手柄は一人のメイドに奪われた。まるで『英雄』の様に子供をも救って見せた。
「おぅ、にいちゃんご苦労さん。綺麗に整地出来たな。」
あの一件以来、彼の肩書は「勇者」から「流れの土木作業員」へと変わっていた。
「メイドめぇぇぇぇ!!!」
彼は復讐(?)に燃えていた。
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はい、どうもおはようさん。
朝、起きるとさぁ・・・隣に見た事ない全裸のお姉さんが・・・なんてのはまぁ、昔からのテンプレみたいなもので・・・えぇ、憧れた事、有りましたよ?
でもね?
流石に裸の幼女は・・・犯罪の香りしかせんよ?
「・・・う〜ん・・・」
うわっ、抱きついてきた!!
やわらけぇぇぇ・・・
やべぇ、股間の◯◯が・・・って、無いんだっけ。ワタシも幼女だった。
これって、あれ?側から見ると百合的な光景?
もそもそもそ・・・
ん?誰じゃ?間に割り込んでくるのは・・・ってローラ?
もそもそもそ・・・
「・・・・・はぁはぁはぁ・・・こ、これはこれでアリかも♪」
・・・ローラ・・・鼻血、垂れてるよ?
(¬_¬)
・・・・かなり苦しい展開?




