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転生珍獣王女奮闘記  作者: 千里
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No.24 マウストゥマウス


あのお茶会があった次の日。

私は晩ご飯を一人で食べていた。

ハーツ達が父様に呼び出されていたから。

食事はハーツ達がしていってくれたので、問題はなし。

今日のご飯は、日本で言うニラ、こちらではカナイの炒めものに、温かいカボチャのスープ。

ふかふかのパン。

食べようとした時、ノックの音で食事を中断させる。


「やぁ、私も一人だから一緒にどうだろう?」


入ってきたのは、サンエーリ様が一人でいます。


「あれ?リーフ様は?」


「あぁ、王様に呼び出されたみたいで、絶対うろつくな!って言って出掛けて行ったよ?」


「私も同じ様な事言われてますよ。でも、動くなと言われると…動きたくてウズウズするんですよね」


前フリに思えてならないのは、私がひねくれているのでしょうか?


「質素なメニューでいいなら、ご一緒しますか?」


賓客用のメニューに比べたら、かなり質素な感じですが。

そこにノックと共に入ってきたのは、お疲れ気味の兄様。


「ティア、サンが来てないかい?」


「やぁ、ディルお疲れ様。今お邪魔した所だったんだ」


「そっか。じゃ、三人で食べようか?」


決定事項らしいです。

お兄様はかって知ったる様子で、メイドに合図を送ります。

メイドまで持参するなんて、最初からご一緒コースは決められていたらしいです。

テキパキと料理が用意されて、いざ食事を再開します。


「でも、なんの用なんだろうね?」


「確かに。ティアの側近達とリーフだしね」


「聞いてみたけど、全く分からないみたいだよ?」


全くもって謎。

父様がなぜリーフ様を入れた、四人を呼び出したのか。

謎過ぎて考えるのを放棄したくらい。

カナイの炒めモノを口に入れて、モグモグしようとしてハッとする。

行儀が悪いけど、皿に吐き出して二人を見て言う。


「炒めモノを食べちゃダメ!これ、カナイじゃない!」


ピリッと舌を刺激した感じから、毒性の強いニライだ。

野生で生えていたら、すぐに気がついたのに。

料理にされてしまうと、青臭さと葉の形からでは見分けるのは困難。

私でも、口にするまで分からなかった。

普通の人なら、きっと気がつくのは毒が回った後で。

すぐに吐き出したにしても、多少の毒は回っているはず。

解毒剤を飲んで、寝てしまわなければ。

良くて発熱だけ。

最悪は考えたくない。


「大丈夫かい?」


「ニライか…すぐ解毒剤を飲んで寝なきゃ」


「多分。解毒剤を取りに行ってきます」


お兄様とサンエーリ様に心配させまいと、微笑んだつもりだけど成功したのか微妙。

手が妙に汗ばんでいるのを、ギュッと握りしめて続き部屋にある薬の保管庫に急ぐ。

前に同じ様な事があったから、一応のストックは用意してあった。

薬の前まで行って、グラッと身体が傾いてガチャンッと音を立てて何かが倒れる。


「ティア!」


「ティア、薬はコレかい?」


私は閉じそうな目を開けて、頷き返す。

口を開けようにも、痺れてきてしまっていて上手く言葉に出来ない。


「飲めるかい?」


お兄様の言葉にも返答出来ないまま、私は痺れの走る身体に力を入れようとする。

それでも、声にならないかすれた声で答えようとする。

悲しいかな。声にもならずにただ息だけがもれてしまう。

抱き起こされた私に、急にサンエーリ様は謝ってくる。


「ごめんね」


どうして…?


「っん…」


唇に柔らかな何かが、私の喉に薬を流し込んでくれる。

苦い薬の味すらも、分からないくらいにパニックです!


「あと少しだから、頑張ってね」


また唇を塞がれて、喉に苦い薬が流し込まれてきます。


「役得かな?」


「サンは本当に考えて行動してるか?」


「ティアじゃなきゃ、しなかったから」


「じゃ、その意味考えろよ?」


「その意味ね…ただ、ティアを失いたくなかったんだ。ティアを守りたいとも」


「だから、その意味を考えろって。答えなんて、案外シンプルだったりするんだからな」


「失いたくない意味?生きてて欲しいからだけじゃ、ダメなのか?」


その言葉に、胸がギュッとします。

私もお兄様やサンエーリ様が、無事で良かったです。

だから、声にならなくても。


「二人が、、無事で…ヨカッタ…」


「ティア…早く良くなって」


額に柔らかな感触と呟かれた言葉に、更に胸がドキッと波打つ。

そのまま意識はブラックアウトして、途切れました。


「ベットに運ばなきゃ」


「じゃ、このまま私が運ぼう」


途切れる寸前、そんな会話を聞いた気がした。

ファーストキスをした事に気がついて、ジタバタしたのは言うまでもない。



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