3章 総隊長命令(遂行)
俺が今向かっているのは星屑の影が総隊長より任されている基地の一つで地下の作戦本部である。
向かっているといっても歩いてではなく、火を推進力に変え空を飛行して移動している。
周りから注目を浴びないように自分に空と同じ保護色の幻影を纏い高度2000メートル上空を風を操り空気抵抗を減らし時速60~80キロで移動している。
時間にして5分で目的地に着いた。
目的地に着くと移動しながら連絡をしていた部下10人中4名がすでに待機していた。
俺は顔を隠すための仮面を着け、普段左手につけているときのリングを人差し指から抜き新しくレベル7がつけるリングを嵌め呪印の力を一時的に解除してから部下に告げた。
「今日はこの場にいる俺を入れた5名で任務を遂行する。異論は認めない。本日現時刻を持ってレベル7高橋奈緒の命を絶つ。」
部下の5名は最新の注意を払い顔を下げうなづいた。
俺はそのまま自分に幻影を纏い奈緒ちゃんの元まで最高速で移動した。
移動開始から20分気配を殺して俺と部下5名は奈緒ちゃんと奈緒ちゃんの彼氏そして小山の姿を確認できる位置まで接近していた。
その時、俺の心は正直迷っていた。
奈緒ちゃんは別に悪いことをしたわけではない。
ただ総隊長の気にちょっと触れただけで殺せと言うのは何か間違っている気がする。
何より星屑の部隊長を殺すということは組織的にもデメリットしかない。
その時、肌が焼けるような殺気が奈緒ちゃんと小山から放たれた。
さすがレベル7と言った所だろう。
気配を完全に消しても人が放つ熱を探知してこちらを尽かさずに目視して完全に感知した瞬間に小山は力を開放し奈緒ちゃんは得意の時空間転送で彼氏さんを避難させるとは恐れ入ったものだ。
小山は声を張りつめて、奈緒ちゃんは周りを警戒して
「何処の誰か知らないけどこそこそ隠れてないで姿を見せたら?」
「私達を狙う理由はなに?」
この二人を相手に部下のみを行かせるのは、自殺行為に等しいので、俺は部下に手で合図を出し俺を中心とした陣を引いた。
「我が名は影。星屑の権威により高橋奈緒、君の命をもらいに来た。」
俺が言い終わるのと同時に
普段はとても可愛くて優しい奈緒ちゃんの目が殺意を秘めた目に変わり
「貴方が影さんですか? 私もあなたと同じ星屑の部隊長なのはしっていますよね? 部隊長同士の戦いや死闘は総隊長の認可がない限り例え訓練であっても手合せが禁止ですよ?」
この状況で奈緒ちゃんはかなり冷静だった。
俺は、部下に小山を倒せと手で合図を送り、奈緒ちゃんには冷たい口調で真実を告げることにした。
「その総隊長が今回俺を動かしているとしたら? そしてお前は知らないだろうがお前の彼氏は総隊長の娘さんの元彼だ。風雅はお前と会ったがために総隊長の娘さんは苦しみそしてその辛さのあまりにお前の暗殺を総隊長に頼んだんだよ。そしてレベル7のお前を殺せるのは順位を配慮すれば俺か女神しかいないってわけだよ。」
奈緒ちゃんは少し驚いていた。
奈緒ちゃんは総隊長がまさか彼氏の略奪程度で動くとは思ってなかったのだろう。
しかし現実から目を背けている感じはなく、むしろ俺に対して臨戦態勢を取った。
恐らく覚悟を決めたのだろう。
俺も覚悟を決め構えを取った。
「我が名は影。雷鳴よ我が身に降りかかる敵を薙ぎ払え」
詠唱を終えた俺を中心として電流が円を描くように現れた。
そして
「アテナの名のもとに時空の力を私に」
奈緒ちゃんも詠唱した。
およそ半径3メートルの円に流れる電流だが電圧と電流は高いので生身の人間がまともに食らうと心臓麻痺をしてもおかしくないし下手したら一撃で死ぬ事もある。
俺が大気中で放電現象を起こした場合、1回の放電量は数千~数万A、電圧は1000~2000 V、これだけの電流を操るにはかなりの力を浪費するので俺は一気に勝負を決めることにした。
円状に放電している雷を操り8個の雷槍を生み出し奈緒ちゃん目がけて放った。
「甘いですよ」
奈緒ちゃんは笑っていた。
奈緒ちゃんまでの距離ならば1秒ほどで届いたが雷槍は突如消え、その刹那に俺の後方に10メートル地点に姿を現し俺に向かって飛んできた。
俺は雷を操り後方に盾を作りそれを防いだ。
「さすがは影さんね。まさか後方に雷槍が現れて0.4秒弱で身を守る盾を振り返らずに作るとは」
「俺をそこまで過小評価しないでもらいたいね」
奈緒ちゃんと戦うのは初めてだが正直攻撃を認識されれば奈緒ちゃんの頭で位置座標を計算されそしてそれが位置座標を求められた物体は新たな位置座標が上書き入力され元々あった地点からまるで瞬間移動したかのように現れ移動する前の運動を物体がする。
確か人とその人が直接支配しているものは直接触れなければ移動させる事が不可能と聞いたことがある。
そして触れる時間は物や人によって誤差があるが推定5~8秒と聞いている。
ならば遠距離で戦うより近接戦闘の方が分があると判断した俺は円状に展開していた雷を身に纏った。
多忙なため次話は不定期更新です。




