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          20 国外

 マリエールは決意した。国外に進出することを。遠く進むことを恐れていた。幸せを失うかも知れないと心配なんだ。

            20  国外


 マリエールは様々な救済活動を通して社会に貢献してきたが、マリエールの社会貢献はあまり人々に知られることはなかった。むしろマリエール商会の活動として認識されることが多かった。マリエールにはどちらでも良かった。マリエール商会の理念が愛する人々に幸せをもたらす活動なのだから救援活動もマリエール商会の活動の一つと認識されればいい。マリエール商会の価値が高まるだけだ。

 マリエールは類稀な能力の割に活動範囲が広くなかった。国内以外は南の島で砂糖やチョコレートを作って販売しているくらいのものだ。海外で神様にされた仕打ちの酷さに足が竦んでいると言ってもいいだろう。しかし、この世界に復帰して20年以上経った。マリエール商会にも幹部が揃い。アンドロイドも成長して自立型ユニットも揃ってきた。飛躍しても問題ないだろう。国外進出に乗り出す時だ。

 アンドロイドを四方に送り出し。自らは神様に文句をいうことにした。言って何かが変わるわけではないことは判っているが。

 以前はフライでまっしぐらに飛んだが今回は転移を使った。延べで言えば120年だが神様に取っては20年か。文句をいうつもりだったがいざ会うと思うと何を言っていいのか判らなくなる。取り敢えず報告か。

 神様の間についた。

「神様いるんでしょう。隠れてないで出てきて下さいよ。」

神気が変わった。

「儂は何時でも此処におる。その方には見えないだけだ。ふん、多重存在か珍しい。そんな力を手にしたか。この世界への未練のなせる技か。」

神様に会った時の事を鮮明に思い出した。愛する人々に幸せをもたらすために万能の魔法を神様に願った事、結果銀河系秩序を守る会の会長代理になり自分自身を作り出す魔法でマリエールを作り時空を操り元の世界に戻った事。

「あなたに勝手に秩序を守る会に送られ文句を言いに来たのです。」

本当に文句を言いたいのだろうか。

「お前はあの時、愛する人々に幸せをもたらす万能魔法が欲しいと言ったな。儂はそんな魔法はないと言った。しかし万能に近い魔法ならば知っていた。今お前が持っている魔法だ。完全な魔法などこの宇宙に存在しない。持てる魔法で愛する人々に幸せをもたらすしかないであろう。」

これが聞きたかったのだろうか。マリエールは、

「そうですね。」

とだけ言った。アレンは万能魔法を見付けたのだろうか。あれ以来会っていない友の名前。ルーシーはどうしているだろう。神様に別れを言って南に向かった。今マリエールにとって愛する人々は誰のことだろう。村人のことを思った。アレンのことを思った。ルーシーのことを思った。お父さんのことを思った。みんな過去の思い出じゃないの。120年も前の。何かそら恐ろしくなった。過去に捕らわれているのではないか。

 そうだ。新しく出直すんだ。今出来る最高の魔法が万能の魔法だ。感度を上げて飛び立った。未来は其処にある。誰もが万能の魔法を求める。万能の魔法は存在しないのだ。

 神様と再会した。マリエールを秩序を守る会に送ったことに文句を言うために。万能の魔法はないと言われた。今持つ最高の魔法が万能の魔法なのだと。

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