No.26 好きの定義は~初めての恋と王子様
<サンエーリside>
眠るのタオルのを替えるのに慣れた頃。
頭を埋め尽くすのは、リーフに言われた言葉。
「じゃ、ちょっと水替えてくるわ」
「分かった。私は見ているから」
気もそぞろに返答してから、また考えに没頭する。
なぜティアなのか…?
゛強く失いたくない゛
それは私が、強く思った事。
私はティアが特別な人なのは、今回の事で分かった。
ただ、それが恋なのかが分からない。
「…ん…」
ティアの声で意識が戻ってくる。
手で触れたティアの額は熱くて、私の胸が苦しくなる。
そのまま、唇に触れると胸が甘やかな何が胸を締め付ける。
触れ合った唇は熱くて、嫌悪感もなかった。
むしろ、胸が締め付ける様な甘く感覚。
柔らかな唇を見てると、吸い寄せられたように顔を近づけてハッとする。
「何をしようと…」
自分で信じられない。
何をしようとした?
ないと思ってたのに…。
あり得ないと思ってたのに。
そのまま、唇に触れていた手を手に移す。
「私はティアに恋をしているのだろうか?」
疑問系になるのは仕方ない。
自分でも分からないのだから。
ただ、ナルサス殿といたのを見た時。
モヤモヤしたモノで一杯になった。
特別は私とリーフだけで良かったのに…あの部屋にいたことにイラッとした。
その中にあったのは、嫉妬だったのかもしれない。
口移しで薬を飲ませたのも、すでに好意を持っていたから?
「……恋していたのかもしれない……」
認めてしまえば、答えは簡単。
嫉妬したのも、暇さえあれば会いに来たのも。
少しでも側にいたくて。
見ていたいし見て欲しくて。
全てが恋だと言っている。
今まで気が付かなかったのは、鈍いくらいだ。
「私は鈍いみたいだね…」
苦笑がうまれてしまう。
今までになかった感情だから、許してもらえるかな?
でも、決ったら迷わない。
まだティアに意識されていないから、まずはそこからだよね。
まずはそこからで、私を男として見てもらわなきゃ。
「どうした?笑ってたみたいだけど?」
洗面器を持ったて戻ったリーフが、聞いてくる。
私は思ったままを、伝える。
「私も恋をしたようだ」
「やっと気がついたのか?」
「リーフは知っていたのかい?」
驚く私をよそに、呆れ顔で頷かれてしまう。
「気がついたのは、最近だけどな」
「そんなに分かりやすかったかい?」
「他人の方が気がつきやすい事もあるからな」
自分の行動を思い返してみると…確かに分かりやすいのかもしれない。
髪にキスするのも、手を握るのも。
腰を抱いた事だってある。
「でも、意識されていないって事は…脈なしなんじゃないかい?」
「そうでもないみたいだぜ?」
「そうなのかい?」
「嫌いな相手にしている態度じゃないって、あの三人が言っていたしな」
あの三人とは、側近達の事だってことはすぐに分かった。
希望はある。
それなら、やる事は一つだけ。
好きになってもらえるように、行動すればいい。
「覚悟しといてね?…本気だから」
宣言をして額に唇を落とす。
「じゃ、俺も本気でいかしてもらう。三人で仲良くもいいだろ?」
リーフは頬に唇を落とす。
落とされたのか落ちたのか?
私達は眠るティアを見つめ続けた。
初めての恋心にあるのは、甘やかな感情とちょっとだけ切なさだった。




