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傷心?幼馴染みとデート3


「紅これとさっきのやつだとどれが良いですかね?」


「前の方が清楚な感じ…がしてて…今持ってるのは…ボーイッシュな感じがするから…愛菜が着るなら前のかな」


「そうですか、ならそっちの方にしますね」


と言って愛菜は僕が言っていたふわっとした感じのワンピースを取りに戻った。


タピオカを飲み終わった僕らは現在愛菜の本来の目的である買い物をしている。ようやく僕が荷物持ちとして働く時間が来たわけだ。だが、今のペースだと荷物はそんなに多くはならないので僕はいなくてもいい気がするけどこうして愛菜とデート出来ているのだからそんなことは気にしない。


『それにしても愛菜は服を選ぶのに時間が掛かるなぁ、まぁベクトルが全く逆の服で悩むから意見するの自体は楽で良いから苦にはならないな』


愛菜が服を持って帰ってきたのを見ながらぼんやりとそんなことを僕は考えた。世の中の男は一度愛菜のような女の子とデートに行くと服に意見を言うセンスが磨かれるだろう。でも、愛菜のようなタイプの子は少数なのでセンスが磨かれる人は殆どいないので機会があればだけど。


「とりあえず、この店はこれだけにしておきます」


「僕は…もう少し…ここで服見てるから…会計してきなよ」


僕も実を言うと服を見るのが好きなので、服屋に行くとかなり真剣に服を物色するタイプだ。僕はスタイルが良いのでピチっとした服装が似合うと蒼太や愛菜、姉さんに言われるけど、服の好みはダボっとしたパーカーとかズボンが好きなのだ。だから背が伸びてきても違和感なく似合うものを探すので意外と時間が過ぎていたりする。


なので、服屋に行くのが苦痛な人は好みの服のタイプで安いものがないか色んな店を見て回ると意外と克服できるかもしれない。でも、デートとかしているとそんなことはできないんだけどね。


「紅会計終わったので、次は隣の店に行きましょうか」


「は〜い…」


僕は会計を終えて袋を持ってきた愛菜に荷物を持ち、この後も色んな店を練り歩くのだった。














「そろそろ…良い時間だね」


「本当ですか?うわぁ、もう19時になってますね。やっぱり楽しい時間はあっという間に過ぎますね」


僕らが来た時、まだ顔を出していた太陽も沈み一等星達の光がポツポツ見えるくらいの暗さになっていた。僕の両手は今日の買い物で愛菜が買った服で塞がっているので、今日はかなり満喫できただろう。個人的には、服屋の横にあった猫カフェの猫を眺めるのは楽しかった。


「バスも…そろそろ来るから…帰ろっか」


「そうですね、名残惜しいですけど今日のところは撤収です!」


「今日は…楽しかった?」


「はい、勿論ですよ!こんなに服を買うのなんて久しぶりですからね、ついつい沢山買いすぎてしまったくらいです」


「ずっと前から飲みたかったタピオカを飲んで、紅が変な顔をしてるのは面白かったですし、二人で猫カフェの猫を眺めて癒されました。こんなに楽しかったのは久しぶりです。だから、今日は私に付き合ってくれてありがとうございました」


そう言いながら本当に楽しいと僕に伝えるように花が咲いたような満面の笑みを僕に向けてきた。


あぁ、ほんとずるいよ。こんな楽しそうな愛菜を見たら勘違いしそうだ。僕の欲望を今すぐにでも彼女にぶつけたくなるでも、それは今じゃない愛菜がきちんと蒼太との一件を乗り越えてからだ。それがいつになるか分からないけど、僕はその日が早く来ることを願いつつ、愛菜に微笑み返すのだった。


「こちらこそ…」







短っ!


以上です。

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