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55話 彼氏の真実

「オレは自分が男だなんて一言も言ってねえぜ」



 ソラ君は腰に手を当てて、どや顔で言いました。



 ・・・全裸ですが・・・




 そう言われてみると・・・確かに言われた事はありませんが・・・


 どう見ても男の子に見える様に振舞っていました。



「ソラ君も、心と体が・・・違ってたんですか?」


「オレの場合、生まれた時から男として育てられたからな。これが普通だと思ってた」


 そうでした!ソラ君は王位継承者だったのです。


「男の子として育てられなければならない理由があったのでしょうか?」


「ああ、オレの母親の一族が、何が何でもオレを王位に就けたかったかったらしいな。オレが生まれた時、女だったら殺されてたそうだ」


「それって!結構重大な秘密ではないのですか?」


「母親と一部の人間しか知らねえな」


「そんな大事な秘密をボクなんかに教えて大丈夫なんですか?」


「大事な秘密だからルルに教えたんだ。ルルだって秘密を教えてくれただろ?」


「ボクのは・・・一人で悩んでいればいい事ですから・・・」


「ルルの悩みはオレが何とかしてやる。一人で悩んでんじゃねえ」


 ソラ君はそう言ってボクに近づき、優しく抱きしめてくれました。


 ソラ君の小さな女の子の体が、とても大きく逞しいものに感じました。




「今までずっと体の事で悩んで生きてきたんだな?」


「はい・・・自分は女の子なのに、どうして女の子の体じゃないんだろうって・・・最近はだいぶ考えない様になってきていたんですけど、時々ふっと悲しくなったりする事もありました」


「そうか・・・無理やり彼女にして、すまなかった」


「そんな事ないです!ソラ君が男でも女でも関係ないって言ってくれて・・・それですごく救われたんです!」


「ソラ君だから・・・付き合ってもいいかな・・・って、思ったんです」


「・・・そうか・・・それなら良かった。これからは悩む前にオレに相談しろ!ルルの悩みに一番答えてやれるのはオレだろうからな!」


 ふふっ、確かにそうですね。



「ソラ君は体の事で悩んだ事って無かったんですか?」


「ああ、世継ぎを作る時はどうすりゃいいんだって思ってたぐらいかな」


 確かに、表向きは王子ですからお嫁さんを娶る事になるのでしょう。


「ただ、年齢が上がるにつれて、体が小さかったり、胸が膨らみ始めたり、他にも問題が増えてきそうだったから、早々に王位争いから身を引いて、遠くの国で好き勝手に生きていくつもりだったんだ」


「それでボクたちの国に来たんですね?」


「国を出たオレには剣しかなかったからな。折角だったら『剣聖』を倒して世界一の剣士を目指そうと思ったんだ」


「ふふっ、前にもそう言ってましたね。遠く離れた国なのに、『剣聖』の事を知ってたんですね?」


「オレの師匠が教えてくれたんだ。あの国に世界一強い剣士がいるってな」


 ・・・ソラ君の師匠はお母さんの知り合いだったのでしょうか?




「ルルの方はどうだったんだ?初めから女として育てられたわけじゃねえんだろ?」


「ボクは・・・最初は男の子として育てられました。でも、だんだんそれに違和感を感じるようになったんです。それで、お父さんとお母さんに女の子として生きたいって言ったら、そうしなさいって言ってくれたんです」


「そうか・・・いい親だな」


「はい!素敵な両親です!」


「・・・でも、ソラ君と同じで体が成長するにつれて、これからどうしようか悩んでいたところでした」


 ボクは自分の体を見下ろしました。


「そうか・・・それはつらいよな・・・でも、何か解決策が見つかったんだろ?」


「えっ!・・・わかるんですか?」


「ああ、今の話を聞いて、最近のルルを思い出したら、何か目標に向かって突き進もうと決心したみたいだったなと思ってな」


 ソラ君、ボクの事をちゃんと見ていてくれているんです。


「はい、今回の件で、ボクは魔法を使える様にならなければいけなくなりました。そして、ボクが魔法が使える様になったら・・・体を女の子の体に変える事も出来るかもしれないんです」


「そうなのか!魔法ってそんな事まで出来るのか?」


「ええと・・・ボクの魔法は少し特別らしいのですが・・・」


「でも、そうなったら悩みは解決だな!良かったな」


「まだ、なれるかどうかわかりませんが・・・」


「ルルなら、きっとなれるさ!そうなるまで頑張るだろ?ルルは」


「はい、そのつもりです・・・・でも、折角ソラ君と・・・その・・・出来そうだったのに・・・」


「オレの事は気にすんなよ!正直言って、この体で、男の体のルルと・・・なんて、多分オレには無理だな!」



「ボクも、この体で女の子のソラ君と・・・なんて、ちょっと無理かもしれません」


「だろ?今こうして裸で抱き合っててもそんな気分にならねえからな」


「はい・・・ええと、ならなくはないんですけど、やはりこの体のままでは違和感を感じます」


「そうだな、オレもしっくりこねえな・・・そうだ!ルルの魔法で俺の体を男にする事は出来ねえのか?」


「そうですね・・・もしかしたらできるのかもしれません」


「もしそうなったら、ルルと交尾するのは全然ありだな!」




 相変わらずソラ君はあけっぴろげです。




 ・・・ちなみにソラ君はさっきから胡坐をかいているので・・・女の子のあの部分もあけっぴろげで・・・ちょっと目のやり場に困っているのです。


 ・・・と言いつつも、しっかり見てしまっているのですが・・・




 でも・・・ボクも女の子の体になったら・・・男の子の体のソラ君とだったら・・・そういうのも有かもしれない・・・




 ・・・と、思ってしまったのでした。



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