力の模索
その後、キジヌ達は連れ去られた者たちと共に村へと戻った。
老人たちは涙を流しながらキジヌ達に礼を言った。
キジヌは報酬は村が再興してからで良いと言い、スリーに睨まれた。
しかしボスが決めた事だとスリーも一応は納得した。
海賊たちはデュメイ銀河警察に逮捕された。
そしてキジヌ達は艦に戻り、中央ギルド領域に帰った。
「しかしレンジュウロウに借りが出来ちまったな」
中央ギルド領域への帰りの途中、不満顔でスリーはぼやいた。
「そんな……俺の方が今まで十分に助けられてたんだから、まだまだ足りないくらいだよ」
「それでも納得いかねぇ、絶対に借りは返すからな」
「そんな事言われても……」
「あきらめたまえ。ああなったらスリーは折れないよ」
「そうなんですか……」
「とにかく覚えてろよ、てめー」
そう言うとスリーはブリッジから出て行ってしまった。
そんなスリーの言葉に純一郎は呟いた。
「最後の、なんか意味変わってない……?」
「しかし無事能力が発現してよかったね」
「あ、はい。何か不思議な感じですけど」
純一郎は手のひらの上に小さな光の板を形成し答えた。
「作れるのは板だけなのかい」
「はい、板以外は作れないみたいです……」
「ふむ色を見てもレンキとは違うみたいだね」
「そう言えば海賊にもレンキ使いの人が居ましたけど、その人は斬撃を飛ばしてましたね。レンキってど
んな感じなんですか?」
「ふむ、一言でいえば『砂』に近いかもしれないな」
「砂、ですか」
「うむ、レンキは形を作るだけではなく固めることも出来る。もちろん自由な形にね。私がレンキを形成
している時は砂を固めるイメージでやっているよ」
「砂を固めるイメージ……」
「まぁ君の能力とレンキは根本が違う可能性があるから、あくまでも参考て程度に聞いてくれ給えよ」
そう言うとキジヌもブリッジから出て行った。
暫くして、純一郎も自室に戻った。
純一郎はベットの上に寝そべりながら、自分の力を何に使えるかを、手のひらに板を形成しながらずっと考えていた。
「襲撃だ!」
デュメイ銀河第二十五留置所所で炎が起こった。
たった五人の男達に襲撃されていた。
男の一人が刀を持ちながらある房の前に立ち、片手で柵をへし曲げた。
男は筋骨隆々で顔に髭を蓄えていた。
「釈放だぜぇ、ランセム」
男はそう言うと刀を差しだした。ランセムと呼ばれた男は刀を受け取り答えた
「済まないドルの兄貴」
二人は実の兄弟ではない契りを交わした兄弟だった。
ドルと呼ばれた大男は髭を揺らしながら笑って言った。
「お前がしくじるなんて珍しいな。誰にやられた?」
「ミスタービースト。キジヌ=サルモモールの所の新顔にやられた。油断したとはいえ俺のミスだ。済まない、兄貴」
「お前のそのストイックな所が好きだぜ。さあこんな所さっさと出て行ってお礼参りと行こうぜ」
そう言って男は大声で笑った。
男達は正面からでて行き、車に乗って何処かへ向って行った。
キジヌ達は『マックスボビー』に向かっていた。
再び新しい仕事を受ける為である。途中、デイビットとであった。
「やあ、また依頼の受注かい?精が出るね」
「まあね、貧乏暇なしさ」
「デイビットさん!俺能力が出たんですよ」
そう言うと純一郎は手の平に光の板を出して見せた。
「すごいじゃないか!今度じっくりと見せてもらおうかな」
「急ぎなのかい?」
「どうもデュメイの方の留置所で襲撃事件があったみたいでね、その件で応援に呼ばれたんだ」
「デュメイ?先日仕事で行ってたな」
「もしかすると関係があるかもしれないな。一応後で話を聞かせて貰うよ」
そう言うとデイビットは駆けて行ってしまった。
そんなデイビットを眺めて送るとキジヌ達は『マックスボビー』に向かった。
『マックスボビー』のテーブル席に座りキジヌは皆に口を開いた。
「それらしい相手とやりあったかい?」
「あたしの方はそれらしいのは居なかったね」
「俺らの方で刀を使った手練れのレンキ使いがいたぜ。もしかしたらそいつは用心棒で偶々居合わせたの
かもしれないな」
「報復される可能性がある。皆用心した方が良いな」
「用心つってもどうするんだ?」
「常に二人以上で行動しよう。あとは情報集めだな。ロンリースミスから聞き出すとしよう」
キジヌは情報を聞き出すために体内通信機を起動した。
「あたしは仕事をもらいにでも行こうかね」
グランマはカウンターに向かい仕事を受けに行った。
どうやらキジヌは情報を受け取ったらしい。皆向けて口を開いた。
「相手は新鋭の五人組の賞金稼ぎだ。リーダーはドルというレンキ使いの大男。部下にランセムというレ
ンキ使い、ギルバートと呼ばれる爆弾魔、双銃使いのマニィ、魔術師テルモの五人だ。仕事の仕方が荒く手段も選ばない為要注意指定されている奴らだ。どうも厄介な奴らに目を付けられたな」
「これからどうするんだ?」
「恐らく何らかの形でコンタクトを取ってくるだろう。それを待つしかあるまい」
「コンタクトならもう仕掛けてきたよ」
カウンターに受かっていたグランマが戻ってきた。
グランマの顔の皺が深くなっていた。
「一体どういうことだい?」
「先日の依頼と丸っきり同じの仕事が名指しで来ていのさ。恐らく奴らの仕業さね」
「まさかお爺さんたちを……」
「人質にしている可能性はありマスネ」
「放って置くわけにはいくまい。早速出発しよう」
一同は立ち上がり艦に戻った。




