第三十八話 拙者はまだまだでござる!日々精進でござるよ。
今日作者の父上が熱をだしました。
父上が熱を出すのは大分久しぶりで珍しく新鮮でした。
俺はここ一年、一回も熱を出しませんでした。やったね(^^)v
この調子で健康体でいたいと思います。
「これはどうですか?」
「ううん、いいけどちょっとインパクトに欠けるね」
「リーダー!これはどうですか?」
「こっちはインパクトがあるけど、ただただ前に押しているだけだよ」
皆、真面目な顔で会議に取り組み熱く討論している。
俺は椅子に座り、会議の様子をさっきからずっと見守っていたが…………
「やっぱりパン喰い競争はアンパンだろ!!!」
「いーや、メロンパンこそ王道よ!!」
さっきからパン喰い競争のパンをどれにするかという議論で一向に進まない。
正直、なにやってんだという心境である。
そんな事より他に決める事があるだろ!
ちなみに俺はカレーパンが王道だと思う。
「ふふふ、皆熱く、大切に考えてくれて私は嬉しいよ!」
大分底辺の議論ではあるがな。
そんな想いを抱いていた俺に空羅会長が聞いてきた。
「トール!君はなにかあるかな?」
その質問に、さっきまで熱く何のパンにするか語っていた人達まで、こっちを見てきた。
なんかとばっちりが飛んできた気分だ。
しかしそんないきなりの質問にバッと答えられるほど俺の頭の回転は早い訳ではない訳で…………
俺は咄嗟に
「その、パン喰い競争なんで好きなパンというより掴みやすいパンにしてみたら如何でしょうか?」
その言葉にこの会議室は一瞬の静寂に包まれた。
その静寂に、俺の心は張り裂けそうなほどバクバクしていた。
なにか言った方がいいかな?
そして俺が口を開けようとした時、
「そうだね、その考え方はなかったよ!」
空羅会長が微笑んでいた。
その言葉を合図に、会議室に熱気が戻る。
今度は生徒達が食べやすいパンは何か!という議論を始めた。
しかしほとんどの人がさっき言ったパンと変わらない。
皆先ほどの様に円卓から身を乗り出して、罵倒ともとれる議論を始めた。
もうちょっと静かに議論出来ないのだろうか?
俺がその事実に少々呆れていると、空羅会長が俺の側に近寄ってきた。
「いやーさっきの考えは素晴らしかったよぉ!」
そういって俺の手を引っ張って、ギュッっと握ってきた。
嬉しそうにブンブンと手を握ったまま振っている。
「そこまでです!」
その言葉と共に横から手が出てきて、俺と空羅会長の手を手刀で切り離した。
俺がその切り離した本人を見た。
そこには「私は大分お怒りですよ!」という一目瞭然の顔をした撫がいた。
まあ見ようによっては拗ねている顔ともとれるが。
「徹様こちらに!」
そう言って撫は俺の事を自分の方に引きよせた。
意外と強い感じで引かれたので、情けなくも少しよろけてしまう。
「撫魅ちゃんどうしたの?」
「と、徹様を誑かさないで下さい会長!」
なんだろう、会議の手伝いに来た筈なのに、何か別の厄介事に引きこまれている気がする。
撫は俺を背中に隠すように空羅会長と向かい合った。
「誑かしてないよぉ。ただ単にトール君の功績を称えただけだよ?」
「嘘です!明らかに色目を使いました!」
横で鮫皮先生がビクッとなったがそれに気付いた人物はきっと俺だけだろう。
なんでビクッとなったかまでは分からないがとりあえず気にしない事にした。
「嘘じゃないって、ホントホント」
「ホントですか?」
「ホントだってば」
「分かりました」
それで撫は納得したらしく、やっと警戒を解いた。
「とりあえず会議に戻ろう。っね?」
「はい」
「オッケイ!」
そう言って撫と空羅会長は自分の円卓の席に戻って行った。
俺も自分の席鮫皮先生の隣の席へと戻って行った。
席に着くと同時に、鮫皮先生が空から俺に視線を向けて口を開けた。
「空羅は」
「はい?」
「今空羅はお前が言った考えを予想してた」
「つまり?」
「空羅は明らかにお前を玩具にする気だぞ」
「なんとなく分かります、さっきの撫とのやり取りを見てそう思いました」
「頑張れよ」
「ありがとうございます」
そんな会話が終わると、再び鮫皮先生は空を見て、俺は会議に目を向けた。
「それではパン喰い競争のパンは、アンパンという事でいいですかな?」
「「「「はい」」」
「それでは、今日の会議はここまでにします。お疲れさまでした」
