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やはり間違いない。あいつだ。
ワンスは表面上ではナイアとの会話に集中しながら、内心で冷笑を浮かべた。
これで犯人は確定。刺殺される前も反論しなかったこともある。
しかし───とワンスは改めて自分の推理を組み立ててみることにした。
ツードが爆発に巻き込まれた部屋を調査したが、壁や天井が残らないほどの威力だったと今も覚えている。
粉塵爆発と理解したのは、現場に残っていたわずかなヒントと、それに基づく証拠を得たからだ。
が、それにしては奇妙な現場だった。
トリックは見破った。証拠も得た。だが決定的ななにかが不足していたのだ。
ツードは愛煙家としても知られている。彼が愛するのは葉巻で、いつも上等なブランドものを常備していることも有名だ。
きっと火元もそれだ。粉塵に煙草の火が着火した。あるいは葉巻に着火するための種火で誘爆した。
おそらく後者である。が、それにしては腑に落ちないのだ。
なぜならツードは、いつも奇妙なライターを持ち歩いている。ここ数年になってかららしいが。聞けば息子のファイヴァが、まだ幼い頃にプレゼントしたライターだとか。
自分が書いた絵が立体となったライターで、ワンスも勤務する工場のひとつそのものがモチーフになっている。きっとシックサ辺りが手配したオーダーメイド品だろう。
溺愛している息子からの贈り物だ。どれだけ歪な形でも、両手で持ちあげなければならないほど大きく、重くとも。ツードは欠かさず使い続けた。
工場らしき形状のライターには煙突があり、その煙突の先端の蓋を開けて着火するという仕組みになっているのだと、自慢げに語っていた。
今回の生誕祭にももちろん持ち込んでいて、寝室に置いていた。
愛煙家という人間の情熱と欲望は凄まじいもので、どれだけ酩酊していても煙を吸いたくなる衝動に襲われれば抗う術を失う。
きっとツードはシックサの介助があって寝室に戻り、寝る前に一服しようとして………ボカン、と。
現場には自慢のライターだったものの残骸が残っていた。
だが調べてみると、ライターの煙突の蓋は、熱で溶接されていた。
これがなにを意味しているのか。
導かれる答えはただひとつ。
ライターは粉塵爆発の火種ではなかった。
別のなにかが火種となり、粉塵爆発を引き起こした。
だがそれを判明させる前に証拠を掴み、所有人物を特定。事件が解決してしまった。
なんとも後味の悪い結末だったのだ。
ツードを殺したのは粉塵爆発で間違いありません。
ただし火種は別、と。
これがなにを意味しているのかといえば………答え合わせは近日中に。




