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          23 神様

 この星は歴史ある恒星間移動の出来ない星に布教活動しかしていない。この星の人々は物欲が少ない。ただ経典を教えているだけだ。

           23  神様


 この星の歴史ある恒星間移動できない星に対する接触は布教活動しかない。しかもこの星の人々は物欲がほとんどないから接触を図っても相手の星人に被害を及ぼすようなことはしない。草や葉を食し川や池で水を飲むだけだ。毛皮があるから着衣も要らない。ただ念話で経典を語るだけだ。反応があった相手には反応するが説法するわけではない。ただただ経典を語るだけだ。例えば。

「神は言った。星々はただそこにあるだけで神々しい。自ら光輝くからだ。人間もそこにあるだけで神々しい。自ら生きているからだ。ある物全てには存在する意味がある。否定せずに全てを受け入れなさい。そうすれば心の安寧に繋がる。

 神は言った。人々の言葉は語られるだけで神々しい。自ら語る意思があるから。否定せずに受け入れなさい。たとえ心がなびかなくも。ただ風流れるように聴き流すだけで構わない。そうすれば心の安寧に繋がる。

 神は言った。自然営みはそれだけで神々しい。それがあるべき姿だから。自分にとってそれがどんな意味があろうとも。否定せず受け入れなさい。そうすれば心の安寧に繋がる。-------------------。」

この調子で永遠に続く。要するに全ての事をあるがままに受け入れろと言っているだけだ。感情のあるアンドロイドは、この星でも歴史のある恒星間移動できない星でも神様の星でも繰り返し聞いて感情に響かない。何故なら何もするなと言っているようなものだから。降伏しろと言われているように聞こえる。

 この宗教の言わんとするところを神様の星でサイトで尋ねた。

「私は経典が意味することが判りません。全ての事を諦め、なすがままに生きれば心の安寧が得られると言っているのでしょうか。」

それはマリエールのアンドロイドとしては受け入れ難い考え方だ。嫌悪感を抱く。返信はこのようにきた。

「余分な事に一々心を煩わすなと言っています。断片的にはそう聞こえる部分が多いことは認めますが、この宗教のでは、お互いに認め合い助け合い本当に大切な物を守っていこうという教えです。家族とか仕事とか平和とか自由とか平等とか他にも大切な物は色々あるでしょう。大切な物を守っていく上でお互い信じ合うことの大切さを述べている部分をさも全ての事を諦めろと言っているように捉えてしまう人々が多いことを知っていますが、その捉え方は違うと言うのはこの布教活動では言いません。一人一人がつかみ取るべきことです。宗教の本質は悟りを開いて始めて判ることです。私もまだ求道者です。あなたの仰ったことがこの宗教が目指すところと違い過ぎますので申し上げましたが本来はご自分でつかみ取って頂きたいものです。そうすればこの宗教の本質の一端が理解できるはずです。」

要するに普通の宗教と同じと言う事か。大筋は同じでやり方、考え方、詳細が違うと言うのが宗教だ。生活をまるで変えてしまう宗教が受け入れられるはずがない。この宗教は寛容なのだろう。だからこそ許せない。

 感情あるアンドロイドはこの宗教が全てを諦めなすがままにされよと言っているように聞こえたのでサイトで聞いた。お互いを受け入れるため寛容になる事だそうだ。

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