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57話 海辺の街道

第3章 開始します

「わあ!海だよ!海が見えるよ!」


 レィナちゃんは街道の先に海が見えてきて、興奮しています。


「早く海まで行きましょう!」


 レィナちゃんは魔動馬の速度を上げて、海に向かって突進しました。


「なあ、海ってそんなに珍しいか?」


 ソラ君がボクに尋ねます。


「ボクたちの住んていた王都は内陸にありますから、遠出しないと海が見られなかったのです」


「そうか、オレの生まれ育ったところは海が近かったからな」


 ボクとソラ君も魔動馬の速度を上げてレィナちゃんを追いかけました。




 海岸に近づくにつれて、潮の匂いがしてきました。

 気温もだんだん上がっているみたいです。


 やがて街道が砂浜に到達すると、視界いっぱいに海が広がってきました。

 どこまでも続く白い砂浜と、果てしなく広がる青い海が水平線の彼方まで続いています。




「天気もいいし!早速泳ぐわよ!」


「ええっ!今からですか!」


 レィナちゃんは砂浜で魔動馬から降りると、いきなり服を脱ぎ始めて下着姿になってしまいました!

 

 そして、下着のまま波打ち際へ走って行くとそのまま海の中に飛び込んで泳ぎ始めてしまったのです。


「気持ちいわよ!あんたたちも早くいらっしゃいよ!」



 ボクとソラ君は顔を見合わせました。


「どうしますか?ソラ君」


「そうだな、蒸し暑くて汗もかいたし、オレも泳いでくるかな」


 そう言ってソラ君も装備を外し始めました。


「ルルはどうする?」


「ボクは・・・見学しています」


 人前で下着姿や水着姿になるのは・・・やっぱり抵抗が有ります。


「じゃあ、オレも一緒に待ってるか」


「そんな!ボクに気を使わなくてもいいですよ!ソラ君は泳いできてください」


「そうか・・・わりいな。じゃあ、ひと泳ぎしてくる」




 ソラ君は、ショートパンツにタンクトップ姿になると海の方へ駆けて行きました。


 ・・・あの姿なら女の子だってわからないですね。



 ソラ君が海に飛びこむと、早速二人は泳ぎで勝負を始めたみたいです。


 ほんとに二人とも、息がぴったりで羨ましいです。





 ・・・・・昨晩、ボクとソラ君はお互いの秘密を打ち明け合いました。




 ソラ君はボクの秘密を知っても変わらずにボクを受け入れてくれたのです。

 それは、ソラ君の秘密を知ったボクも同じです。



 お互いの気持ちを更に強く確かめ合った夜となりました。



 レィナちゃんとエルさんは、今朝もボクたちの事に興味津々でしたが、毎朝盛り上がる二人に付き合っていたらいつまでたっても旅が再開できないので、今日は強制的に出発する事にしました。


 本当は二人に、ボクとソラ君は毎晩『念技』の訓練をしていただけだと説明する予定だったのですが・・・ 昨晩、ボクがベッドを汚してしまったので、その事はメイドさんを通じてエルさんにはしっかり知られているはずです。


 こうなってしまってはもう何を言っても信じてもらえないでしょう。


 ボクとソラ君を見るレィナちゃんとエルさんの生暖かい笑顔が痛かったです・・・


「若いお二人は昨晩もお盛んだったみたいね?」


「いいなあ、あたしも彼氏作っちゃおうかな」


 朝食の席で散々二人にいじられた後、ボクたち三人はエルさんの屋敷を後にしたのです。


 エルさんの町はボクたちの国の東のはずれで、その先は隣の国になります。

 ボクたち三人は、ついに国境を越えて隣の国へ入ったのです。




 ・・・ひたすら泳ぎ続ける二人を魔動馬を日よけにして砂浜で待っていたら、ようやく海から上がって来ました。



「ちっ!また引き分けかよ」


「あんた、ちっこい体で、ねばるわね!」


「お前こそ、その胸は水の抵抗になって泳ぎ辛いんじゃねえのかよ!」


「そうね、これだけのハンデがあって引き分けんだったんだから、事実上あたしの勝ちね」



 ・・・相変わらず軽口の応酬です。




「って!レィナちゃん!下着が透けて肝心なところがほとんど見えてるじゃないですか!」


 レィナちゃんの下着は白いシルクの下着だったので、水に濡れたらほとんど透けてしまっています。


 胸の突起や、腿の間などの隠すべきポイントがはっきり見えてしまっています。


「ああ、そうね。これなら全部脱いでも同じだったわね。その方が早く泳げたかも?」


「レィナちゃん!ソラ君に見られて恥ずかしくないんですか!」


「ああ、こいつ、あたしが全裸だろうと何も感じないから大丈夫よ」


「確かにそうだな、ルルの裸の方が全然興奮するぜ!」


「ソラ君も何言ってるんですか!」


 ちなみにソラ君のショートパンツとタンクトップは、どちらも厚手の布地なので透けてません。

 胸のふくらみもわからないです。


「いいから早く服を着て下さい!」


「蒸し暑いし、もう、このままでいいかなって思ってたのに」


「街道を進むのに他の人にも見られてしまいますよ!」


「仕方ないわね」




 レィナちゃんは魔動馬の鞄から着替えの下着とタオルを出すと、濡れた下着を脱いでタオルで体を拭き始めました。


 ・・・ソラ君がいても全然お構い無しで裸になっていました・・・・


 って、一方でソラ君もレィナちゃんに背を向けて同じ様に、裸になってタオルで体を拭いていました。



 お互い背を向けて全裸で平然と体を拭いてるこの二人って・・・


 本当に興味がないのか、信頼し合っているのか・・・よくわかりません




 体は女の子同士だから問題無い・・・のでしょうか?




 そして、二人の裸を同時に眺めて・・・どっちの裸を見てもドキドキしてしまっているボクって・・・




 実は一番エッチなのはボクなのかもしれません。



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