終わった会議の号令を掛けるとさっきまで熱く議論していた生徒達が「どうする?パン屋寄る」や、「は~疲れた」などと言いながら帰って行った。
そして、そこに残されたのは俺と、撫と、鮫皮先生と、空羅会長。
「ん~~~~~!」
一度、自分の席に座ったまま背伸びをする空羅会長。
そして背伸びをし終えた空羅会長は俺の方に近づいてきた、撫も一緒に。
「どうだった?今回の会議は?」
会議への感想を聞かれたので当たり障りのない答えを返す事にした。
「今日決めるのはパン喰い競争の事だけなんですね、もっとこう難しい事を議論するのかと思いました」
「基本的に生徒会でもこの事は議論されてる。難し事はそっちでやってるのさ。ここで決めるのは競技への安全性やその競技自体だからね」
ふふん!と何故か空羅会長が威張る形になった。
「空羅。葵理事長が「この会議が終わったら私の元に来い」って言ってたぞ」
「えぇ~~っ?マ~マがそんな事言ったの?」
「そうだ、だからとっとと葵理事長の所へ向かえ」
「ぶ~~~わかったよぉ~~~」
「じゃっ!」といって空羅会長は自分の学生鞄を取って会議室から出ていった」
「じゃあ、今日の会議は終了だ。帰っていいぞ」
「はい、じゃっ、帰ります」
「徹様!」
俺が鮫皮先生に挨拶して帰ろうと後ろを向くと。
そこには顔を真っ赤にして、手をいじりながらモジモジしている撫がいた。
「どうした撫?どっか悪いの?」
「い、いえ、その、そうじゃないんですけど」
「どうする保健室行くか?」
俺が撫の体を気付かい保健室行く事を進めると
「いや、大丈夫です……………その、一緒に帰りませんか?」
なんだそんな事か、別に普通に言えばいいのに。
「別にいいけど…………方向違わない?」
「構いません!一緒に帰りましょう!」
おおう、積極的ですね。
俺は少し撫の迫力に押されて半歩下がってしまった。
鮫皮先生そんなニヤニヤしながら見てないで助けて下さいよ。
俺はこの時、この人にもあの人の血が流れている、と感じた。
そんな事を感じながらも、どんどん撫は近づいてくる。
「分かった、分かったから。一緒に帰るからそんなに近づくな!」
「じゃあ帰ってくれるんですね?」
「ああ」
そう言うと撫は珍しくジャンプして喜んでいた。
そんなに喜ぶ事か?
いやまあ、一緒に帰る事は楽しいけどさ。
「じゃあ私は先に昇降口に行って待ってますね!!!」
そう言うと空羅会長同様、会議室から早足で出ていってしまった。
別に今一緒に行けばいいと思うけどな。
まあ、じゃあ俺も行くか。
「鈴木」
と、そこで鮫皮先生に止められた。
「はい?」
「さようなら」
「あ、はい。さようなら」
ニコッと、珍しく微笑んだ状態の鮫皮先生を見て、不覚にも俺は少しドキッとしてしまった。
これもギャップ萌えに入るのか、本当に恐ろしいな、ギャップ萌え。
俺は顔を少しだけ赤くしながら、そそくさと会議室を後にした。
そして俺は教室に置き忘れた鞄を取って昇降口に向かった。
その廊下は、朝とは違う雰囲気をだしている。
夕日が入り込み、その俺が進もうとしている場所には綺麗なオレンジ色の道ができていた。
そんな道を歩いて昇降口に向かって行った。
下駄箱が見えてきて、そこには当たり前だが撫がいた。
「あ、撫……………」
撫が見えた俺は呼ぼうとしたが、途中で止まってしまった。
撫に夕日が掛かって、よく漫画などで見る感じで少し感動したからだ。
その幻想的とも言える撫の姿に、俺はがっつり見惚れていた。
「徹様!」
その声に俺はハッ!となりやっと現実に戻ってきた。
「さあ!行きましょう!」
「あ、ああ。そうだな」
「?どうしました徹様顔を赤くして?風邪ですか?駄目ですよ、自分の体は大切にしないと」
「あ、うん。ありがとう、気をつけるよ」
「では行きましょう」
そう言い、俺と撫は向きが反対だが撫の提案により歩いて、俺の家まで着た後車で帰る、という事にするらしい。
俺は最初別に撫の家の方でもいいぞ?と言ったが聞いてはくれなかった。
最近、何故かことごとく女性に提案を却下れている気がしたが気にしない事にした。
決して負けを認めた訳ではない。
最後に廊下での件なのですが、あからさまだったですかね?ちょっと書きながら恥ずかしかったです。
まあ次はもっとサラッと書けるといいな、と思っております。
ま、少しずつ前進していきたいと思います。




